第三話-出陣-
ソーマ、ヴォード、アレク、ケイトを連れてシルヴァさんのいる場所へと瞬間移動する。そこで、ケイトが結界解呪の魔法を教わり(というよりは思い出させてもらい)発動させる。それを俺が『箱詰め』して三人に渡す。
「普通に小箱として扱って大丈夫だから。禁呪の結界に触れると消えるように設定してあるから、近づきすぎには気をつけて」
ウィンダリアでガルド王の承諾を得て、ヴォードさんは獅子王アグラス様と部下数名を率いてウルカニスへ進軍する。
「俺が獅子王の部隊を率いるとは… 緊張するのぅ」
「宜しく頼むぞ、若いの!」
ソーマは若獅子レオンと部下数名と共に、テンペスト解放へ向けて一時待機。
「んじゃ、待ってるよ」
「あんまり待たせるなよ」
そして、アレクとケイトを連れてイグナメリスへと再び移動。ケイトとニアは早速意気投合していた。
ニアはデフロス解放へ向けて、いや、父親と会うためにゼモニアへ向かう。そこで初対面し、直ぐに結界解呪を共同作業してもらうのだ。なかなか難易度が高いが、今のニアなら大丈夫だ。うまくいくことを信じている。
カジャはノクスタット領域へ出発しニゲル封印の地の探索と解放を行う。暗黒領域という場所への不安はあるが、問題ないとカジャは言う。ロゼクスとルーもいるし、たしかに問題ないかな。
「あ、私はニアちゃんに着いてくから」
ルーが意外な発言をする。てっきりカジャにべったりだから今回もそうだと思っていた。
「ニアちゃんは大事な妹分だからね。それに、カジャだもん」
わかるような、わからないような… まぁ、本人たちが問題ないなら大丈夫だろう。解呪箱を再び作り、二人へ渡す。
「私、がんばるから!」
「さっさと行け!」
カジャが途中不機嫌になったのが少し気になった。
アレクとケイトは大陸端から海へと降下予定だ。
「のんびり海デートしてくるわ」
「もう、真面目にやらないと怒るよ?」
カジャに部下を借りようと思っていたが、二人は必要ないと言ってきた。ほんとにデート気分、というわけではなさそうだが… いや、ちゃんと信じてやらないとダメだな。
そして、俺は再びウィンダリアへ移動し、ソーマたちを回収してルクセリアに戻った。到着して直ぐにソーマ隊が出発する。
「俺が行ければいいんだが…」
そう言ってそわそわするシンを、俺が突っ込むよりも早くクラルとフィデスが咜りつける。
「いい加減に、もっと王としての自覚を持ってください!」
「仕事は山積みですよ。睡眠時間をこれ以上削りたくないでしょう?」
いいコンビだ。
そして、俺はリコリス捜索へと空へ向かう。




