第一話-王都-
中層「地階」最大の大陸ウィンダリア。その王都ウィンダリア。(大陸と国の名前が同じなのは、この世界ではよくあるそうだ)現在は1000年に一度の賢王と謳われるガルド・ウィンダリア王が治めている。
中層有数の軍事国家でもある。
30名程度の小隊が12隊あり、
3小隊をまとめる中隊長が4名と補佐官が2名ずつ。
そして中隊長の上に大隊長が2名と補佐官5名ずつ。
その頂点に総隊長が1名という編成だ。
見習いとして優秀な騎士候補生も数百いるそうだ。
また、魔法の研究も盛んで、この星最大クラスの魔法図書館を有し、魔法学校もある。超難易度の試験を突破した賢者が属性ごとに7クラス15名ほど。
魔法の属性は下位属性 火 水 風 土 雷 光 闇 の7つ。
中位属性 熱 氷 金 聖 邪 の5つ。
卒業後は教員や中位魔法の研究施設、または軍の魔法部隊に所属するのがほとんどだ。先ほどの部隊とは別に存在する魔法部隊、後方支援が主で公式に実戦投入された記述はない。
賑やかな都市の中央に大きな城が建つ。欧州の古城のような外観だ。四方に高い櫓があり常に監視を行っている。城の内部には、商店や食堂、兵士宿舎の他に広場もあり、ここだけで生活も出来るようになっている。
南向きの城門からは真っ直ぐに城下町の外へと大きな道が伸びている。本来は攻め込まれやすいこんな造りは御法度だが、南西のルベール湖の水を利用し、街には水路が張り巡らされている。この水の存在も、この街の防壁に一役買っているのだ。何しろ、この豊富な水を利用した強力な魔法が襲ってくることは容易に想像出来るのだから。
四人が街の南方の入口へやってくると、門番である兵士が数人待ち構えていた。前方に二人、後ろに控えた兵士は武器を構えている。いつもは2~3人して荷物チェックをする程度だが、今日は厳戒態勢のような雰囲気である。
(さっきの戦い、見られていたのかもな)
などと考えていると、奥からもう1人出てきた。
ブロンドの髪をなびかせて、黒い瞳の輝く目を大きく見開いて、笑顔でこちらへ向かってきた。威風堂々、という言葉がよく似合う。自信とそれに見合う実力があるのだ。実際、民や部下からの信頼も厚い。
(相変わらず生け簀かない野郎だ)
とでも思っているのだろう。カルムが「チッ」と舌打ちする。俺たちはちょっとした因縁があるのだ。男の名はレオン・エクストス。通称若獅子。若干25才にして王国騎士団大隊長の座に就いた逸材だ。




