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序章
【序章】
轟音と風圧で目が覚めた。
「は?」
落ちている…?俺、落ちている!?
何故かはわからない。しかし確実に落ちている。相当高い場所なのか、雲らしきモヤで先が見えない。
「なんで?何が?どうして?」
混乱し思考が定まらない。風圧で目も開けていられない。再び目を閉じようとしたその時、世界が開けた。
「キレイだ…」
眼下に広がった世界は自分の知らない、いや、あり得ない世界だった。巨大な水の塊。それを囲むように中に浮いたいくつもの大小様々な陸地。浮島と言うべきなのか?それが何層かに分かれ浮いていて、ひとつの大きな星となっているようだ。何がなんだか理解が追い付かない。パニックになりながらも超常的な景色に一瞬見とれる。
風圧で呼吸が出来ず苦しくなり、現状を思い出す。下にはもう自分の落下地点が見えていた。一際大きな島だ。大陸と言っていいだろう。その南東の端に見える森林。そこへ向かって落下していた。
「すごい…」
物語で見る世界樹のような巨木が森林の中央にそびえ立っていた。恐怖と感動の中、再び意識を失った…