第3幕 新たな出逢い
お待たせした3幕です
放心状態の観客に背を向け、僕はセリカと教会を出た。
もう噂は広まっていたのか教会前にも多くの人が立っていた。僕達は人の間をくぐり抜け路地裏に入った
「なにあの人たち、みんな私達を見に来てたの?」
「多分ね…どうする?家は囲まれてるだろうし、とりあえず武器を隠そう」
教会から授かった武具は、授かった本人が魔力を抑えることで透明化することが出来る
「いいけど、武器の魔力がすごすぎて抑えられないんですけど…」
「そうか…」僕は自分のカバンを漁っていると包帯があった
「じゃあ、セリカはこの包帯を武器に巻いておいて。」
「わかった。でもキセルはどうするの? それ、すごく重そうだったけど…」
自分が頭を悩ましていると、人影が近づいてきた
「見つけましたよ。キセルさんとセリカさんですね?」
とっさに僕はセリカの手をとり逃げる姿勢をとった。
「お待ちください、わたしはクレイ。セレナーデ・レスター・フライムルお嬢様の側近をしている者です。」
「セレナーデ?」「キセル知らないの?その人が 立葵 の人だよ!」
「……え、 な…なんで僕たちを探しているのですか?」
「それは、お嬢様がお呼びだからです!」「もっと詳しく教えていただけると……」
「いいじゃん!私達も逃げているんだからセレナーデ様のところに行ってみようよ!」
「もしも来て下さるのでしたら、武術を教えましょう。」
それは好条件なのか?
結局、さっきとは逆で僕はセリカに腕を引っ張られ路地裏を出た。
クレイさんに速度強化の魔法をかけてもらい、全速力で屋敷へと走っていった。
その魔法が強力だったのか3キロの距離が1分もかからずに着いた。
「ここが御屋敷…やっぱり大きいね!」「本当だね。これはすごい」
その御屋敷は外周を歩くのに1日はかかりそうな敷地を持っており敷地の真ん中には金の装飾が煌びやかなまるで王城のようなものが立っていた。
セリカは楽しそうにしていたが、僕はたった一日で2回も驚かされ硬直していた。
僕達はそこの使用人さん達に別々の待合室に案内された。緊張で僕は身体を震わせていると、
「少しよろしいですかな。キセルさん」「はいど……どうぞ」
入ってきたのはクレイさんだった。
「肩の力を抜いてください。 大丈夫ですから。洋服を持ってまいりましたどうぞ着てください。」「は…はい 着させていただきます…」 僕はセレナーデ様の顔を見た事がない。
僕はどうなってしまうのだろう……
不定期更新なので、気長に待ってください