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黒猫は復讐の道を歩く  〜世界唯一の一文字能力者〜  作者: 冬月ゆず
第一章 日常と崩壊
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子猫 七歳の時②


 場所は俺の家のリビング。


 父さんとせんばさんは向かい合わせにテーブルに座っていた。

 グラスに入れた麦茶の中の氷が崩れてカランと涼しい音を立てる。


 俺は二人の邪魔にならないように少し離れたとこにあるソファーに座って,図鑑の写真を眺めながら二人の話に耳をすました。


 「…で。さっきの異能犯罪者とはどういうことだ?」


 父さんがそう,話を切り出した。


 「ニュースで見ませんでしたか?最近話題になっている連続爆発事件。」


 「…あぁ,あれか。だが確か大分遠いところだっただろ?東北の方じゃなかったか?」


 「えぇ。そうです。ですが,その連続爆発事件を起こしている異能犯罪者の男がどうやらここ東京に来たらしいんです。」


 「…その情報源は?」


 「裏の人たちです。あくまで噂とされていますが,東北で急に爆発事件が止まった時期も合いますし,何より,裏の情報屋から買った話もありますので,信憑性はかなり高いです。」


 聞いててもよくわからないが,父さんが重いため息をついたからかなり大変なことなのだと理解した。


 「そうか…。」


 「今のところ,どの地域でも爆発事件は起きていませんが,念のためにと話に来ました。しばらくしたらニュースにもこのことが流れるでしょう。」


 「…大丈夫か?絶対パニックになると思うが。」


 「…それは承知のうちです。ですが,一般人の方でもいろいろと対策しておいた方がまだ被害が小さくなるかと。指名手配もしましたし。」


 「なるほど…。」


 そこで一旦話が途切れる。


 けど,数秒した後,父さんが再び口を開いた。


 「分かった。わざわざ忙しい中ありがとな。俺の方もできる限りの対策をしておくよ。」


 「まぁ,DCO最強の男『赤獅子』がいるこの第八区に来ることはないと思いますが。」


 「おいやめろよ。その恥ずかしい通り名持ち出すの。」


 途端,緊張していた空気が霧散する。


 (…『あかじし』?)


 俺はハテナを頭に浮かべた。


 「ははは,すみません。神崎さんが恥ずかしがる唯一のことなのでつい。」


 「そんな通り名を喜ぶような歳じゃないし,柄じゃないからな。そもそも通り名自体あることが恥ずかしい。」


 父さんは苦虫を潰したかのような顔をしながら話した。


 「それは難しい話ですね。神崎さんは生きた伝説の人ですから。神崎さんのことを信奉している人もいますよ。」


 せんばさんがそう言うと,父さんは頭を抱えて,


 「やめてくれ…。」


と,項垂れる。


 しばらく,せんばさんが父さんをいじった後,父さんが仕返しだと言わんばかりに,せんばさんがした恥ずかしい失敗や秘密を暴露しお互いに顔をかさ赤くさせる結果になった。



 …一時間ちょとした後,せんばさんは帰っていった。

 まだ,仕事が少し残っているのだという。



 兄ちゃんと母さんが家に帰って,父さんが今日せんばさんから聞いた話をして,その日は終わった。



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