お兄様とお父様
「ライラ、本当に大丈夫かい?」
お父様が聞いてくる。
「ええ、大丈夫よ。お父様」
部屋に誰もいなくなって、少し考えてたらこちらの世界の記憶が入ってきた(戻ってきたというのが正解かもしれない)
私の名前はライミーナは家族からはライラと呼ばれている。
蒼銀の髪に薄紫色の瞳、凄い美少女…いや、美幼女だ。
ライラック公爵家の長女、兄が2人いる。
…ん?待てよ…?『ライミーナ·ライラック』?『桜華』に出てくる悪役令嬢と同じ名前…?…偶然…だよね。
「ライラが目覚めたって!?」
“バンッ”
大きな声と音と伴に部屋に入ってきたのは…
「ウェスタお兄様」
1番上の兄、ウェスタお兄様だった。
私はウェスタお兄様とお父様に溺愛されている。お兄様は、歳の離れた、ずっと欲しがってた妹が可愛くて、お父様はお母様の形見の私を可愛がっている。今、この場にいない次男のお兄様は、察しの良い方にはわかったかもしれないが、乙女ゲーム『桜華』の攻略対象者の1人、サイラスだ。サイラスは私が生まれた時から私の事を嫌っている。理由は、お母様が私の出産の時に死んでしまったからだ。私が生まれた時、ウェスタお兄様はもう10歳だった。でも、サイラスはまだ5歳だった。ウェスタお兄様は常日頃、「母上が命を落としてでも産みたがって、無事生まれてくれた子を疎むなんて、子供だよね。もうあれから5年、アイツも10歳になったんだからそろそろ変わってくれないかなぁ。ライラ、アイツが何か言ってきても気にしなくていいんだよ。」って。
まあ、その結果『桜華』でサイラスが攻略対象者になっているのだろうけど。ゲームでの2人は、全然会ってもいなかった。ご飯の時間は各々違うし、私は大抵部屋にいた。それに、甘やかされていたため、すごく我儘で、しょっちゅう街に使用人を連れ、買い物をしていた。
…サイラスに会ってみようかな…。




