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第五十六話 天空の回廊①

「よーし、一気に行くよ!」


花音は跳躍し、狼型のモンスター達へと接近した。


『クロス・リビジョン!』


今まさに望達に襲いかかろうとしていたモンスター達に対して、花音が天賦のスキルで間隙を穿つ。

花音の鞭に(から)め取られた瞬間、鞭状に走った麻痺の痺れによって、モンスター達は身動きを封じられた。

さらに追い打ちとばかりに、花音は鞭を振るい、何度も打ち据える。


「逃がしません!」


プラネットは吹っ切れた言葉ともに、両拳を花音の攻撃から逃れたモンスター達に叩きつけた。

それと同時に高濃度のプラズマが走り、爆音が響き渡る。

煙が晴れると、モンスター達は全て、焼き尽くされていた。

しかし、HPを示すゲージは0になったものの、モンスター達はすぐに完全復活して青色の状態に戻ってしまう。

その有り様は、まるでゾンビのようである。


「何度倒しても、復活するなんて反則だよ!」


力尽きたはずのモンスター達は、やがて立ち上がり、何事もなかったように襲いかかってくるという違和感のある事実。

それを間近で目撃した花音は、不満そうに頬を膨らませてみせる。


「もう一回、『クロス・リビジョン!』」


HPを示すゲージは半分以下に減ったものの、花音は止めを刺さずに鞭を振るう手を止める。

これ以上ダメージを与えて倒してしまえば、また先程のように復活してしまうからだ。

それに麻痺の効果で、モンスター達はしばらく身動きが取れない。


「切りがないな」

「ーーっ」


奏良は威嚇するように、『カーラ』のギルドメンバー達に向けて、連続で発泡する。

風の弾が『カーラ』のギルドメンバー達に衝突し、大きくよろめかせた。


『元素還元!』

『復元!』


有は、奏良へと注意を向けた『カーラ』のギルドメンバー達を牽制するように地面に向かって杖を振り下ろしたが、同じスキルのプレイヤーによって崩壊させようとしていた地面を再び、生成されてしまう。


「望、奏良、プラネット、妹よ。このままでは、まずいぞ」


望達が後手に回るのを見計らって、次々と壁を作るようにモンスター達が召喚される。

高位ギルド『カーラ』は、召喚のスキルの使い手に優れていた。

徹のように複数、召喚の契約を交わせる者はいなかったが、それでも多数の召喚のスキルの使い手がいれば、それと同様に行使し、補うことができる。

望達は既に、前方から召喚したモンスター達、後方から『カーラ』のギルドメンバー達と挟み撃ちを受けていた。

そして、カリリア遺跡の報酬で手に入れた『マナー・シールド』も尽きている。


「さあ、特殊スキルの使い手を、こちらに引き渡してもらおうか」


千差万別な武器を構え、『カーラ』のギルドメンバー達はゆっくりと望達に迫った。

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