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第百八十七話 蝶のクレードル⑦

「それにしても、湖の中には今から行くんだな」

「それにしても、湖の中には今から行くのね」

「望くん、リノアちゃん、水中の調査、頑張ろうね」


剣を構えた望とリノアが肩をすくめて、鞭を地面に叩いた花音は喜色満面に張り切る。

有は有言実行とばかりに早速、水中に入ることが出来るアイテムーー潜水アイテムを生成したのだ。

湖畔の街、マスカットには小さな湖がある。

望達は水中に慣れるために、湖へと移動していた。

有の両親とリノアの両親は、ギルドに残っている。


「相変わらず、有は後先を考えないな」


インターフェースで表示させた、要領を得ない湖畔の街、マスカットの湖の情報に、奏良は不愉快そうに肩を落とす。

だが、潜水アイテムのおかげで、これからの展望は広がった。


「この湖にも、モンスターは出るのか?」

「オリジナル版では、出現したという噂はお聞きしていません。ただ、プロトタイプ版では、街の仕様等が変わっているため、水中のモンスターが現れる可能性があります」


勇太の当惑に、プラネットは丁重に答える。


「そうなんだな。水中に慣れるためだけとはいえ、何事もなく戻れるといいんだけどな」

「そうなんだね。水中に慣れるためだけとはいえ、何事もなく戻れるといいんだけど」


インターフェースで表示した時刻を確認しながら、望とリノアは顎に手を当てて、真剣な表情で思案する。


「水中は、本来なら徐々にHPが減るーースリップダメージに気をつけてなくてはならないな。だが、潜水アイテムの効果で、HPが減ることはないだろう」


有は準備を終えると、水面を見下して湖底までの位置を見定めた。


「プラネットよ、頼む」

「有様、湖底の位置特定、お任せ下さい」


有の指示に、プラネットは誇らしげに恭しく頭を下げる。


「……っ! 有様、湖にはモンスターが生息しています」


プラネットが湖底の位置を探っていると、奇妙な違和感に気がついた。

水中の生物の座標が、点々と動いている。

オリジナル版でも、湖には魚や珊瑚等が繁殖していた。

しかし、明らかに魚等ではない生物が生息していたことに疑問を抱いたのだ。


「オリジナル版とは、状況が違うのかもしれないな」


プラネットの説明を聞いて、有は悩むように首を傾げる。


「よし、望、奏良、プラネット、勇太、リノア、徹、そして妹よ、行くぞ! 水中へ!」

「うん!」


有の号令の下、花音は効果を確かめるように潜水アイテムを掲げた。

すると、潜水アイテムが光り、花音を中心に巨大な泡が産み出され、望達を覆う。

浮力が働いたかのように、望達の身体を上昇させていく。

ひとまず、湖に潜るための準備は整った。

泡が水面下に下りていく。


すごいなーー。


望が潜水アイテムの万能性に舌を巻いていると、湖底に到着した。

湖底に降り立った望達は早速、周囲を見渡す。

視界の範囲内では、モンスターの姿は見当たらない。

だが、水中では視界が悪いため、何処かに潜んでいるかもしれない。


水中では視認性が低いのは骨が折れるな。


望は周囲を警戒するように想いを漏らした。

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