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転校生

頑張ります、よろしくお願いします



空は清々しいほど晴れている。

今日は、私にとっての始まりの日だ。





「はい!皆さんおはようございます!」


教室で先生がいつも通りハキハキと話している。

が、生徒達はいつも通りとはいかず、どことなくソワソワしていた。


「昨日お話しましたが、本日この2年B組に転校生がみえます!では、天野さん!はいってきてください!」


「は、はい!」


緊張した様子の茶髪のボブヘアーの少女が足を踏み入れた。

少しずつざわざわとしていた教室が静かになっていく。

そして教壇の横に立った。


(あれ…?)


「では天野さん、自己紹介してください!」








「…」


「…あ、天野さん?」


「は、はい!!!すみませんっ!!!ぼーっとしてました!!!」


「え!何!天然ちゃん!?俺天然ちゃん大好き!!!」


男子生徒が言った途端教室は笑いで包まれた。

少女は顔を赤くしながら後ろを向きペンを握って名前を書いた。

ぱっと向きなおした顔はまだ赤かいままだ。



「ーー高校から転校してきました!天野 朱里です!!ええっと…」


「あかりーん♪好きな食べ物と好きなタイプと連絡先教えてー♪」


「あ、あかりんっ?」


「こら!!橘くん!!!茶化さないの!!!」


教室がまたどっと笑いに包まれた。

そんなムードで朱里の緊張も解けた。


「えへへ…えっと好きな食べ物はちょっとおばあちゃんみたいだけど漬物です、それから…あ、そう!!!」



「私、オレオールです!!!!」



ゾワッッッ


「ひッッ」

「「「ええぇぇぇぇぇぇぇッッッッ!!!!!!????」」」



「まじで!?あのオレオール!?!」


「すごい、極わずかな人しかなれないんでしょ?」


「いいなぁ、私もなりたぁい!政府からお金もらえるんでしょー!!」


「ばかかって、適性試験で死ぬかもしれないくらいきついんだぞ!!お前がいったら死ぬだけだって!!」


先程の笑いとは違いクラスメイトが口々にざわめいた。


(今…一瞬……?)


が、それに対して朱里は先程まで赤かった顔とは真反対に少し青ざめた顔をしていた。


(すごく、寒気がした…今のは…殺気…?)


左腕をキュッと握った。

その腕はこんな暖かい日なのに鳥肌が立っていた。


「みんな静かに!!天野さんがびっくりしてるでしょ!!!ごめんね、天野さん?天野さんの席は一番後ろの左から2番目よ、さっ!席に着いて!!」


「は、はい…」


彼女は違和感を気のせいだと思いながら席に向かった。

「天野さんよろしく~っ」


「よ、よろしくっ!」


「仲良くしようねぇ!」


「こちらこそっ!!」


「あかりぃん♪席近いね!!!連絡先教えてぇ♪」


「あ、あはは、また今度ね!」


色々な生徒が声を掛けてくれる。

朱里は一人一人に返事をし、ドキドキしながら席に着いた。


「よ、よろしくね?」


頬杖をした薄桃色でふわふわした髪の毛の少女は伏せ目のままでチラリとあかりの方を見た。

あかりは何故かドキッとした。


「あ…うん、よろしく。」


隣の少子はまるで今少女がいるのに気がついたかのように挨拶を返した。

そしてまたふっと窓の外を見た。


あかりは少女のことがとても気になった。

教室に入った時から気になっていた。

何故ならば少女はあかりが教室に入ってから席に着き声を掛けるまでの一切、



朱里のことを見ていなかったのだから。


~~~~~~~~~~~


1時限目が始まった。が、クラスの先生の受け持つ教科だったので少し時間をとり、自己紹介が始まった。

一人一人起立をし、その場で自己紹介をしていく。

恥ずかしそうに話す子、キリッと話す子、面倒くさそうに話す子、


橘 亮太(たちばな りょうた)です!!サッカーが得意で、好きな人はあかりんです♡」


「橘執拗いぞー」


茶化しながら話す子、そして…


「次は櫻葉さん!」


「はい」


ふわふわの薄桃色の長い髪を揺らしながら起立した。ずっと気になっていた少女。

伏せ目から少し見える金の瞳が窓から入る光で美しく見せる。

横から見ていた朱里はその眼に見惚れてしまった。


「桜葉 ももかです。てるてる坊主が好きです。よろしくお願いします。」


桜葉ももかはこちらを見ずに短くそう言うとすぐ着席した。


(桜葉…ももか…ちゃん…)


あかりは、そのあとの自己紹介をほとんど聞き流してしまうほど、桜葉ももかの名前をずっと心で唱えていた。

そして、どうにか仲良くなりたいと思ったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「はぁ~…」


朱里は結局、桜葉ももかと接触出来ず、帰りのホームルームになってしまった。

というのも授業では、分からない所があると、左隣の桜葉ももかではなく、右隣の生徒が教えてくれたり、見せてくれたりと世話を妬かれ、

お昼休憩では声をかけようとした所、橘に遮られ見失ったりと様々な(邪魔)のお陰だった。


(めげるな朱里!よし、この帰りにもう一度トライだ!頑張れ朱里!!)


「連絡は以上です!それでは、皆さん、気をつけて帰ってくださいね!!」


「先生さようならー」


「はい、さようなら!」


(今だっ!!)


「あ、あのっ「あかりぃんっ♪良かったら一緒に帰ろうぜぇ♪」

「え!あ、た、橘きゅんっ!」


「橘きゅん?あかりん可愛いぃーっ!」


「ちがっ噛んじゃったの!!間違えちゃったの!!」


「大丈夫だってぇ!可愛かったから♪」


「~~ッッッッ!!あっ!!!」


あかりは急いで周りを見渡したが、もう教室には桜葉ももかは居なかった。

朱里はキッと橘を睨んだ。


「え、何、どうしたの?」


「橘くんがっ…はぁ…」


橘はバツが悪そうに頭をかいたのであった


~~~~~



「桜葉と話したい?」


結局あの後、朱里は橘と帰ることになり、何となくで経緯を話してしまった。


「そう、どうしてもタイミングが合わなくて声も掛けられなかったの…」


「もしかして帰りのあの時って…」


「丁度桜葉さんに話しかけようとした時に橘くんが来たんだよ」


「うわぁ、俺めっちゃタイミング悪かったんだ…あかりん、ごめんな…」


「ううん、もう仕方ない事だし、明日もあるし、全然大丈夫だよ!」


橘は少しほっとした表情を浮かべだ後、腕を前で組み困った顔になった。


「あかりんになにかアドバイスしたいけど、桜葉はなぁ…なんと言うかわかんないんだよなー…あいつっていっつも何処かぼーっとしてるし、あんま話したことないし…て言うか話しかけにくいんだよなぁ…」


「意外だなぁ、橘くんは分け隔てなくいろんな人と仲が良いと思ってた」


「そんな事ないって!俺も得意不得意があるよ、桜葉は…なんて言うか…怖いんだよ」


「怖い??」


「あぁ…性格とかじゃなくて、あいつの…櫻葉の目が怖いんだ」


そういう橘は思い出してしまったのか怯えた雰囲気が漂っていた。


「そう…なんだ…」


朱里はしゅんとした雰囲気で少し俯いてしまった。


「…でも、仲良くなるのはいい事だと思う!よし、あかりんが頑張るなら俺も頑張って桜葉と仲良くなってみようかな!!」


「え?」


「さっき言っただろ?あんま話したことないって、つまり桜葉を知らないまま苦手になってるってことだろ、それってちょっと酷いなって思ってさ」


「橘くん…ありがとう」


朱里は本当に嬉しそうに微笑んだ。


「っっ!!ん、と!俺寄るとこあったんだ!んじゃこの辺で!!!」


「え?あ、うん!またね!橘くん!!」


「おうっ!じゃーな!!!」


振り返って手を振った彼は少し赤くなっていた気がした。

そしてそのまま走っていった。



1人になった朱里は伏せ目から少し覗けたキラキラと輝くあの目を思い出した。


(あんな綺麗な目なのに、何が怖いんだろう…)


朱里は聞きたかったがあんな雰囲気の彼に聞くことは出来なかった。


文章書くの結構難しいですね、がんばります

よかったらブックマーク、評価お願いします!

やるきーーにつながぁるーーー( ˇωˇ )

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