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第3話 ~殺戮(Massacre the elderly people)~

「ただちにサキバサラ議会を解散し、サキバサラ議会議員選挙を行います」


 サキバサラの新しい首長となった紅正義はただちにサキバサラ議会を召集し、集まった議員たちに向かって議会の解散を宣言。今度はサキバサラ議員選挙が行われることになった。

 サキバサラ首長である正義が率いる革命党は、議員定数と同じ21人の候補者を立てた。それが革命党による議会の独占を狙ったものであることは言うまでもなかろう。

 首長選挙のときと同様、ヒルーダのメンバーは革命党の候補者の応援に駆けつけた。そしてヒルーダと革命党の結束の強さを、革命党がサキバサラに文字通りの「革命」を引き起こす政党であることを、サキバサラの住人に広くアピールした。

 開票の結果、革命党の候補者は議員定数の三分の二を超える16名が当選した。

 サキバサラ議会の独占は果たされなかったが、サキバサラの政治を革命党が牛耳ることになったのは誰の目にも明らかであった。


 正義は、首長選挙ならびに議員選挙に協力をしてくれた三輪明輝良のところを訪ねていた。

「……議会も掌握し、サキバサラはあなたの思いのままになりましたね。紅正義首長」

「これもすべて三輪さんのおかげです。三輪さんがヒルーダの下里チーフプロデューサーに口利きをして下さらなかったら、ここまでの結果は得られませんでした。ありがとうございます」

正義はそう言うと、明輝良に向かって深々と頭を下げた。

 水割りの入ったグラスを右手でもてあそびながら、明輝良は正義に向かって「首長。お顔をお上げ下さい」と言った。

「サキバサラの住民は首長に、そして首長の率いる革命党に期待をしているのですよ。その期待を裏切らないよう、頑張って下さい」

 そして明輝良は水割りの入ったグラスを机の上に静かに置くと、顔を上げた正義の目を見据えながら問いかけた。

「ときに、首長はこれからどのような政策を行っていくおつもりなのですか?」

「『それは見てのお楽しみ』とだけ申し上げておきましょう。……『デス』が人類を裏から支配する世界を目指そうとしている三輪さんにとって有益な政策を進めていく、というのは間違いありませんけれどね」

正義は野望に満ちた瞳で明輝良を見据えながら答えた。

(「そう。三輪さん、あんたの作り出した『デス』が、そして最強の『デス』である俺が、サキバサラを、そして世界を支配するんだよ……!」)


 革命党政権が始動したのとほぼ時を同じくして、サキバサラ警察署内に置かれていた『連続猟奇殺人事件対策班』に所属する警察官たちに対して、サキバサラ警察署長・茂原もばら八積やつみから対策班の解散が告げられた。

 この『連続猟奇殺人事件対策班』は、『デス』による人間の捕食(これを人間側の目線で言えば「猟奇殺人」ということになろう)ならびにそれらに関する事件について専門的に捜査を行うべく設置されたチームであった。しかし、「『デス』による人間の捕食」という、人間の常識からしては理解不能な事件を前にして、捜査は難航し、期待されたほどの成果は挙げられなかった。

「先日の浜風みなみ選挙事務所における猟奇殺人事件についても、捜査は行き詰っている。紅正義新首長からも、『サキバサラ署内に置かれている連続猟奇殺人事件対策班は、なんら成果を出していません。そんな部署をいつまでも存続させるのは税金の無駄遣いです。ただちに解散させて下さい』という申し入れがあった。……無念ではあるが、成果の挙がらぬこの対策班をこれ以上存続させるわけにはいかない」

苦渋に満ちた表情で、八積は対策班に所属する部下たちに対策班の解散を宣言した。

 だが、

「ちょっと待って下さい!!」

と、この決定に不満を持つ対策班所属の若い刑事が、八積に意見すべく声をあげた。

 その刑事の名は藤原ふじわら殉義じゅんぎ。警察学校を首席で卒業した、頭脳明晰で正義感にあふれる25歳の警部補である。

「確かに我々は今まで、最近サキバサラで頻発している猟奇殺人事件について手がかりらしいものをほとんどつかむことができていません。しかし、我々にはサキバサラの住民の安全を守る義務があります。今ここで対策班を解散したら、住民の不安がさらにつのるのは火を見るよりも明らかです。……自分は対策班の解散に強く反対します!」

「しかしな、藤原」

殉義の言葉を受けて、八積はさらに苦々しい表情を浮かべて言葉を返した。

「私はもう、紅首長に対策班の解散を約束してしまったのだよ。……私の立場も考えてはくれんか」

 八積の弱腰の発言に、殉義は激しい怒りと情けなさとを覚えた。そして、

「どうしても対策班を解散するとおっしゃるのであれば、自分ひとりででも、これらの猟奇殺人事件に関する捜査を続けます!!」

と八積に向かって言い放つや否や、八積が止めるのも聞かずに部屋の外へと飛び出していった。


 連続猟奇殺人事件対策班の部屋から飛び出した殉義が向かったのは鑑識課であった。

 浜風みなみ選挙事務所での事件においては、対策班が扱う事件には珍しく、証拠物件(ブレイゾンが撃ち抜いたフロッグデスの舌)が見つかっていたのだ。

 その証拠物件がいったいどんなものなのかを、鑑識課で詳しく調べているはずだ。

 殉義はその直感に素直に従って行動したのである。

 果たして、殉義のこの行動は正解であった。

「現場に残っていたこの赤い物体なんですけどね、どうやら生物の体の一部みたいなんですよ。……しかも、そのDNA組成は人間とほとんど違いがありません」

 鑑識課の職員の言葉に、殉義は驚きを覚えていた。

 鑑識課の職員は、現場に落ちていた赤い物体の中から外に流れ出ていた緑色の体液のサンプルを殉義に見せながら話を続けた。

「この液体はおそらく、赤い物体を持つ生物の血液だと思われます。ヘモグロビンが変化を起こしているのか、人間でいうところの赤血球に相当する物質の色が緑色になっている以外は、人間の血液と変わりはありません」

 殉義は目を見開き、興奮したかのように問いかける。

「じゃあ、浜風みなみ選挙事務所を襲った犯人はいったい……?」

「おそらくこの怪物でしょう。でも、そんなことを言ったら笑われるのは目に見えてますけどね」

鑑識課の職員は殉義の熱をさらりと受け流すかのように答えた。

「怪……物……」

殉義は天井を仰ぎながらつぶやいた。

 確かに、連続猟奇殺人事件は我々の『常識』を超えた事件ばかりである。だがその犯人が、これもまた我々の『常識』を超えた『怪物』だとしたら、これらの事件の不可解さについて、いちおうは納得ができる。

 とはいうものの、それで謎がすべて解けたわけではない。

 では、その『怪物』とはいったい何者なのだ。誰が、どんな目的で、その『怪物』を作り出したのか。そして、浜風みなみ選挙事務所襲撃事件においてこの『怪物』の体の一部を本体から引き剥がしたのはいったい誰なのか。

 これは謎解きのゴールではなく、むしろスタートなのだ。


 署内が急にあわただしくなった。

 署内に流れる放送によれば、サキバサラ南西エリアにある老人ホーム「しらはす」で、何者かが刃物のようなものを振り回し、入所している老人たちを次々に切り付けているというのだ。

 殉義は「しらはす」へ急行するパトカーの一台に乗り込んで、現場へと向かった。


 老人ホーム「しらはす」は、身寄りのない老人たちを無償で入所させている老人ホームである。

 施設の運営に関する費用はすべてサキバサラの行政が負担しており、その額は毎年数億円程度といわれている。

 この施設は入所する老人の自主性を重視しているため必要以上の過度な介護サービスは行っておらず、入所している老人たち自身がそれぞれの能力に応じて、施設の運営に携わっている。


 革命党がサキバサラ議会を掌握して数日の後、「しらはす」にひとりの青年男性がやって来た。

 左袖に赤い腕章を巻いたその青年は「サキバサラ首長・紅正義の使いの者です」と名乗り、所長との面談を希望した。

 応接室に通された赤い腕章の青年は、所長が来るや否や、ソファーに深々と腰掛けたまま、封筒に入った首長からの通達書を読み上げた。

「所長。紅正義首長からの通達事項を伝えます。……『しらはす』を維持するための経費がサキバサラ行政の財政を圧迫しているので、『しらはす』は本日をもって閉鎖します」

「えっ?」

赤い腕章の青年の言ったことが理解できなかったのか、所長は思わず聞き返していた。

 赤い腕章の青年は明らかに不快そうな顔をして、首長からの通達をもう一度読んで聞かせた。

「『しらはす』は本日をもって閉鎖します。……何度も同じこと言わせんなよ」

「ちょっと待って下さい!!」

机を思い切り叩きながら、激高して立ち上がった所長は赤い腕章の青年に言い返した。

「いきなり今日で閉鎖だなんて、むちゃくちゃです!」

「そんなの俺の知ったこっちゃねーよ。首長がそう決めたんだからな。文句があんなら首長に言えって」

赤い腕章の青年は不快そうに足を組んで所長の顔を見上げながら答えた。

 所長は赤い腕章の青年に向かって問いかけた。

「だいいち、今入居しているお年寄りたちはどうなるのですか!? 身寄りのない方ばかりなんですよ。明日からどうやって生活していけばいいんですか!!?」

 赤い腕章の青年はゆっくりと立ち上がりながら答えた。

「あ~ぁ。そのことなら全然心配いらないぜ。……全員今日死ぬんだからさ」

 赤い腕章の青年はそう言った次の瞬間、心を暗い闇で満たして灰色の『デス』形態――ダガーデス――に姿を変えると、鋭利な刃物と化した右手で所長の腹を突き刺した。

「うぐぉ」

 腹を突き刺された所長の体が前のめりに倒れ、ダガーデスに寄りかかった。

「年寄りなんてものはさ、正直邪魔な存在なんだよ。てめーらがのうのうと生きながらえているせいで、青年層が割を食って仕事にありつけなかったりとか、てめーらの医療費や年金を負担しなきゃいけなくなったりとか、てめーらを生かし続けるために青年層は苦労してるんだよ。年寄り一匹を食わせていくために何人の青年が苦労させられてんのか、考えたことねーだろ!? ……年寄りは次の世代に道を譲ってとっとと死ね。それが、てめーらのできる唯一のご奉公だ」

ダガーデスはそう吐き捨てると、刃と化した左手で介錯をするかのように所長の首をはねた。

 首をはねられた所長の体から血液が噴水のように噴出し、ダガーデスの体を赤く染めた。

 ダガーデスは体に付着した所長の血液を、全身が舌と化したかのように体内に取り込んだ。

「このおっさんの血、あまり美味うまくねぇなぁ」

 ダガーデスは血液を放出しきった所長の体をうっとうしそうに蹴り飛ばすと、応接室から外に出た。

 そしていつも通りのんびりとしている老人たちの姿を見るや否や、

「てめーら全員、今日で終わりだ! 俺に美味い血を提供して死ね!!」

と絶叫し、老人たちに襲いかかった。

 狂気にまかせて両手の刃を振るうダガーデスの前に、老人たちはなんら抵抗するすべを持たず、次々と切り殺されていった。

 絶叫と悲鳴が館内を包み込み、館内の壁や床はダガーデスに切られた老人たちの血で赤く染まった。

 ダガーデスは、全身を舌のようにして老人たちの血液を体内に取り込んで「美味い。実に美味い」と言いながら、まだ生き残っている老人の血を吸うべく、老人たちを刃で切り裂いていく。……サキバサラ南西エリアを主な活動エリアにしているヒルーダのユニット『F-Resh!(エフ・レッシュ)』の歌う『LANCE』を口ずさみながら。


――LANCE! 貫き通そう

  LANCE! 自分の意思を

  研ぎ澄まされた心の槍で あなたの心を突き刺せ――


「わしが……わしらが何をしたっていうんじゃ!?」

恐怖のあまり腰を抜かしたひとりの老人が、ダガーデスに向かって問いかけた。

 ダガーデスは平然と答えた。

「てめーの、そしててめーらの存在そのものが『邪魔』なんだよ」

 ダガーデスは右手のナイフを老人の胸に突き刺すと、ナイフ部分で老人の血液を吸い取りながら、そのまま片手で老人をリフトアップした。

「サキバサラは若者のための街だ。サキバサラにジジイやババアは必要ねえ! ……年寄りどもは俺に血を吸われて死ねることを光栄に思え!!」

ダガーデスはそう叫ぶと、右腕を大きくふるって、リフトアップした老人をはるか向こうに放り投げた。

 放り投げられた老人は強烈に壁にぶつけられ、ずるずると床に向かって落ちていった。そして生への最後の執着を見せるかのようにピクピクと数回体を動かしたが、死神はその老人を生きた人間ではなく人間の姿かたちをした肉の塊に変えていた。

 ダガーデスに向かって手を合わせて命乞いをする老婆に対しても、ダガーデスは容赦しなかった。

「ど……どうか命だけはお助けを……ナンマンダブナンバンダブ」

「安心しろ。数秒後には極楽に行ってるって」

ダガーデスはそう言って老婆の頚動脈を切りつけた。

 老婆の頚から赤い血が噴水のように放出され、老婆は合掌した姿のままばたりと横に倒れて不本意な往生を遂げた。

 その老婆の血も、ダガーデスは体内に取り込んだ。

「年寄りの血は美味いぜ。干物は腐りかけたときがいちばん美味いと聞くが、血は年寄りのが最高に美味い。中年のおっさんとかの血なんか不味まずくてしょうがねぇ」


 烈人が「しらはす」に駆けつけたときには、老人たちや職員は全員切り殺されていた。

 そして烈人は、「しらはす」の住人たちを皆殺しにして満足げに館外へ出てきた灰色の怪物――ダガーデスに対峙した。

「お前は『デス』……! いったい何をしたんだ!?」

「てめーには関係ないだろ」

ダガーデスは烈人に向かって吐き捨てる。

 そんなダガーデスの向こうに見える「しらはす」館内は、ダガーデスに切り殺された老人たちの血で赤く染まり、老人たちの遺体があちこちに倒れていた。

「……お前がこの老人ホームのお年寄りたちを皆殺しにしたのか!? ……許さん!!」

 烈人は怒りの表情を浮かべ、チャージングジャイロを回転させてブレイズチャージャーを起動させると、右手にエヴォルチェンジ・メモリカードを持ち、両手を胸の前に突き出した。

変進エヴォルチェンジ!」

 烈人の叫び声とともにエヴォルチェンジ・メモリカードがブレイズチャージャーにセットされ、「Blaze-on!」の音とともに烈人はブレイゾンへと『変進』した。

 ブレイゾンは左肩を一回前に回してコキリと肩を鳴らすと、ダガーデスを指差して宣戦を布告した。

「闇より生まれし邪悪な生命いのち、熱き炎で焼き払う。……覚悟はいいな? 殺戮者!!」

 ブレイゾンはダガーデスに向かって猛然と突進していった。

 だが、

「うぜーんだよ!!」

 ダガーデスの両手のナイフが、ブレイゾンのアーマーを何度も容赦なく切りつけた。

 ダガーデスのナイフがきらめくたびに、ブレイゾンのアーマーに衝撃の火花が走る。

(「レッド。奴から距離をとれ。ブレイズトリガーで応戦するんだ」)

 リスターのアドバイスを受けて、ブレイゾンはバックステップでダガーデスから距離をとると、右のメモリスロットにブレイズトリガー・メモリカードをセットした。

 ブレイズトリガーを右手につかんだブレイゾンはすかさずブレイズトリガーの引き金を引いた。

 飛び道具に対抗する手段を持たないダガーデスは、なすすべもなくブレイズトリガーの銃撃に苦悶し、膝をついた。

 それを見たブレイゾンは、右のメモリスロットにセットするメモリカードをブレイズトリガー・メモリカードからブラストエンド・メモリカードにチェンジした。

「Blast End!」

 光に包まれ身動きできなくなったダガーデスから、1、2、3、4、5のホログラフがブレイゾンに向かって飛び出してくる。

 ブレイゾンは「ブレイズエクスプロージョン!!」と叫びながら、5のホログラフに向かって飛び蹴りを放った。

 「Five」「Four」「Three」「Two」「One」の音とともにブレイゾンはホログラフを打ち破りながら加速していく。

 そして「Blaze-on!!」の音とともに、ブレイゾンの飛び蹴りがダガーデスの胸板にヒット、ダガーデスは大きく吹き飛ばされてダウンした。

 ダガーデスはよろよろと立ち上がりながら、ブレイゾンに向かって問いかけた。

「てめーは何者だ! なぜ俺の邪魔をする!?」

 ブレイゾンは静かに答えた。

「俺は『イクサバイバー・ブレイゾン』。お前たち『デス』を狩る存在だ」

 ダガーデスはよろよろとした足取りでブレイゾンに迫りつつ、再びブレイゾンに向かって問いかけた。

「『デス』を狩る存在だと!? ……何のために!? 何のために『デス』を狩るのだ!!?」

 再びブレイゾンは静かに答えた。

「人類を喰らい、人類の天敵となる『デス』から人類を守るために、俺は『デス』を狩る」

 そしてブレイゾンはダガーデスに背を向けると、ダガーデスに向かって死の宣告を放った。

「爆散」

 次の瞬間、ダガーデスの全細胞は爆発を開始した。ダガーデスは

「てめーは間違っている!!」

という捨てゼリフを残して、跡形もなく爆裂霧散した。


 殉義を乗せたサキバサラ警察のパトカーが「しらはす」に到着したのは、ブレイゾンとダガーデスとの戦いの最中さなかであった。

「おい、あれを見ろ……」

「二体の化け物が闘っている……」

 現場に駆けつけた警官たちの中に、驚きと衝撃が走った。

 そんな中、殉義は冷静に『二体の化け物』の闘いを見つめていた。

 赤いアーマーの化け物が、灰色の化け物に必殺技の飛び蹴りを決めたようだ。

 灰色の化け物が問いかける。……てめーは何者だ、と。

 赤いアーマーの化け物が答える。……『デス』を狩る者『イクサバイバー・ブレイゾン』、と。

 灰色の化け物が再び問いかける。……何のために『デス』を狩るのか、と。

 赤いアーマーの化け物が再び答える。……人類を喰らい、人類の天敵となる『デス』から人類を守るために、俺は『デス』を狩る、と。

 そして『イクサバイバー・ブレイゾン』と名乗る赤いアーマーの化け物が「爆散」とつぶやいた瞬間、灰色の化け物は爆発し塵ひとつ残さず砕け散った。


 『イクサバイバー・ブレイゾン』と名乗った赤いアーマーの化け物は、自分の乗り物と思われる赤いバイクに乗り込むと、爆音を残して「しらはす」から去っていく。

「『イクサバイバー・ブレイゾン』が、連続猟奇殺人事件に関与しているのは間違いない」

 殉義は『デス』を狩る者・『イクサバイバー・ブレイゾン』が去っていくのを見つめながら、その正体はいったい何者なのか、ということに思いをめぐらすのであった。

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