初陣
夕方から夜は学生。
それ以外は、ひきこもり兼世界を救う勇者
二面性っていうの?良いじゃないのー。
Prrrrrrr
「も、もしもし!ヒカリさん!…おう!今行く!」
家族以外の唯一連絡先が一人とか…寂しくないわ。
だって美少女だもの、魔法少女だもの!
戦闘の訓練というわけで、夜中に学校に集合。
なんていうの…まあ学校側がガバガバなんだよね。
侵入というか、普通に入れるんだこれが。
人のいない校庭…広いな。
「ところでナギ君は運動は得意?」
「小学校の頃は…中の上ぐらい。それからは分かんないけど運動音痴ではないと思う」
「ふーん。まずはこれを…1人で装備出来る?」
「わお。ガチ装備じゃん!っても初期だよね、皮の服とかだよねこれ。あー…腰当がちょっと分かんないかなー」
「そう、じゃあこっちおいで!着せてあげる」
…計画通り!!
来い!来い!ラッキースケベ!
人のいない二人っきりの校庭!いける!
うおおおおおおおおおおお!
「よいしょっと…これ着けやすい装備品だから、覚えておいてね。はい、出来たわ」
「え。あ、もう終わり?早着替えレベルなんだけど?もうちょっとこう顔があんな所に近づいたりとかバランス崩してとか」
「さて、早速始めましょう。」
「ですよねー。」
なんだ!勘がいいのか!読まれてるのか!
「それじゃあ…まずは回避と防御ね。」
「ヒカリ先生!攻撃はー?」
「被弾しなければ相手を観察して攻撃する機会を作ることも出来るから、まずは…いい?…ナギ君?」
口半開きポカーン。
ヒカリたんの装備ってさ、こう…うん。
下の露出度が防具の意味無いというかさ。
なんなの?太ももが凄まじいんだけど。
こんなにエロいのか…うお…
((リトル・ボム))
パンッ!!パンッ!!パンパンッ!!
「あ!?うわ!うわ!あぶねっ!うお!」
「まったく…ぼーっとしてたら殺されても文句言えないわよ?」
「…はぁはぁ…マジで心臓に悪い…ふぅ。」
「それじゃあ始めるわね?殺せはしないけど、怪我はさせるかもしれないから本気で避けるか防御するのよ。」
「…本気?」
((リトル・ボム))
パンッパンッ!!パン!!
((リトル・ニードル))
((フレイム・ウインド))
「ちょっ!待って!エンジンかかるのはええよ!」
足元をネズミ花火みたいな感じで小爆発
慌てふためいてるところを30cm位の棘がビュンビュン牽制
死角から蛇みたいな炎が宙を舞いつつ絡みついてくる
ということは…
「よっ!おら!っしょおおおい!」
え?すごくね?
俺の戦闘スキル半端ねえ!!
ヒカリたんが魔法唱えた直後に何が起きるか分かったというか…
「さすが勇者ね、少し速くしてみようかし…ら!!」
読める!相手の動き読める!
勇者チートじゃねえか!!
((フレイム・ウィップ))
鞭か!でも軌道が見える!
ス〇イダーマンのあれだ!
マジで回避余裕!
「可愛い子ね。」
「へ?」
サクサクサクサクサクサク…
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」
棘!さっきの魔法の棘!
鞭は囮か!
「いってぇ!動けない!ちょっとタイム!」
「早いわねぇ…それじゃ楽しめないじゃない。」
「途中まではビックリするぐらい動きが分かったんだけど、気づいた時には棘が刺さって…痛い!」
「今抜いてあげるわ…えーっと、呪文何だったかしら?」
「ねぇ口角上がってるから!満点の笑顔だから!ねえこれイジメ!イジメ!ダメ!ゼッタイ!」
「…ふぅ…呪文は唱えなくても使えるってこと?詠唱破棄的なやつ?」
「いいえ、一つの魔法につき必ず詠唱が1度は必要よ。」
「じゃあさっきの棘は!ズルじゃん!」
「そうねぇ…携帯食料みたいなものよ。あらかじめ魔法を詠唱しておいて、任意のタイミングで発動させられる道具があるのよ」
「……分かった。いいよ、ネタが分かれば。俺の知識と経験、そして勇者の力で!」
「元気ねぇ…じゃあ続けるわよ?」
……深夜まで戦闘訓練は続いた。
俺はこの夜、針千本は余裕で刺された。
なんかね、スポンジ気分。
訓練の後に、ヒカリたんに役割別にスキルがあることを教えてもらったよ。
ヒカリたんが過去に会ったことのある勇者と大体同じらしい。
ー勇者ー
※原則、魔法は効かない
※物理は通る(物理魔法も可)
※身に迫る危険を数秒先まで感じ取る
※魔法が使えない
メモったよー!
なんつーの?こういうデータベースみたいなの好きなんだよなー。
ゲームやらずに攻略本眺めてても楽しいタイプ。
そして別れ際ヒカリたんに強くなるアドバイスをもらったのよ。
「喧嘩は弱くても構わないわ。とにかく精神的に強くなってね。」
メンタルな…SAN値極振り出来ればいいのかね。
そんなことよりさ…
《オ、オ、オ、オ、オ、オ》
帰り道に襲われてんですけどおおお!!