開戦 part3
ドオオオオン!!
ガキイイイン!
ドカァァァァン!
「はぁ…はぁ…キッドぉ!てめぇ魔物側に立つとはいい度胸してんじゃねえか!」
「……悪を破壊する…」
「口聞けねえくせに力は変わらねえのか。」
((リザレクト・ショット))
「っは!こっちは回復魔法がある。お前にゃ勝ち目はねえよ。」
「………断ち切れ。」
「ちっ!お前ら下がれえええ!」
「………断罪!!!」
ギュワァァァァァァ!
ー斧が伸びたぞぉ!
ー防御魔法だ!早く!
「これは受け止めるわけにはいかねえ!」
ヒュン!
グサッ…
ーうわぁ!うわぁぁぁぁぁ!腕があああああ!
ー今助ける!
「触んな!その腕切り落とせえ!死んじまう!」
ーいてえええ!助けてええ!
ーウインド・スラッシュ
ーあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!
「死神も健在か…俺様も勇者を超える時が来たみてぇだな。」
「………破壊の斧よ。敵を砕き切り落とせ。…」
「その斧、俺様が砕いてやるよおおおおおおお!」
「てめぇらああああ!!ヒカリの隊に合流しろおお!ここから先は邪魔だああ!」
ームーヴ・ウルトラ
ー必ず後で戻ります!
ーすぐに倒してきます!
「俺様がお前を…間違いなく!ぶっ殺す!!」
「粉砕斬!!」
((タイダル・エンド))
………………………………………………………。
(())ウォーター・アビス(())
「みんな!守って!」
ーフレイム・ビッグシールド
ー大盾!!
「ヒカリ。守護する。」
バチチチチチチチ…
「空気中の水分の毒化…厄介過ぎるわ…」
《人間…早く…死ね。》
((ボルケーノ・ピラー))
キュイーーーゴオオオオオオオオオ!!
(())ディープ・エンド(())
ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
「昇格しても相性の差は埋まらないのね…」
「……………………。」
……………………………………。
どうしてだろう。
さっきはあんなに恥ずかしい気持ちでいっぱいだったのに。
声掛けられたらまたメイド喫茶に行きたいと思っている。
そのためにうろつこうとまでしている。
クレープ片手に。
「満喫してる…!!そして信じられないほどお金使ってる…!!」
勇者になってからは、イセドラも辞めちゃったしお小遣いを使うこともなかった。
バイトとかせずにお財布に4万円貯め込んでたと思うとなかなか…
バーロー!全財産なわけないだろ!
まだへそくりもあるんだ!だから今日はもう少し贅沢に…
「うげ。あれは風俗店か…イケないプリンセス…」
看板娘?オススメ?分かんないけどさ。
手で顔の一部を隠したり、マスクで口元隠したり、モザイク入れちゃったり。
一切隠してないのは自信アリなんだろうな。
「……行かないけど。」
そうだ。駅前のとこにカードゲームショップあったなぁ。
遊ばないんだけど、まぁカードゲームって言えばさ。
ドラゴン、美少女、戦士でしょ?
どうせ絡んでくる設定でしょ?
となればもちろん。
「勇者もあるよな…何かしらの。」
もう人混みを歩くのは慣れた。
スルスルと間をすり抜けて早く移動出来る。
「おお…!!これ中全部カードゲームショップがあるのか…」
大きめの建物を見上げてぼーっとしちゃう。
「あれ?あれ!?ナギじゃん!」
「……へ?」
「ナギーーーーー!」
「うわ!ジミーじゃん!どうしてここに!」
「中央エリア地獄だよー!迷宮だよー!迷子だよー!」
「おお…そんな慌てたお前見たことないからちょっとビックリ。」
「助かったぁぁ…」
「ははは…」
話を聞いたら、ナナミさんに呼ばれたらしい。
マリオと魔王スイが暴れ回ってるとか。
全く知らなかった。
……だよな、スマホ電源切ってたし。
なんかあまり行きたくないな。
いや、呼ばれてないのかも?
「じゃあジミー、よぉく覚えるんだぞ?この駅から…」
「待って。ナギも行くんでしょ?」
「…ちょっとやらなきゃいけない事があるからさ、先に行っててよ。」
「ここで待ってる。」
「いやいや…ジミー呼ばれたんだから急がないとさ。」
「もしかして行きたくないとか?」
「………………………。」
ギクギクギクゥゥッ!
って分かりやすい反応しちゃった気がする。
「魔物も大量に出てるみたいだしさ、ナギはそっちでいいじゃん。僕は魔王のとこ行くからさ。」
「…うん。」
「あと電車賃も借りていい?」
「…うん。」
………………………。
そんなわけで現場に到着した。
「じゃあナギは魔物狩り。僕は…魔王どっち?」
「分かんない。ナナミさんに電話…出ないか。」
「にゃにゃにゃにゃーーーー!」
ダダダダダダ…
「あ。」
何かがすんごい速さで通り過ぎていった。
……ダダダダダダダダッ!
戻ってきた。
「にゃにゃ!!ナギにゃん!」
「ルナか。何してんの?」
「魔物ボッコボコ大作戦にゃ!」
「ナギ。こんな子居たの?」
「お前目がキラキラしてるぞ?」
「ルナちゃーん!」
「ま、待ってよぉぉ〜…」
「おおおおおおお!!何これ!」
「ジミー、ワクワクするとこじゃないから。」
「ナギ様!」
「はぅ!ナギ様…こんにちは!」
「え?…こんにちは。」
「挨拶してる場合じゃないにゃ!」
「そうだな…フワって飛べたりする?」
「私ですか?…飛べ…ません…」
「コイツをナナミさん…いや、魔王のとこに連れていきたいんだよ。」
「そういうことなら…アレを見てください!」
思わず二度見した。
前方の空に2つ、大きな異変が起きてるんだもの。
前方左には瓦礫か何かが激しく…ポップコーンみたいに…近づきたくない。
前方右にはそこだけ黒い雲が集中してて、大雨。
そして度々大きな炎が上がってる。
「ナギ…僕2ヶ所同時に行くのは出来ないよ?」
「だよな…」
「ナギにゃん!」
「なに?」
「にゃにゃぁ〜…」
肉球グローブで頬をスリスリされた。
「ちょ…柔らかい…ぷにっとしてる。」
「にゃぁ〜…頑張るにゃ!」
「ねぇ、それ僕にもしてくれる?」
「にゃにゃぁ〜…」
「うひひひひひひ…」
「お前笑い方すごいな…」
モヤモヤしてた気持ちが薄れてく。
「ルナ、ありがとうな。」
「にゃ!」
「ナギ、ヒカリさんの方任せてくんないかな。」
「ああ。分かった。じゃあ俺あっちのヤバそうな方に行くよ。」
「うん、アレは行きたくない。頭おかしい。」
「おいおい…」
「にゃにゃ!途中までにゃー達が送ってくにゃ!」
「心強いなぁ。」
「そうだ!丁度いい!いっぱいあるから…はいこれ。」
「にゃ?」
「これは?」
「なんですかぁ?」
「へっへーん。それはねぇ……東エリア特製の"インスタント輝石"!」
「は?輝石?」
「使い切りだけどね?1発分。その石に魔力を集めて砕くと、次の一撃が大きくなるよ。」
「……作ったの?」
「まあね。ウチにも欲しいなって。そのうちオリジナルと同じの作るよ。」
「すげぇ開発力。」
「にゃにゃー!じゃあ走るにゃぁぁ!!」
…………ルナ速すぎ。
俺が高速移動すれば抜けるけど、多分ルナも高速移動出来るはず。
通常でこれはヤバい。
「フワとミミは体力平気か?」
「私限界ですぅ…」
「回復魔法使えなくて…」
「ならこれ舐めて。どうぞ。」
「ジミー様、これは?」
「元気飴。回復魔法が込められてるよ。まぁ飴の大きさが問題で効果は少ないけど。」
「あむ。…いちごミルク味で美味しいぃ〜…」
「…私のはキャラメル味?」
「飽きないように開発したんだ。袋ごとあげるよ。頑張ってね。」
「ありがとうございまふぅ…」
「魔力も回復してきた!これなら大丈夫!」
ジミーには毎回驚かされてる。
輝石の開発に回復魔法を込めた飴?
「待て、それって勇者でも」
「うん。トモたんが僕のために作ったんだ。まあ勇者だとさらに効き目は下がるんだけどね。」
「にゃにゃ!ここで分かれ道にゃ!」
「じゃあナギ。また後で。」
「ああ。」
「私達は魔物の掃討が任務なので戻ります!」
「気をつけてな!」
…………………………。
近づくほどに衝撃音が大きくなる。
…キイイン!
…オオオン!!
「ふぅぅぅ…この世を救う…英雄に!!」
「交わり吠えろ!龍虎宝剣!」
間違いなく現場で決め台詞言う暇はない。
それにこの方が速く動けるし!
ヒュン!
………。
「おらあぁぁぁぁぁ!!」
ガキイイイン!
ナナミさんだ…長い髪が逆立ってるのはどういう事なんだろう…
相手は…誰?
「くそ…腐っても勇者だな…」
「ナナミさん!」
「ナギか!?お前…」
「その人は?」
「"最強の世代"死神の異名を持つ勇者、キッドだ。」
「めちゃくちゃだな…それに…」
破壊の斧。
持ち主ってことか。
「…悪を破壊する。」
「あいつは多分もう元には戻らねえ!人の形でも遠慮なく攻撃しろ。」
「……魅せるぜ?…イリュージョン!!」
ヴ…ヴ…ヴン…
「っは。分身する勇者か。」
シュシュンッッ ッッ…!
「断罪!!」
ギュゥワァァァァ!!
「ナギ!その攻撃は避けろおおお!」
ヒュッ!
顔を合わせたらやっぱり気まずい。
というかムカムカしてきた。
先に謝れやっ!
…こんなの避けるの簡単すぎ。
スッ……
「…………そこだ…」
ブン!
(見えるのか!?)
((タイダル・インパクト))
ドザァァァァン!!
「……くっ…」
(影斬り!)
スンッ!スンッ!
………………………………決まった。
ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク!
「ぶふっ…」
「っは!喰らっちまいなああああ!」
((パイレーツ・コンボ))
((インパクト))
((エンド))
「…!」
ドドドドドドドドドドッカアアアアアン!
(うわっ…巻き込まれるとこだった…)
………。
「……………………………。」
キッドという勇者は、右上半身が吹き飛んでいた。
タンクトップでも着せようものなら、右の肩口からは血肉が露出するんだろうな。
ファッション:グロ。
右手に持ってた斧は左手に持ち替えられてて、顔は余裕そのもの。
「真の姿を現せ…」
しかも変身残してたオチ。
「命を断ち切れ、我が刃よ。」
「死神ノ斧。」
………破壊の斧がただの木の棒になった。
…は?
「それも使えんのか…流石に殺されるかもな…」
(っ…退魔斬!!)
スッ…
ッガン!!
(止められた!?相手は動いてないぞ!?)
………ジロリ。
目が合った。見えないはずなのに。
その目は白目がなくなって…真っ黒。
ホラー映画でちょくちょく出てくるアレだ。
言葉も廃墟も長い髪も白い服も要らない。
漂う殺気とその目だけで。
「悪には死を。」
シュッズバァァァァァァァン!!
「ナギぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
何が起きたかも分からなかった。
明日は1話更新かも…いやだああああ!!




