覚醒 part5
流されるように生きてきた。
小学生の頃にRPGゲームにハマって。
中学生の頃に異世界物のお話にハマって。
高校生で実際に勇者になった。
大人には分からないかもしれないけど。
何もしてないように見えて、子供は毎日を全力で生きてるし、何かに深刻に悩んでる。
物事の大小は関係ない。
人間は小さな頃から
なんだかんだ戦ってきたんだ。
………急になんだよって思うよな。
いや、俺も困ってるんだよ。
ヒカリさんに抱きつかれたまま…
ずーーーーーーっとこのまま。
時は止まってない。
場面をリピート再生してるような違和感も無くて。
俺に大好きって何回も言ってくれて…
明らかに幸せなんだけどさ。
これ…死んだんだよな?
死後の世界って答え出せないじゃん?
無かなー?とか思っても無ってなんだよと。
真っ暗で何も見えなくて無音?
でも"真っ暗"って無じゃないじゃん?
……そうなんだよ。考え事しちゃうほどずーっとなんだよ。
暇とか退屈じゃないよ?満喫してるよ?
これ天国なの?ここゴールなの?
…………なんなのこれ。
……………………………………。
「っは。バカの見舞いねえ。」
ガラガラ…
「おぅ。やっぱりお前に見舞いは不要だったな。帰るわ。」
「お頭……待て…」
「あ?なんだその声。酒やけか?」
「違う…こっちに…」
「どうした。」
「タロ…ウ。」
「…見つけたのか?」
「魔法…攻撃…してきた。」
「ああ?勇者だろ?どこかで魔法使えるように練習して来たってのか?」
「…ブラッド…」
「……っ!!!」
「お頭…自慢話で…ブラッド…」
「そうだな。もういい。黙れ。」
「……………………。」
「…くそめんどくせえ。」
「…スパーン……まぁた蘇りやがったな。」
……………………………。
「タロウ様!おかえりなさい!!」
「おおお!タロウ様が戻ったぞおおおおお!」
ーワァァァァァァ!!ガヤガヤ…
「フン。コイツの所属はここか。マリオの助言通り、湧いてくるではないか。」
「タロウ様!お身体は大丈夫なんですか!」
「心配したんですよー!」
「…心配など必要ない。」
「またまたー!内心喜んでるの知ってますよー!」
「そうですよ!このこのぉー!」
「………。」
((ブラッド))
…………………………。
「フン。呪文一つで全員が身悶えるとは…面白味に欠けるが楽だな。》
「…魔物と同じ。喚く事だけは得意なようだな。フハハハハハ!」
………………………………………………。
「というわけなんだ。コレ、上手くいくと思う?」
「うむむむむむむむ…」
「そんな悩むの?僕の信用ってそんなもん?」
「むむむむ……。無理だと思います!」
「うわ。ハッキリ言われた!ショックだなー。」
「だってだって!ジミーさん!その"輝石"ってすんごく貴重な物みたいですよ!ほら、記録にも破損とか紛失とか…」
「だから、それを僕が作るんじゃないか。」
「きっと特別な素材が必要なんですってばぁ!」
「あ…ちょっと…今のもう一回。」
「なんですかあ?」
「…とにかく。これ、治療師の子に使わせてみるから。えーっと…上位…えっと…」
「魔導医師ですよ!さらに上が聖者です!この本に書いてありました!」
「そう。それ。ちょっと見して…うん。これ。魔導医師の大魔法…マジカル・オペが使えたら成功ね。」
「大変そー…」
「そこまで言うならトモたん!」
「え!は、はい!」
「成功したらどうする?」
「どうって…なんですか?」
「成功しないと思ってるトモたんと、成功すると思ってる僕。勝負しよう。勝った方のお願いを聞くってことで。」
「ええ!?じ、じゃあ!ギルドの予算からミーの新しい調理器具買ってもいいんですかあ!?」
「…そんなんでいいんだ…」
「…?」
「いや。トモたんが勝てばいいよ。マジカル・オペが成功したら僕の勝ち。いいね。」
「はい!その勝負!受けてたちます!」
………。
「ジミー様。始めます。」
「うん、やばかったらそれ捨てて離れてね。」
ジュウウウウウウウウウ…………
「力を…力を感じます…とても…」
「それじゃあ…使ってみて。」
((マジカル・オペ))
スゥゥゥ…
「おおおお!出てきた。メスやら何やら…手術に使いそうな道具が。後は手術台か…この本によると。」
「出ないで…出ないで…出ないで…最新のアイスメーカー…アイスメーカー…」
「………っ!」
ッボン。
「…出た。」
「うにゃぁ…」
「出た出た出た出た出た出た出た出た出た!」
「ジミー様!出来ました!」
「やったああ!"輝石"作れた!!」
…パキーーン!
「ほぁ?」
「……ジミー様、割れてしまいました。」
「どこかぶつけたり…」
「いえ。」
「…でもさ、魔法1発分でも強力…?」
「…!だと思います!使えるのと使えないのとでは大きな大きな差があります!」
「だよね。よし。トモたん。僕の勝ち。」
「ええーー!壊れたから引き分けじゃないですかー!」
「マジカル・オペは成功したんだから約束通り僕の勝ち。」
「うう…」
……………。
「わざわざ2人きりの部屋で…どんなお願いなんですか?」
「トモたん。約束は守る子だよね。」
「はい!ミーは約束守ります!」
「それじゃあ。…うひ。」
「へ?」
「僕がこれからも強く戦えるようにモチベを高めてもらうよ。」
「…分かりました!何すればいいんですか?応援?」
「………〇〇〇したい。」
「…え?」
「だから、〇〇〇したい!トモたんと!」
「そ、それはぁ!きゅ、急に言われても困まま…ま…」
「下心全開で悪いとは思うけど、気持ちは本当だから。」
ファサ…ファサ…
「うぅ…脱がないでくださいよぉ!」
「トモたんは約束…」
「……守れませんっ!!」
「へ?」
「……うぅ…今回だけですよ?」
「お。」
「…脱ぎますから…せめて後ろ向いててください。見ないでほしいです。」
「うん。待つよ。」
クルッ。
「…ミーはあまりその…自信ないので…優しくリードしてくださいね?」
「うん。うん。花に触れるように優しくするよ。」
「あと、あと…恥ずかしいからあまりジロジロみたりしないでくださいね?」
「うん。うん。ちょっとは見るよ。好きな人だし。でもガン見はしない。約束する。」
「…このことは誰にも言わないでください。」
「うん。うん。当たり前だよ。言いふらすようなクソじゃないから。…もういい?」
「………………………。」
「ん?トモたん?」
クイッ
「マックスパァァンチ!!!」
「ふごっ!!」
「ごめんなさい。ジミーさん。ミーはちゃんと口説かれて、恋人になって、それなりのムードじゃないと!」
「鼻血…。でも約束でしょ?」
「負けは負けです!だから!今回はコレをジミーさんにあげます!」
「へ?」
「はい、どーぞ!」
「………あったかい…」
「…脱ぎたてホヤホヤですから…誰にも見せない自慢しない!秘密!いいですか!」
「うん。約束するよ。」
「…じゃあ!ミーは下がスースーするので着替えの取りに行きますね!」
「ほん。やふほふふふよ。」
「もう!顔埋めないでぇ!嗅がないでぇ!」
…………………………………。
……うーーーーーーん。
このままなのかぁ?
幸せな場面なんだけどさ……もう少し展開が欲しいというか…
死んでたら文句言えないのかなぁ。
…………………そういえば。
なーんか口の中ジャリジャリ…するな。
砂食ったっけ?
でも確認も出来ないんだよなぁ。
はぁ〜……
これが現実ならいいのにな。
いや、現実に起きたんだよ?一部は。
俺が少し寝落ちしてちょっと知らない部分があるだけで。
次こそはって毎回言えないんだよな…
言えないまま死んだのか…
…なんかすごいモヤモヤしてきた。
…未練タラタラの幽霊ってこうやって生まれるんじゃないか?
大体さぁ!悪魔強すぎじゃない!?
見た目から何から別物じゃん!?
作者バカじゃねえの!?
赤鬼ウ〇ヴァ〇ンってなんだよ!!!
しかも瞬間移動みたいなのも出来るしさぁ…
スゥゥゥゥ…
あららららら?視界が真っ白に…
………………。
さて、テストテストー。
「まずは、名前…これ大事。」
満点取っても名前書いてませんでしたw
とかが一番の馬鹿だよなwww
ジャジャン!
問1
存在を信じる魔法属性を書き出しなさい
あー。走馬灯が本気出してきた。
死後もずっと見れんのかな?
イベントギャラリー的な?
…なるほど、これはイケそう。
てか、得意科目wwwwww
答1
火、水、雷、土、風、氷、光、闇、時、無
「おっ…けい。こんなもんでしょはい次。」
あー。書いてたなぁ…
火はヒカリさん、水は魔王スイ…
あら。見てない属性多すぎない?
今度聞いてみ…あ、死んだの忘れてた。
…………時?
時魔法……時間を操るチート魔法。
敵の行動を遅延させたり、味方の行動を早めたり。
めちゃくちゃだと何日分か巻き戻したり。
…………何か引っかかるな。
なんだろう。
スゥゥゥゥゥゥ…
あ、視界が真っ白に…
……………………………。
カーテン…テーブル…
戻ってきたよ!!!
まさかの!!
なんで!?
なんでちょろっと変なの見せた!?
えええええええ!?
霊体でこんなに騒ぐやついないよ!?
あー。ヒカリさん可愛い。
………悪魔戦。
俺は高速戦闘が得意だ。
なのに瞬間移動されたみたいにあっさり殺された。
もしかしてもしかして…
悪魔は時魔法的なの使ってた?
どんなに速くても時間が止まれば…
うわーー!確かめてえええええ!!
でも確かめる事が出来ねええええええ!
モヤモヤが溜まるだけじゃねえか!なんなんだよ!
「ナギ君。」
あーもうヒカリさん可愛い。可愛い。
「一人にしないでね。」
……………。
ヒカリさんの境遇。
それからモモの事も。
忘れてた。大事なこと。
何死んでんだよ。
悪魔ぐらいちゃちゃっと殺せなきゃさあ。
こんなんじゃダメじゃん!!
なにが幸せな場面だよ!!
俺死んだら意味ねえだろ!
ただ夢見てるだけじゃねえか!
なんにも叶ってねええええええええええ!
誰も救われてねえよおおおおおおおおおお!
……………………………。
ズキズキッ。
{どうやら失敗したようだね。}




