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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その5、悲劇はドミノのように
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覚醒




「……………それで、ナナミ様。棺に入った後はどうなるのですか?」


「……人それぞれだな。」


「……………………。」


「ったく。あれは特殊な魔道具だ。望む者に仮想世界で"もう一度"チャンスを与える。それはその人間の強い後悔や未練だ。もういいか。めんどくさくてなあ。」


「ありがとうございます。」


「ナギが戻るまで主戦力として動いてくれ。最近また魔物共が活発的でなあ。」


「はい。」



コンコン…ガチャ。


「ナナミ様!Vが出現しました!」


「Vだあ?なんたって中央に…ヒカリ、行ってこい。バカも呼び出しておくから。2人でヤってみろ。」


「…モモちゃんは…」


「俺がもう少し愛でる。子供が可愛くてよぉ。モモ、いいだろ?」


「……大丈夫。」


「モモちゃん、早く戻ってくるわね。」


「早く。」


「よしよぉ〜し。何でも好きなもん言えよ、食べさせてやるからな。」


「けーき。」


「うふふ。行ってきます。」



………………………………。




《……………………。》



「ヒカリ様!」


「遅くなってごめんなさい。あなた達は退いていいわ。後は私が。」


「気をつけてください!突然繭になって今は大人しいですが、この魔物、火属性魔法がとても強力です!」


ザザザザッ…



「あら。属性が同じなのね。それで…その繭からはいつ出てくるのかしら。」



ピキピキ………ズズズ…




《オアアアアアアア!!》



「…何よこれ…!!」





………………………………。





身体の感触がリアルだ。


つまり、この試練で死んだら…


試練が魔王とのタイマン?


流石にやり過ぎじゃない?



《何をしていル!こちらから行くぞ!!》


(())ワイプ・アウト(())


ドップアアアアアアン!!



「津波なんて避けれねえよ!」


3M程の高さ…でも水の威力ってのは舐めちゃいけない。



ガサゴソ…ガサゴソ…


「なるほどな。」


最近までの装備は引き継げるみたい。



「ふぅぅぅぅ…」


ヒュンッッ!



それなりに広いこの空間。


多分正方形だから…天井も高い。


これ、やってみたかったんだ。


(龍虎針剣!)



壁走り!!



すげえっ!壁に対して垂直に走れる!



《…あれれ?勇者どこー?迷子ー?》

キョロキョロ…



(影斬り!!)



《うっそー!見えてるぞー!》


(なっ!?)


キンキキキキキキキキキキキキン!!



水のバリア!?


でも水に刃物ぶつけてキン!とか言う!?



ヒュンッッ…



《じゃあまたスイの番ねー!》


(())ディープ・エンド(())



ズズズズ…ゴォォォ!!



(前に見たのよりデカいんだけど!!?)



部屋中に…あ。


濡れた壁に足が滑った。




「うっ!?」


ドサッ。



《あははー!勇者ダサーい!えーっと、ドンマーイ!》


(())ウォーター・ショット(())


バシュンッ!!



「ちょっ!!」



…………………………。




…あれ?どうなった?



《あーあ。スイの勝ちー!勇者負けー!》


アイツなんであんな下に…あ?俺が上に?


これって…



ヒカリさんが殺された時の……



「うわ!うわあああ!抜けねええええ!」


《特別な魔法だもん!スイのスペシャルだよー!》


「両手両足の付け根…あと首に水の輪が…しかも硬い…これは一撃必殺じゃねえか…」


《じゃあそろそろ殺すねー!バイバーイ!》


まだだ。


死ねない。


死を突きつけられて全身が、脳が恐怖してる。


恐怖するからこそ、本能で抗う!!



「この世を……救う!!」


《もう死ぬのにー?》



「英雄に!!!!!」


ジュウウウウウウウ…



《今更遅いよー!》


シュイーーーーーーーーン…



水の輪が高速回転してる気がする。


このまま縮小して俺の身体を切り刻むってわけだ。



へぇ。



ジュリリリリリリリリリリリリリ!



ザクッ………ボトッ。ドサドサッ。



《わー!勇者バラバラー!死んじゃったなー!》






「いいや。生きてるけどな。」



《え!!なんでそこにいるのー?どうしてー?》



「魅せるぜ?…イリュージョン。」



ヴ…ヴ…ヴン…



《勇者増えたー!!》



タネ明かしはしないぞ?

分身がヒントなのは間違いないけどな。

ほら、ただのマジックショーだと思ったら…説明出来ない演目がたまにあるだろ?



「俺は俺のやり方で、で、で、で、…」


シュシュシュシュシュシュ…



《気持ち悪いー!勇者が見えたり消えたりするー!》

「どこ見てる?」

スッ…ザクザクザクザク!


《いたーいっ!》

「遅い。」

ザクザクザクザクザクザク!


《ならばこれでドうだ!!》


(())ディープ・エンd



ズザザザ…

「だーかーら。遅すぎ。こっちはもう終わったぜ?よく見といてくれよ。」



《何を言ってイる!!?》


ズザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ…



イリュージョンの分身。


そもそもこの高速戦闘も、エルの物だったよな。


でも、引き継げた気がする。


死にたくなくて必死なだけだったかもしれないけど。


心のどこかでエルに蓋してた色んな気持ちが吹っ切れた。



《ぐううううぅぅぅ!!魔王は…スイは負けなイ!!》


(())ディープ・アビス(())



「それもあったな。でも言っただろ?」


スッ…


「遅すぎだって。」



…スイは後ろを振り向くことはなかった。

振り向く前に首を刎ねたから。




「カッコつけたけど少しピリピリする…うへぇ。」



……………………………。







{よくやったね。}


「………………。」


あれ?あ、戻ってきた?


{君は一つ、乗り越えた。}


あー…このまま帰れるわけじゃないんだ?


{そうだ、これからすぐに次のを始めよう。}


いいよ。なんか疲れてないし。


ヴ…ヴ…ヴン



………………………………。



いくつあるんだろうな、試練。



「部屋は一緒か。なんとか地形活かしてハメ技出来れば何来ても勝てるんだけどな。」



「うふふ。ナギ君は面白いこと言うのね。」



「…………ばーろー…。」



目の前にはヒカリさん。


そうだ。


スイとの戦いの後、輝石を初めて使ったのはヒカリさんだ。


それでこんな風に…



「なあに?遠慮しなくていいのよ?見るだけじゃなくても。」



そう。これ。いつものヒカリさんは、寸前で焦らすというか分かってる。色んな事情を。

でも、暴走したヒカリさんは完全にアウトだろ。その気になればこのまま18禁突入は軽いだろ。

25禁ぐらい?



「ふぅぅ…」


高速で逃げ回って輝石に魔力を溜めるいつもの戦術じゃあいつか詰む。


「龍虎針剣!」


真っ向勝負だ!



「触れてくれないのね。貴方にならどうされてもいいのに。」


((ボルケーノ・テンペスト))


ズォォォ…ゴゴゴゴゴ…



天井が炎でいっぱい。

壁に張り付くとかいう発想がなくてよかった。

忍者スタイル!いぇーい!とかやってたら燃やされてたもんな。



ヒュンッッ!!



試練は…多分勇者になってからの俺のトラウマの数々だ。

蓮コラスライムが出ないし、とびきりレベル高いの限定か…?

魔王…ヒカリさん…

うぇ。この後また魔王で悪魔ともやるの?



「影斬り!!」


「隠れてないわよ?」


キンッ!!


「甘く見ないでね。貴方のこと、燃やし尽くしてあげる。」


((ボルケーノ・ブレス))


スッ…ブォォォォォォ!!



乙女の吐息は獄炎でしたああああ!!


「熱っ!!くそ、左腕が火傷したかも。」


「かもじゃなくてしたのよ?全身焼いてあげるから。」


((ボルケーノ・コンボ))


((メイル))


((ワンド))


((ガントレット))



「そんなこと出来んのか…」


「ナギ君。寂しくなるわ。」


「へぇ。"偽物"に愛されても嬉しくねえよ!」


「交わり吠えろ!龍虎宝剣!!」


ヒュンッッ!



ガキィィン!!キキキキキン!



「ちっ!どいつもこいつも!なんで水とか火がこんな硬くなるんだよ!」


「それが魔法というものよ。」


((ボルケーノ・キャノン))


ズゥゥゥゥン……



え、これもパワーアップしてない?


「くそ…部屋中攻撃判定はダメだって…」



「私は平気よ?安心して死んで頂戴ね。その後で貴方に乗ってあげる。」



「勝ち確ムードで超下品発言!」


ナナミさんも正気じゃなくなった時…なに、この作品は女キャラが正気じゃなくなるとみんなエロ方向に暴走するわけ?


「させねえよ!!」


((ストロング・フィスト))


タロウがこの魔法を切ったのを知ってる。



「っ!!退魔斬!!」


ズババァァァァァァン!!!



だから!全力でぶった斬れば!!



ジリジリ…ズイッ。

スゥゥゥゥゥゥ…



「……うそ。」


「まだまだあ!!」


このまま倒す!!



「業火に焼かれ、浄化なさい。」



「影斬り!!」


「我が名において…燃え立て。」


((ボルケーノ・ピラー))


キュイーーーーー…ゴオオオオオオオオオオ!



「うわ!」


真正面で突っ込んだら目の前が眩しく光って…



「ぐああああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」



「うふふ。気持ちいいでしょう?私もよ。そのまま果てなさい。」



……………………………。




「はぁ…おし、お頭も呼んでるしこんなもんだろ。お前ら!後やっとけえ!」


「「はい!!」」




「……………………。」


「ん?お前!タロウじゃねえか!どこいってやがったんだ!待っとけ!今ギルドに」


「必要ない。」


「必要だろうが!お頭に連絡」


「要らん。」


((ブラッド))


「があっ!!…なんだ!!ぐあ…」


「フン。本物はいないようだな。ならば早々に全員殺して戦いを終わりにするか。」



ドサッ。



「雑魚にまで成り下がった勇者め。せめてそのまま綺麗な体で死ぬがいい。」


((ムーヴ・ウルトラ))


ヒュンッッ



「………………んだ……よ………」





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