目覚めの時 part4
問5
【勇者】を望む上で差し出せる大切な物を書き出しなさい
(生物も可)
難問…だよな?
【 】は最初に目を通した時は空欄だった。
望む役割を書いたらそれが埋められるってことか…
「うーん…大切な物…生物も可…?」
制限時間とかは聞いてないけど、この問題だけでなかなか時間かかってるよマジで。
覚悟でしょ?役割貰うための!
実際取られるわけじゃないけど、これぐらいの気持ちでやりたいです的なやつでしょ?
でも万が一も有り得るよな…
しかもこれ…気持ち的に足りなかったら役割貰えないオチだよな…
う~…
答
イセドラのグレイトマジシャン所持アカウント
※魔法水晶266個所持
※召喚チケット102枚所持
はい。
いや、廃課金ユーザーでも持ってる人少ないからね?
確率表示に騙されんなよお前ら!
絞るとこは笑えないほど絞るから!
てか、微課金でこれとかマジですごいからね!?
転売したら……したら…すんごいぜ…?キリッ
よし、終わり…
「あら、案外早かったのねぇ死体君って実は優等生だったりして」
「いやいや、得意分野なだけだよ…ヒカリたn…さんもあのテストやったんだよな?」
「ええ。テストというよりアンケートみたいなものだけれど」
「だよなー!!アンケートだよな!いや、そうじゃなくて」
「問5のことよね?」
「そう…それだよ。なんか不気味な感じがしてさ。」
「アレが最重要項目だし仕方ないわよ、それにちゃんと書けたのよね」
「ま、まあ…一応?」
「一応じゃダメよ。勇者の役割ともなれば家族の命を差し出しても足らないくらいなのよ?」
「は?生物も可とはあったけど人の命まで差し出せるかよ!まして家族だぞ!?」
「私は家族や親戚、血の繋がりは全て差し出したわ。それでも魔導師ではなく魔術師になってしまったの。」
何その冗談。
「おいおい…あんまり下手なウソはよくねえって。というかアンケートだろ?差し出したって……差し出した…?」
「ええ、あのペラペラの紙に書き込んだ内容は実現するの。アレは契約書だから。問5に書き出したものは全て失うことになるわ。」
「おーまいがー……」
家族差し出しても下級ジョブ…
勇者って…ですよね…花形というか…うん…
いや、グレイトマジシャンは確かにハンパねぇよ?
でも本物の命と比べたら…
「その顔…回答に自信がないみたいね。」
「いや…アンケート感覚だったし。そんな重要なら注意書きとかしてほしかったわ…」
「役割付与のタイミングで差し出すことになるから、審査が通らなければ何も失わないわよ?」
「マジか!良かったぁ…それは助かるわ!」
「あなた何を書いたのかしら…」
「ヒカリさんのに比べたら言えるはずがありません!」
「夏野 凪 様、こちらへ。」
「え、あ、はい。…行ってきまーす(小声」
「はいはい、待ってるわ」
異世界ファンタジーな世界観で統一されてると思ったらまさかのスーツ男!
怖いわー!マジで怖いわー!
てかもう結果出んの?早くね?
あー緊張してきた!無理だろうとは思うけどなんかやだー。
「こちらにお掛けください」
「ありがとうございまー…す」
目の前には有名なフライドチキン売ってるおじさんみたいな人が。
似てるってのもあるけど、フライドチキン食ってんのよねマジ露骨な宣伝。
クチャクチャ…ゴックン
「…えーっと君が凪君だね?」
「はい、夏野 凪です。」
「希望する役割は勇者と聞いて驚いたもんだよ、それから…それの対価もねぇ」
「す、すいませんそんな大変なことになるとか何も知らなくて」
「あぁ!あのお嬢ちゃんに話を聞いたんだろう?あの子の覚悟は凄まじいものだったよ。」
「で、ですよね…へへ…俺…冷やかしみたいな回答しちゃって」
「イセドラのアカウントだったねぇ…」
「…ごめんなさい」
「グレイトマジシャン、見せてくれるかい?」
「…え?あのー、はい…コレっす。」
おっさん!チキン触った手で…あぁ…スマホが…
おっ?目を見開いて…ガン見!ガン見!
画面シュッシュってしないで…油が…泣きそう
…あ、こっち見た。
「嘘みたいだよ…グレイトマジシャン、本当に居るんだね」
「あ、あぁ…そうですよね俺もビックリです色々と。」
「君はこれを勇者の役割の対価に差し出すと?」
「あー、分かってます分かってます。馬鹿にしてんのかってレベルですよね。すいません本当に知らなかったんでs」
「良いだろう。本物だと確認出来たし、いい加減自分の引きの弱さにもウンザリしていたんだよ。勇者、やらせてあげるよ」
「なん…だと!!」
はい、地味に書き溜めてたのをまとめて出してスッキリ!
適当に予約投稿しつつなぜまとめ出しをしたと思う?
夜更かしするだけの理由があったのさ…
寝床にゴ…うん、魔物がね、出たのよ。
触角やらフォルムから完全アウト。
しかも飛べるというね。
さて…執筆という名の現実逃避はまだまだ続く…