"本物"
「おお!バカタロウも殺せたんだな!…バカは魔王の首潰したみてえだけど。」
「お頭…つい、うっかりだ。」
「なぜ同時に3体も…分身魔法は1体でも相当な魔力を消費する。2体も作るだけの力が残っていたのか。」
「お前らさ。最初に今回の魔王とヤった時、どれぐらいの強さだった?」
「今回は"一般人"を使われたからなんとも言えないが…動きは鈍かったようにも思える。」
「だな。しかも…頭が簡単に潰れる。」
「分身魔法は作った数だけ力が分散する。3で割ってこれなら魔物の方が強いと俺は思うな。つまり、めんどくせえ。」
「…まだ本体は別に居ると?」
「ああ。こういうのは大体が囮だ。俺達が空けてる間に…」
「…!!私のエリアは主戦力が!」
「じゃあ…俺はタロウのエリアに行く。バカはナギのとこ行け。」
「分かった!」
「お頭!万が一の時は集合かけるぜ。」
「ああ。好きにやんな。」
…………………………。
《フフフハハハ…!!所詮ママゴトよ。心をへし折った勇者を確実に殺すためのな!》
………。
「ヒカリさん……?」
ソファーで抱きつかれたまま横になること…
いや、体感は長いけど多分20分くらい。
分かるかな…高校生ぐらいの男の子が、そこらのアイドルより何億倍も可愛い女の子に抱きつかれてしばらくすると…しばらくしなくても…色々とこう…な。
バレる前に!
おじいちゃんの顔…ダメだ思い出せない。
お父さん…兄貴…萎えるためにイメージしてんのに!
何考えてもこれのが勝る!当たり前だ!
そ、そうだ!ムードは壊すけど、トイレを言い訳に…
モゾモゾ…
(まだ、だぁめ。)
「ひゃいっ!」
耳元小声は反則だろおおおおお!
ああああああああ!
どうしたらいいの!?ねえ!?ねえ!!!
「…………………。」
じーーーーー。
キターーーーーー!!!
「も!モモぉ!!」
「…勇者。」
「うんうん!どうした!」
「…なんでもない。」
「は?」
スタスタ…
「ちょ…ひ、ヒカリさん?モモに見られ…ああ。」
誰か…白旗を…もうギブ…
こんなもんそのままエロじゃん。
絶対エロしかないじゃん!
…いいよ?俺はね!?
でもさあ!これそういう作品じゃないじゃん!
キーワードに青春は含んでるけど青春にエロは含まねえだろ!
恋のムズムズと何かのピークでちゅーするぐらいだろ!
ちっくしょう!ここからは!モザイク全力で!!
「勇者。」
「今度はなんだよ…」
「魔物の気配。」
「ほ?」
「…………………。」
「ヒカリさん!魔物だって!…え、寝てんの?」
びっくりー。スヤッスヤ寝てました。
うん、勝手に盛り上がったの俺だわ。
すいません。
「そ〜〜〜っと…おし。モモ。俺を魔物のとこへ連れてってくれ。」
「ヒカリ。」
「寝かせてやろう。な。行くぞ。」
……………………おっと。
ヒカリさんに軽くタオルケットをファサッと掛けとこうな。
……………………………。
「ここ…?」
「ここ。」
す、スポーツセンターか。
最近色んなの出てくるし、今回はどんな魔物だろう。
…………………?
「…え?」
スポーツセンターに居る人が…みんな…俺達を見てる?
「なあモモ。気のせいかな。すごーく視線を感じる。」
「何かいる。」
「でしょうよ…」
老害魔王ゲロゲロス改めゲイズは、洗脳と精神系魔法を使ってた。
でもナナミさんが殺したって…
でも洗脳と…この視線…
あ…罠だ。
「モモ。一旦引き返そう。魔王だよこれ。」
「逃げる。よくない。」
「勇者3人でダメなやつだぞ?さすがに分が悪いよ。」
「モモ。勇者を守る。」
「それはありがとうなんだけどさ…」
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
ースッ
「うわっ!」
全員が1点を指さしてる…
「案内ってか…」
「逃げれない。」
「いや、入口に走れ、ないですね。うん。」
いつの間にか出口は人間の壁で塞がれてた。
「…こっちはグラウンドか…うわぁ。」
スポーツセンター中の人間を集めたんだろうね。
陸上の格好…水泳の格好…係員…私服…ちょっと怖いかも。
「これ、全員襲ってきたら間違いなく死んじゃう。ゾンビ物語じゃなくてよかった。」
…グラウンドの中心…居ました。
椅子に座ってる。人という名の椅子に。
《待ちわびたゾ。》
「いや、アポ取ってないじゃん。勝手に待ったのお前だから。」
《人間共を一人残さず私の下僕にシて、餓死させてやる。》
「雑な将来展望ですね。」
「勇者。」
「ああ。守ってくれ。」
ギュ。
「守護する。」
《お前ら人間の反逆を!許さヌ!!》
「…来るか。…龍虎針剣!!」
「ちょおおおおおおおっと待ったあああ!!」
ヒューーーー…ドッシーーン!!
「バカ!!バカじゃねえか!」
「お前ら2人…って、雑魚は治ったのか!?」
「勇者。永遠の愛の証。治った。」
「モモ。それ誰にも言うな。」
「とにかく治ったんだな。ヒカリは!」
「ヒカリさんは休ませてる。疲れてるみたいだったし。」
「そうか…魔法使えるやつが居ねえと…合図が撃てねえ。」
「合図?」
「魔王発見時に集合かけるためのな。」
《…やれ。下僕共。》
ーザワザワ
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ…
「うわ!」
100人は軽く超える人間が束になって走ってくる恐怖分かる?
「魔王が優先だ!今は仕方ねえっ!」
((ビッグ・インパクト))
ドカアアアアアン!!
そう、これはボウリング。
先頭を吹き飛ばして後ろも弾き飛ばす…
「いや、人間ボウリングって…あ?電話すりゃあいいじゃん!」
「おらあっ!集合に使う魔法は!専用魔法でその場に瞬間移動出来んだよっ!だあっ!お前も戦えっ!」
「待て!知らせる分には悪くないって!ナナミさんに電話する!」
「ちっ!早くしろ!」
(())ヘイト・ショット(())
ビュン
「んな魔法弾!」
バシィン!!
「……ぐぅ!」
「バカ!…もしもし!ナナミさん!今スポーツセンターに居る!魔王と!沢山の人が洗脳されて!速く来て!」
ピッ。
「モモ!自分のこと守れ!行ってくる!」
「分かった。」
「バカ!大丈夫か!」
「くそ…どうにもやる気が出ねえ…」
「精神系の魔法…直接の魔法弾なら効かないんじゃねえのか!?」
《ハハハハハ!オロカな勇者共が!勇者の特性を知って無効な攻撃をするはずなかろう!》
(())ヘイト・ショット(())
ビュン!ビュン!
「バカ!避けるぞ!右に飛べ!」
「…くっ…」
((ストロング・フィスト))
「飛べってのっ!」
ドカッ!
「つっ…!」
ズザザザ…
「守る。」
ビシュン!
「あぶね…ありがとうな。バカを守ってくれ。」
「分かった。」
《人間共おおお!その勇者を引き裂き喰いちぎれええ!》
ダダダダダダダダダダダダダダダ…
老若男女が全速力で突っ込んでくる…!
てか先頭に出てきたババア足速いなおい!
「…バカみたいに人間ボウリングするしか。そのまま一気に。」
((ビッグ・インパクト))
ドカァァァァァン!
「やべっ…加減が!ババア!し、死ぬなよ…?あ、平気そう。」
「ふぅぅ…」
ヒュン…
(龍虎針剣…!影斬り!!)
スッ…
《無駄だ。主を守れ。》
ザッザッ…
(バーローじゃねえか!人間を壁に!!)
(なら全員蹴り飛ばして…)
ヒュッ…ダン!ダン!
《速いだけカ?》
(())ヘイト・ショット(())
ヒュッ…
(あぶねっ!)
ヒュッ…バシュン!!
《弱いナ。》
(())ヘイト・サークル))
(魔法陣…!くそ!これホーミングしてくる!?)
《ハハハハハ!どこまでも逃げるがいい!どんなに速くとも私の魔法は必ずお前を捕らえる!!》
(…くそ!逃げてる間にまた人間を壁に…!ジリ貧だ…!)
「…派手にぶっ飛びな…っ!」
((ギガ・インパクト))
ドゴオオオオオオオオン!!
「バカ!お前!」
「早く突っ込め…俺は少し休む。」
「ふぅぅ…」
ヒュン…
輝石…!!
(この世を救う…英雄に!!!)
(交わり吠えろ!龍虎宝剣!)
バカが壁を吹っ飛ばした今!魔王を殺す!!
(退魔斬!!!)
スッ………ピタッ!!!
「なっ……」
《ハハハハハ!オロカだ!実に愚かダ!さぁ!そのまま人間の首を刎ねるがイイ!!》
「飛び込んで斬る寸前まで魔王が居たのに…当たる寸前で人間に…」
(())ヘイト・ショット(())
ビュン!
やべ!さっきの魔法陣と魔法弾が…
「勇者!」
…これは無理。




