Xデー part2
あれ?ついに俺、頭が逝ってしまったかもしれない。
ゲームやってて爆発音が妙にリアルに感じたというか、軽く振動も感じたというか…
「ナギちゃーんっ!!外で騒ぎよ!心配だから降りて来なさーい」
…えええええええ!!本物かよ!本っっ物かよ!
タイミングよくね?え?
え?え?え?え?あ、うるさい?笑
「うわぁー。これはひどい。」
庭からは…あぁマジだ、煙見えますねー。最寄り駅の方だわ。
「最近物騒だものねーアレかしら、テロかしら。…ナギちゃん、お兄ちゃんとパパがまだよね、駅まで迎えに行けないかしら。」
「え…爆発って駅の方じゃ」
「お兄ちゃんとパパがまだよね、駅まで迎えに行けないかしら。」
「だから、爆発は駅の方だしまだあぶな…」
「お兄ちゃんとパパがまだよね、駅まで迎えに行けないかしら。」
「…は?」
どうだろう、マインドボイスを通じてアナタも一緒に考えてくれないか。
家族が心配でこれしか言えないのか?
どうしても俺に野次馬してほしいのか?
まさか…無能な息子よ死んでこい。とでも?
「お兄ちゃんとパパがまだよね、駅まで」
「分かった!分かったから!」
「……気をつけてね。」
おかしいなー。お母さん、気持ち目が死んでなーい?
若干無表情にも見えるような。
相当心配なんだろうな、こんなダメ息子な俺ですら可愛がってくれてるし。
2人にメールして駅に行きますか。
はい、とうちゃー……くっさ。
煙いわー副流煙だわーこんだけ吹かすとかどんなヘビースモーカーだよ。
という感想をマインドボイスに留めて無事到着しました。
分かりきってたけどさ、交通止まるよね。
お父さんはともかく兄貴はもうそろいつもは帰宅の時間だし、駅に来たのは間違いじゃないけど…
駅の真ん前の広場、アニメで見るようなクレーター的な?
地面が抉れてます。
噴水あったんだけどねwww
跡形もなく消し飛んでるわ。
そして煙、煙、煙。
そして何人かの人。そりゃあ気になるよね。
皆が広場だった所を煙に邪魔されつつ伺ってる。
現場は以上です、スタジオにお返しします。
とか余裕ぶっこいてられないんだけどね。
瓦礫とか飛び散っててマジで危ないわ。
こんなの生で見ると思わなかった。
でもスマホで撮影は…なんか違うよな、こういう時って。
よし、インタビューいってみようか。
「すみません、あの…ケガ人とかいないんですか?」
「あ、あ、あ、こんなことって…」
「あの!すみません!ケガ人とか救助の方って!」
「あ、あ、あ、こんなことって…」
うん、別の人に聞こう。
「あの!爆発でケガ人とか出てませんか?」
「信じられないよ…全部、信じられない…」
「何があったんですか?見てたんですか?」
「信じられないよ…全部、信じられない…」
なんだよ、いや、まぁね非現実的な場面だし俺もほんの少しだけ気のせいレベルでビビってるけどさ、もう少しあるじゃん。
なんで同じこと繰り返すんだよwwwこえーよww
「……は?」
あー、気づいたね、俺、気づいたったよ!
アレだわ、ほらRPGにありがちな
"同じセリフしか喋らない"
だよな。だよなーーー。
ここはなんでも揃うドンキの村だよ!みたいなやつだよな。
《ウウゥ…ヴァァァァッ!!!》
「うぇっ!なす!?」
…えええええええっ!煙の中からなんかヤベェの聞こえたけど!?
有名な漫画みたく、オイイイイイ!みたいな反応しちゃうけど!?
あ、なすはアレだよ声に出ただけで関係ないからね。
って…うっわ、マジか、アニメで見たそれだわ。
煙の中にムクっと起き上がる影。
明らかに人外なそれ。
これ…夢見てる?
なに、俺睡眠中?夢オチ?
今んとこ痛覚あるね、問題なく現実だわ。
だとしたら…
「やばくね…これ、死ぬだろ…」
少なくとも序盤に出てくるようなアレじゃないよね。
ぷにぷにの青いアレじゃないよね。
なんつーの、狼男的な姿勢の悪さで…
「…溶けてんのか…?うわ、キモい…」
あー、はい。悪いお知らせ。
全部見えたわ、間違いなく見えたわ。
俺なら超閲覧注意とかじゃ済まさないね。
閲覧禁止だわ。
蓮コラかな?これ。
ぐっちょぐちょの粘土with蓮コラ。
全身ね。
なんなの、これどの部類に入るの?
うわーキモいキモいキモいキモいマジでキモい無理ー無理ー!
は?いやいや…腕的な部位から明らかに刃物的な爪が!爪…だよな?
間違いなく化け物だわ、討伐されるべき存在なやつだわ。
《ヴァァ…テュン?》
なにその鳴き声ーキモいわー…
ってか離れた方がよくね?ビビって動かなかったけど、今更ながらアレヤベェだr
「俺ぉぃしくねぇよおおおおおおおああああ!!!」
うん、あのー、うん。
一応見たまんまを説明するわ!
クイッ、
スッ、
バァァァァ!!!
だわ!
多分、こっち向いて
一瞬で目の前に移動
ゼロ距離で両手上げて脅かすお決まりなポージング!
まさにこれ!
This is it!!!
ついでに悪いお知らせ。
異世界に憧れる私、夏野 凪。
この瞬間、死にます。
いいぞ、いいぞ!賞賛レベルでやりたい事が空回りしてる!笑