寝る子は育つ part2
《逃げ回るのがスイを倒す策カ?なんて愚かダ!》
あぁーーーー!!
ねえ知ってる?
人が睡眠時に見た夢って100%全部覚えてられないんだぜ?
あと、夢で意識が目覚めた時にエロいこと企むと間違いなく途中で目が覚めるんだぜ?
実体験だ!覚えとけ!
「もう!もう!どうやって倒したんだよおおお!」
「魔法剣!魔法剣!魔法剣!」
《勇者よ、スイは飽きた。もう終わりにすル》
マインドボイスで惑わすのは普通に失敗したし…
魔王だから魔力切れとかないだろうし…
「あぶ!な!ひぃっ!?」
(())ウォーター・ショット(())
(())ディープ・エンド(())
強烈な水鉄砲…回避に専念させて
水の竜巻で仕留める…
竜巻は斬ってもすぐ元に戻るから…
「ダメだ!読まれたらまた裏をかかれる!」
…アイツ気づいてないんだな!俺の仕掛けた罠に!
ただ逃げ回ってただけだと思うのかよwww
魔王ちょっろいわー!
《…ほう、仕掛けてくるカ?》
ニッコリ
「……!あれ?」
バシュン!
「おおう!?」
バシュン!
「緊急回避ー!!!?」
「竜巻は…魔法剣!」
ズパァァン
「そういえ…ば!っいえす!っなす!魔物と戦闘してる時は見えない壁がっ!あぶね!」
《…仕掛けてこないなら…これで終わりダ…》
《A&hjm6qra8ogj☆khg2jem…》
「何言ってんの……?でも、魔法が止まった!…アレはなんかマズイな…」
ヒカリさんは魔法使ったとはいえどういう原理で逃げれたんだ?
魔法ならあの見えない壁が通れるのか?
「勝つ方法を忘れたなら逃げるしか…こういう時って都合の良い展開がお約束だろぉ!!」
《ギャァァァヴッ!!》
「くそっ!魔王の溜め中はあの巨人か!」
効果は分からないけど魔王のアレは当たったら絶対死ぬ!
でもさっきの死に戻り的なアレが本当なら俺はアイツを殺せるんだよ…なんで大事なとこ忘れんだ…
「巨人もしつこい!!再生系やっぱり嫌い!大っ嫌い!」
ゴリ押し一筋!火力ぶっぱ!特殊な勝利条件タイプは大体がめんどくさいんだよ!
「っと!…っっだっ!?」
ゴンッ!!!
「え!壁か!じゃあここが端っこ!?」
うわーーーーー!
左手を見えない壁に触れながらどこまでも走れるー!
…円形ではない…四角なのか?
《ギャァァァ》
「前転回避ーー!」
ドッバァ!
「おおおう!?巨人のパンチを見えない壁が弾いた!?」
敵も味方も逃がさねえのか…とりあえず攻撃して壊せるわけじゃない…
《L3jrtel55k2⚫r2i4m▽jjnr…》
「ヤバいヤバい詠唱がはや…くっ!なって!き…っぐぁっ!!」
巨人のパンチ…き、効くわァ…
「魔法剣!」
ゴリ押し…!ゴリ押し!
「ストロング・フィストおおお!!」
「…出ねえ!本番でこれは恥ずかしいっ!」
《ギャァァァァァァヴ!!》
「オラオラオラオラぁ!」
ズパァ!ズパァ!ズパァ!
《ギャ!》
ズズズズ…
「…魔力が集中してんのか…再生がかなりおせぇ!」
「魔法剣!!!」
骨折でも脱臼でもなんでもいい!
ありったけの力で魔法剣を魔王に当て…
(())ウォーター・アビス(())
「…やっば…!」
…水…水分が敵になった…感じ
身体がピリピリする…
「あぁっ!!動けね…ぇ…」
《もう終わりダ。動けぬまますぐに死ぬ。この魔導を味わえることを誇りに思エ》
…死ぬ。死ぬ。これは死ぬ。
あぁ動かねぇ!痛すぎて体を動かすって脳の命令が通らねぇ。
…どうやって死ぬんだ…俺…
死ぬ…死ぬ?
………………。
ブチッブチッ…
「いや、いやああああああああああ!!!」
「っ!!ヒカリーーー!!!」
……………。
「…うわぁ……ヒカリぃ…っ!そんな…」
「……!…!…!」
《無様だな勇者…スイの勝ちー!勇者負けーこのあと死ぬー!》
…………。
「あ…。」
泣いちゃダメだ。
泣いちゃダメだ。
泣いちゃダメだダメだダメだダメだダメだ
「…ぃ…っ…ぇ…」
まともに喋れもしない…
涙が流れて、目が焼けるように痛い
なんで忘れてた?
あんなこと!
ゲームのしょうもない出来事は何も忘れやしないのに
なんで!
《勇者…もう話すことも出来ぬか…実に……》
《…楽しいナ!!》
ニッコリ
ああああああああああ!!
っああああああああああ!!
憎い!憎い!憎い!憎い!
「…………」
「……………!」
「余裕ぶってんじゃねぇぞ…!!!」
「ニコニコ笑いやがって…!!」
《最後の悪足掻きとしては評価してやろう…好きなだけ吠えろ負ケ犬》
思い出したぞ…全部!
「間違いなく、ぶっ殺してやる!!」
「慈悲なんて求めるんじゃねぇぞ…食い散らかしてやる…」
《勇者なだけあって吠え方も面白いナ》
…魔法剣…!頼む…!
「………妖…刀!!!」
…少しだけ暖かい風を感じた。
…血の…良い匂いだ…
「…待たせたな」
《立ち上がるカ…スイはお前を侮っていた。今、正しく葬ってやル》
(())ディープ・エンド(())
ゴォォォォォォ…
「こいつが俺の…」
こいつが俺の… 〇解だ!!
…最初に主人公があれやった頃が好きです。