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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その9、2周目は強くてコンティニュー
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答えを知る者





レベルや能力を引き継いで、すぐに装備も整えた俺がこんな序盤に負ける要素って皆無だな。




「くそ…」


「なんだよ。手加減はしたぞ?ちゃんと素手でやり合ったしある意味フェアだろ?」



ストロング・フィストはガントレット装備だけどまあ…うん。



「お前一体何者なんだ…」


「それなー。本当困る質問。あ、待て待て!いいのあるわ!」



「通りすがりのかめn」


「バガ様!」


「ふぁいっ"!?」


「ヒカリか…!」



そうだった!

ヒカリさんはバカと共闘してたんだっけか!


これは考えてなかった…!



「あなた…!」


「ど、どうも…」


「ヒカリ…逃げろ…こいつは強すぎる…!!」


「いやいや、お前が突っ込んで来たんだろ!過剰だけど正当防衛みたいなもんだよ。」


「…そうね…話を聞かせてくれるかしら。」



「あ、それはちょっと…急ぐんで。」


((フレイム・ソード))


「やる気かよ!待って!マジで!」


「なら全てを知る者として全部話してくれる?」


「うーん無理。」


((フレイム・アロー))


「マジか…!」



戦いたくないのは、理由がある。


俺だけ終盤の強さだから加減が出来ない。


ゲームでも、レベル上がりきったキャラクターでザコ敵を毎ターン強制攻撃のアクセサリ装備して数ターン存命させるミッションとかあると困るだろ?


そんな無理矢理な設定無いだと?

俺は経験したの!!



とりあえず攻撃を回避。


魔力切れを待つか…




……………………………………。






「エル!やったよ!俺!!」


「スライム相手に血まみれだけど…うん、よくやった。」


「これで俺も1人前のゆうs」


「それはない。」


「ぶー。」


「しばらくレベル上げ手伝ってやるよ。な。」


「うん!出来れば目にキツくないルックスの魔物がいいな…」


「うーーん…中央だとそれは難しいかも。」


「なんか俺の未来真っ暗だな。」


「とりあえず腹減った。ハンバーガー食おうぜ。」


「いいよ。エルの奢りで。」


「は?普通に自分の分は」


「手ぶらだもの。」


「………。」


「手ぶらだもの。」


「分かったよ!」


「よっし!じゃあソルジャーバーガー食べたいな!魔王に挑戦キャンペーンやってるし。」


「それただの大食い企画だろ?ミスったら罰金だぞ?」


「もちろんエルの奢りで。」


「本気か?」


「勝負しようぜ?」


「2人分の罰金…寒気がしてきた。」


…………………………………………。




「はぁ…攻撃が1度も当たらないわ…どうして!」


「避けてるから。」


「ヒカリ、もう逃げろ!俺が時間を稼ぐ!」


「あのさ!お前ら1回ストップ!止まれ!落ち着け!」


………シーン…。


「なんだよ。静かに出来るじゃん。お前らが落ち着くまでに17秒かかりました。悪くないです。」


「……ちっ。」


「バカは俺を勘違いしてる。ヒカリさんのストーカーじゃねえし、お前ら殺したりしないから。ヒカリさんは察しろ。実力差あってでも諦めず戦うのは魔物とか魔王を相手にした時だけにして。」


「…私はあなたが何者か知りたいの。」


「俺もそうだよ?とにかく、俺は俺で自分の為に皆の為にやる事がある。その時が来れば俺の好きな下着の色から性癖まで何でも話してやるよ。」


「範囲が狭いわ…。」


「いいか!覚えとけ!敵意は無いっ!むしろ協力し合える関係になりたい。今は素性を明かせない。あと!……」


「あと?…何かしら。」



「俺の事は嫌いになっても、俺と同じ顔したアイツの事は…嫌いにならないでくれ。」



「あぁ?」


「バカ、お前は初対面になるはずだ。相手はお前みたいにタフな体じゃないから加減してくれ。頼むぞ。」


「何言ってやがる。」


「いいの。…分かったわ。」


「それから!俺の存在は内緒だ。今のとこ。な。」


「ええ。」



なんか引っかかる気がするけど、ヒカリさんが分かってくれたみたいで助かる。



「じゃあ俺は行くよ。またな。」




「…行かせんのか?」


「後から尾行するわ。」


「消えたぞ!?」


「え?…そうよね。動きが見えないほど速いのよね…。」





いや、尾行と聞いて急いだだけです。


…………………。




N字にしないでU字にエリア回ればよかった…!



「あー…さすがにちょっとめんどくさい。」


RPGにありがちなおつかいイベントじゃないけど、ただ走り回るだけの移動って楽しくないよな。




「東のギルドは覚えてる。ジミー元気かなー。」



この建物だ。

どう見てもギルドがあるとは思えない。


「何階だったっけな…」



「おら!立てよ!貧弱!」


「お前みたいなのより俺達のがよっぽどじゃね!?」


「それな!はい次全員で蹴りまくりゲームでーす!」


「「「ギャハハハハハ!」」」



近くの駐車場の辺り。


前を通りすぎる人がチラッと見て歩くスピードを上げる。


助けよう。



「おぅらっ!ヘッドショッ」


ドッ!


「があああああ!!!!」



しまった。加減出来なくて足を折ってしまった。



「てめええ!俺達が誰か分かってんのか!」


「知らねえよチンピラ。いや、いじめっ子。いや…浮かばない。」


「おい!やっちまえ!足を折られた!」


地面に横たわる男、膝が前に折れたのに…いや、まさかな。



「土下座しても許さねえからな!」


((ヒット・アップ))


「なにそれ。」


「お前が知るわけねえだろ。」


((ヒット・アップ))



残りの2人がそれぞれ知らない魔法を詠唱した。


魔法…だよな?


まさか役割持ちのイジメを目撃するなんて。


ボコボコにされてた人はうずくまって身を守ってる。



「ふぅ。最初に言っておく。」


「ああ!?」


「俺、かーなーり」


((ヒット・スマッシュ))


「喋らせろや!!」


ドゴッ!


「ぐぉ…」



殴られた後に吐いちゃうのは分かるけど、殴った瞬間吐くのは初めてみた。

うん、悪党成敗とはいえやり過ぎてごめんよ。

心の中でしか謝らないけどな!



「お、お前…化け物か!」


「役割持ちが寄って集って1人の人間に暴力の方が化け物だろ。というか事案だろこれ。」


「や、やめてくれ…話せば分かる!」


「土下座する?ちゃーんと謝る?」


「ああ!何でもする!」


「だそうです。どうする?いじめられっ子。」


「……え?」


「…………え?ジミー!?」


「僕のこと、知ってるの…?」


「お前、勇者だろ?」


「こんな弱っちいヤツが勇者なんてありえねえ!もっと強い人間がなるべきだろ!だから」


「だからなんだよ。」


「ひっ…」


「俺だって最初は無力な人間だった。でもどうだ?俺はこれでもかなり手加減してるつもりだ。武器を使えば光の速さでお前らをみじん切りに出来る。」


「………。」


「世の中で不公平な事があっても誰かを責めちゃダメだろ。自分が強くなればいい。そんなの屁とも思わないくらいに。」


「………。」


「俺達は今、平和を生きてる。"最強"と呼ばれる役割持ちが守ってくれた未来だ。」



「今回は見逃す。もう一度踏みにじったら…」



「…君の名前は?」


「…え、ちょっと、今?」


「ごめん。でも、トモヤさんもう…」


トモヤ…らしきいじめっ子の生き残りはズボンを濡らしてた。


仕方ない。



「ジミー、立てるか?ギルドに行こう。」


「うん。」



………。



「ジミー、まだ痛いよな…」


「でも…日常茶飯事だから…」


「ジミーさんが悪いんですよ。にょろにょろっとしてるから…」


「うん、それはなよなよしてるって言いたいんだよな?それとも本当に…にょろ的要素があるの?」


「ごめん…僕強くないし…」


「武器も持ってないんですよー。」


「…トモミさん、図々しいけどお茶とか要求していい?」


「あ!そうですよね!今用意しまーす!シェイクでいいですかー?」


「うん。ありがと。」


「いいえー!」


バタン。


「トモミさんの名前も知ってるの?」


「まあな。」


「僕のことは?」


「名前と…でも、出会う前のお前がこんな苦労してるとは思わなかった。」


「君の知ってる僕はどんな人?」


「すげえとしか言えない。強いし、皆の為に戦うまさに勇者だ。…酷い目にあったからか肉体派な戦い方はしないけど、頭の良さとか活かしてて本当にすげえやつ。」


「そうなんだ…」


「あ、名前だよな…ナギって呼んでくれ。」


「ナギ…さっきはありがとう。」


「いや、下手なことして悪い。もしかしたら自分で乗り越えられる問題だったかもしれないのに。」


「死んでたかもしれないし。」


「そんなこと言うなよ。」


「あの…」


「ん?」


「トモミさんのシェイクなんだけど…」


バターン!


「お待たせしましたーー!ミーの特製シェイク!青春は桃色味でーす!」


「…何味?」


「青春は桃色味!です!」


「そう…いただきまー」


「ナギ!」



ストローで勢いよく吸い上げた。


口に広がる冷たくて滑らかなそれは…


「クソまずい!!」


「えええええ!!そんなはずないですよ!青春時代何してたんですかー!?」


「俺はまさに年頃だよ!こんな味しねえよ!何混ぜたらこんなに…」


「子供の成長には"牛乳"、努力の汗は"塩"、大人への階段"コーヒー"、食べ盛りな…」


「もういい。材料の決め方がもう…」


「改良版なのにー!」


「ナギはどこのエリアの人?」


「ん?あー…本来は中央。」


「本来?」


「訳ありでな。」


「なら」


「それは出来ない。ごめんな。」


「そっか。」


「でも、友達になろう。いっぱい顔出すから…あとこれ連絡先な。」


「ありがとう!」


「ジミーさんに"友達"、出来ましたね。本物の。」


「…うん。」


「どんだけだよ。ジミー。勉強得意?」


「まあまあかな。」


「魔道具とか魔装備とか作ってみろよ。お前なりのやり方で最強になろうぜ。」


「うん!」


「じゃあミーも不評なシェイクを最強なシェイクに!」


「最強なシェイクとかどうせあれだろ?強いイメージの動物のエキスとか肉とか混ぜる気だろ。」


「何が間違いなんですか?」


「……マジか。」





ジミーはいじめられっ子だった。


しかも役割持ちにいじめられるとか普通のいじめより悪質。

死ななかったのが奇跡というか…俺が助けなかったら本当に…


ジミーを元気にして、ようやく東南エリアへ向かう。



「……………あ、ヒカリさん!?」


本当に尾行されてたのか!?


少し遠くでキョロキョロしてる。



「えー…方向的にそっち行きたいのに…困ったなぁ。」


納得したふりして尾行作戦を本当に実行しちゃうのか。


尾行目的とはいえこんなとこまで来るのか…



《チョァッ!!》


魔物!…なんだあれ!

…てかパラレルってから見たことない魔物ばっかだな!


中央エリアは序盤は弱い魔物しかいなかった。

あんなの弱い部類に入らないよな…見た目は鳥人間だけど。


鳥の体に人の腕が生えてる感じな。


あくまでも表現出来る中で近いイメージの話な!



「助けなきゃ!」



((ボルケーノ・アロー))


ズバァァッ!!


《チョッチョァァァァッ!!》




「………………………は?」









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