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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その8、突然慌ただしくなったら後半
154/487

ファイナルバトル





あのさ、これだけは言わせて。



ワープ先が"水中"だった場合。


必死に水面に向かって泳ぎましょう。


死にます。




「…………あ"ぁ"っ!10リットルは飲んだ。」


「ナギ、盛りすぎ。1リットルくらいじゃない?」


「っは。馬鹿かお前ら。」



実際水をがぶ飲みしてしまったのは俺とジミーだけ。



そうだよね。レベル高めな雨漏りしてるねーって話してたしね。



「ここは東エリアだよな…」




未来予知的な夢では砂漠化した東京だったのに。

到達した現実はどういうわけか大洪水というか…


「日本は沈んでしまうのかしら。」


「フン。救いようがない国だな。」


意味違うよねそれ。


「どうしますか?水の流れも強いです…」



どうにか上がったのは陸じゃない。


ボキッと折れてフロアが丸見えのビルの一部屋。

多分オフィスだな。パソコンが数台見えただけなんだけどさ。


「なんか…出来ないの?魔法で水を一気に蒸発させたり…無くしたり?」


「この量は蒸発なんて無理よ…無くす…これは魔法によって生み出されたのかしら。」


「…飲んだ感じだと普通に水だったよ?綺麗な水ではないから明日はお腹壊しそう…」


「明日が来ればだけどな…」


ジミーの小ボケは冗談じゃすまない。



「船はどうだ。」


「この問題は水属性の魔法を得意とする人じゃないと難しいわ…」


「ヒカリさんにはお手上げか…」


今思うと水系な雰囲気のキャラって1人も出てないよなー。

人魚とかいないの?


「………ちょっと。」


「ジミー、今お腹壊すのやめてマジで。」


「それは我慢しても無理じゃないかな。そうじゃなくて。」


((ジュエル・リリース))



ガラガラガラガラ…!!



「うわ!なんだよこんなにゴ…ガ…色々出して!」


「ゴミでもガラクタでもないよ!僕に感謝してもらうから。」



魔道具…そうか!都合の良いアイテムがあるのか!



「フォーカス・アイ」


「ヒカリさん、雷魔法使える?ちょろっとでいいんだけど。あと火魔法もかなり弱めで。」


「いいわ。」


バチ…ボッ。


ボッ……カンカンカン…



「え?無いの?まさか今作りますとか言う?」


「皆は靴だよね?ヒールとか下駄は?」


「…いない。」


「私は何にでも変えられるわ。」


「ヒカリさんの衣装も魔法で?綺麗ですね。」


「褒めてくれる人少ないから嬉しいです。」

チラッ。


「…うん、綺麗綺麗。」


「よーし!ちょっと…ナギ。」


「お前実験台に選びやがったな!」


「…これ、本来は地形魔法対策のインソールなんだ。マグマとか、毒とか撒く魔物に対して靴を溶かされると大変だしね。ピンポイントな需要だから皆あまり注目しないんだけど、今回は大活躍してもらうことにした。こっちの、浮力効果も備えてるリストバンドを切り取ってインソールにくっ付けた。これを靴に入れれば…」


「…なんか違和感ある。ブニョってする。」


「いいよ、ナギ。足に魔力を少し集中させながら…」


「…バカ、いざとなったらライフセーバー頼む。」


「っは。お前の面倒見るのは慣れてる。任せろ。」



もはやちょっとした汚れた海に足を踏み出した。



…お?


「歩ける?お!おおお!?歩けるうう!!」


ピチャッピチャッ!


「流れの強いとこは行かないでね。穏やかな所なら水面を歩けるはずだから。」



ジミーの開発がファインプレー。


ちょっと怖いけど、水面を歩きながら大きな手足を目指す。



「ヒカリさんヒカリさん。」


「どうしたの?」


「…こんなこと、本当は聞きたくないんどけどさ、不意打ちは嫌だし聞くね。水中が得意な魔物っ」


ザパァァン!


《リャリャリャリャ!》


「ちくしょうめえええ!」


((ミクス・キャノン))



俺のフラグ回収の早さをジミーの早撃ちがカバー。


「ふぅ。」


「いるわね。」


「そうだね…ジミー、まだまだ警戒頼む。」


「そうだね…僕とヒカリさん以外は攻撃しないでね、波が激しくなると…」


今俺達の靴はありえないレベルで浮力がある。

コケてひっくり返るようなことがあれば。


「エラが生える海藻とかない?」


「ナギ、映画見すぎ。」



………………………………。




「なあ、手と足が動くからこれ以上は無理じゃね?」


「そうだね…」



大きな手足まであと1kmくらいかな。


ザッパザッパ言ってるから危険。


しかも陸扱い出来る高層ビルとかが見当たらない。


凄くね?下見ると街が沈んでるんだぜ?


まさに、アトランティス!



「失われた文明だ…ロマンでしかねえ。」


「…で?どうする。」


「ジミー、お前筏とか作れねえのか?」


「…材料がね…。」


「私達の選択肢は、水中でも行動出来るようになる…空を自由に飛べるようになる…陸を作る…どれかですね。」


「全部無理だよね。うん。」


「…空をじy」


「ジミー!ストップ!多分それもうギリギリアウトだから!」


歌ってないから!決して歌ってないから!


「空を飛ぶ方法があるのか。」


「作れる…かも?」


「かもって…」


「まず作業する場所が無いから…」


「なんだよ、ここまで来て戻るの?なんか…マジで?」


「………ナギ君。」


「なに?」


「あれ見て…」



下には沈められた文明…いや、街が…ん?


「処分セール…まあ今年暑い日がずーっと続いてたもんな。」


水着とかプールで使うような遊具がプリントされた看板が見えた。


「…待っててくれる?」


「へ?」


((クリーナー・ビビ))


ボフン!


《きゅー!》


「なっ!魔物か!」


「落ち着けタロウ!味方だ!ペット的な!」


「そんなことも…ヒカリさんってすごいですね。」


「ビビ。私を下まで連れていってほしいの。」


《きゅ!》


「大丈夫なの?」


「ビビは水が得意なの。それに…」


ヒカリさんがビビを手に乗せたまま少し水に漬ける。


《きゅぅぅぅぅーーー!!!》


ブクブク…


「少し膨らんだか?」


「頑張ってー。可愛い魔物って初めて見たよ僕。」


…ブゥ〜〜


「こんなことまで…ビビ万能説…!」


大きくなったと思ったらヒカリさんを包み込んだ。


「それじゃあ行ってくるわ。」


待て、ビビが分身して皆を包めばワンチャンあるよちょっとまっ…


ザブーン…


「口に出す前に行ってしまった…!」



「ざっと見た感じ…あの建物まで20…30mは潜るよね、息とか大丈夫なのかな。」


「やめて怖いやだやだ。」



ズッ…



「おいおいおいおい!おいおい!」


「どうした!」


「タロウ…いや、ジミーお前下見ろ!」



全員が下を見た。



沈められた…いや、どうでもいい。



「…うわぁ。」


「なんて大きいの…」


「…嘘だろうが!」


「……魔物なのか?これが…!」



生でジンベイザメとか見たことないけど、それらを軽く超えてきたビッグサイズな何かが泳いでいく。



「クジラかなこれ。クジラかなーこれ。」


「これだけ水面が高ければありえると思います。」


「ナギ、現実見よう。あれの後ろ…」



そいつのすぐ近く…本物の映画クラスのサメが泳いでる。


魔物がすぐに襲って…瞬殺。


「し、シュンコロ…。」


「なにシュンコロって。」



「ちょっ…ヒカリさん行かせたの間違いじゃない!?」

「待つ。大丈夫。」


得体の知れない大きな何かって怖い。




その時、奥深くで何かが光った。



……うお!上がってきた!


「きたきたきたきたぁー!早く!」


サメ映画で泳いで逃げる人に思う気持ち。

あんなデカい魔物に目をつけられたらパクッと丸飲みだからな。



ザバァァン!



「…はぁ…はぁ…ナギ君、抱っこして。」


「え!?」


「立てないの。抱っこして。」



………。



バカに手伝ってもらってヒカリさんをお姫様抱っこすることになった。


………濡れた衣装…いや、今それどころじゃない。


衣装から伸びるロープを引き上げると、大量の浮き輪とか膨らませる小さいボートとかが浮かび上がって出てきた。


「ちゃんとしたボートは無くて…」


「ヒカリさんありがとう。浮き輪にボート…作業台に出来る!作るれよ!」


「じゃあバカが膨らまして。」



ラスボス目の前にして何してんだ、とは俺も思うよ?でもこれやらないと戦闘も何もないからね?



「よーし…バガとタロウとシラユキさん、手を出して…これ持ってて。」


ジミーが開発を再開。


「激レアな魔装備なんだこれ。でも…一人分にしかならない。」


「え!ヒカリさんこんな頑張ったのに?」


「だって…今まで羽が生える魔法なんて聞いたことないでしょ?」


「…確かに。」


「…よし。誰が装備する?」


ジミーが作ったのは…


「首輪?」


「一番邪魔しないよ。本当はランドセルみたいなの背負う必要があるんだから。」


「タロウさんかバガさんに。」


「シラユキさん、その考えは?」


「もしくはジミーさんでも。私とヒカリさん、その気になればこの環境に対応出来ますから。」


「…は?」


「風神扇。」


バヒュッ!


「「うおおお…」」


強風に揺れる。


「私は扇を足場に空を。ヒカリさんにも出来るのではないですか?」


「……。」


「出来る沈黙だなこれ。」


「ありがとうナギ君。抱っこ嬉しかったわ。」


「ヒューヒュー。ヒカリさんも飛んでみて。」


「ジミー!冷めたリアクションやめろ!ぶん殴っ」


「我が願いを!空を燃やす美しき翼を!」


((フェニックス))


「ナギ君、私を投げて。」


「え?お、おう!」


絶対燃やされると気づいてなるべく高く投げた。



翼が生えた。虹色の炎で出来てる。



「ふつくしい…!!」


「ナギも飛ぶ?」


「いいえ、ナギさんの戦闘は空を飛んでは活かされません。」


「あぁ…でも陸無いとどっちみちオワコンだよね俺とバカって。」


近接戦闘はキツイ。


「じゃあ僕かタロウかな。」


「ジミーが飛べ。」


「じゃあ遠慮なく。」


ヴィィン!


「おいおいどこのSFアニメだこれ!」


「カッコイイでしょー!」


レーザーで出来たウイングって感じ?

ロボットに付いてそう。



「3人飛んだけど…俺達は?」


「僕、考えがあるんだけど…」


「何?」



………………………。




「こええええええええ!いやああああ!」



ヒカリさんがモモと俺を、ジミーがタロウを、シラユキさんがバカを。


それぞれ掴んで空を移動。


ジミーの答えは



「あの手足、タロウとナギで思いっきり大きい傷作ったら足場に出来るよね。」



だ。



最低な考え。




「よーし!ナギ!タロウ!準備ー!」



「ふぅぅぅ…」


もう戦いが始まる。


最後の。


最後の!


ズブッ…!!



「がはっ…」


「ナギ君!」


「これが…コストだかっゴホッゴホッ!」


いつもより深く刺してしまった。

マジで自殺してるこれ。


でもあっという間に血を与えたっぽい。


「ブラッドユニゾン。」


……ギュウウウウウウ!


続けて輝石も発動。



「ブレイブブレードよ…私と共にあれ。」



「この世を救う…英雄に!!」



「いっけえええ!」





「ダークスラッシュ!!」

「ブレイブスラッシュ!!」



数メートル先の大きな足に向かって思いっきり剣を振った。


もちろん、ここで縦切りなんて馬鹿な真似はしない。


…タロウさん?



「しまった!横か!」


「お前しっかり者キャラだろうが!」



ブシャァァァァァァァァァ!!



黒い液体と…骨…この足にとっては小骨がわんさか溢れて落ちていく。


「もう一度だ!」



「ダークスラッシュ!」


「ブレイブ…スラッシュ!!」


ズバァァァァァァァァァァン!!



足首をスパッと斬るには直径1kmぐらい必要な斬撃。


タロウがやってみせた。


てかマジでブレイブブレードって最強の剣じゃね?



「よし!バガ!あとは上の邪魔なとこ殴って!」


「っは!俺の出番か!」


((メタル・フィスト))


「投げろ!シラユキ!」


「はいっ!」


((ギガ・



空中静止…5秒くらい。なげえよ!



((ギガ・インパクト))


ドゴオオオオオオオオオオオオン!!



大きな大きな手足4本のうち、足を1本斬った。


そしてむき出しになった血肉を足場に…



グチャ。


「くそ…飛行組のがいいなこれ。」


「っは。足が着く喜びを噛み締めろ。」


「そうだな。私が斬った。」


「最低だお前ら。最低だ!」



「神扇!!」


ビュワァァァァァッ!!


…ドオオオオオオン!!



…なに?



《反応の優れた人間がいるようだ。》



「皆さん、油断しないように。」


シラユキさんが反応しなかったら被弾してた。



「というか!これ巨人がボスだって誰でも思うだろ!おまっ…」


この手足に比べれば明らかにちっちゃい。


でも2メートルはあるかな?

宝飾が眩しい黒いローブ。

下は黒い鎧。

上は裸。グレー気味な白い肌。


顔が…


「ねー。なんで魔王なのにルックスにステータス振ってるの?」


「ジミーが俺の気持ちを代弁する日が来るとは!」



テレビで引っ張りだこな若い俳優とは格が違う。

顔だけで何億でも稼げると思う。ハリウッドスターな感じ。



《お前達は何をしに来た。》


「…脱線したけど!んなもん決まってるだろ!」



「殺しに来たわ!エンドラ!」


((ブレイズ・テンペスト))


ゴオオオオオオオオオッ!


空は明るくなった。

虹色の空だよー!気温も上昇!死ぬかも!



((ブレイズ・キャノン))



《フン。》


(())デリート(())



…スン。



「魔法が消えた!?」


《無駄なことを。》


(())イレイズ(())


キュッ…!


速すぎホーミング魔法弾。

キラキラ輝く…白銀とか言ったらピッタリ。



((イーヴィル・シールド))



バァァァァァァァァァン!!



………………………………ヒカリさん?



「消えた?モモは!?」


「くそ!2人とも消えたぞ!どうなっている!」



《思惑とは違うが…死ねばよい。》



ヒカリさんが…!


というか待て、思惑と違う?



エンドラはヒカリさんが恨む魔王だ。

なら…存在を無かったことにする魔法か!



「皆!あの魔法弾に絶対当たるな!絶対ルールで即死だ!例外が無い!」


「なんだと!ならばヒカリは死んだのか!?」


《フハハハハ!さて…お前達は…勇者なのだな?》


「だったらどうする?ああ?」


((メタル・ボディ))


((ビースト))


「ナギ!一気に!」


「ああ!」


ありがたいことにエンドラは切り株状態の足の上にいる。


当たり前に空中に浮いてるけど。

まさか、浮いとけばカッコイイでしょ理論とか言い出さないよね?



《来るがいい。》


(())デス・ブレード(())


白銀の剣。特に特徴がない。




「リベンジ……スラッシュ!!」


「ブレイブスラッシュ!!」


((ミクス・キャノン))



「うがああああああああっ!!」


エンドラ目掛けて4人の一斉攻撃。




…キン!



「………え?」


軽いなぎ払いで防がれた。



「王扇!もう一度!」


《強い風だな…》


((ギガ・インパクト))


《つまらん。》


パシッ…ズドオオオオン!


「ブレイブスラッシュ!」


…キン!


《それが攻撃か?》


「1個目。」


((ビッグ・バン))


《魔法弾にしては特殊。しかし…》


パスン…ドバァァァァァァァン!



これを待ってた。

足場が悪くても、この速さは止められない。



ズバァァァァァァァァァァン!!



《……タクミ。》


「違うのは見て分かるだろ?」


剣を持ってた左手を切り落としたかったけど、肩に当たった。

近づいたら首に傷が見えたから少しブレた。



《ならば…子孫か。》


「あはは。…追加効果、発動。」






しまった!ワーッと書いてたらなんか中途半端に長くなってしまった!

グダグダも含むため、いつもより読むのが面倒くさいかもしれませんごめんよ!

って後書きに書いちゃう。



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