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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その8、突然慌ただしくなったら後半
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エンドラ




耳鳴りぃぃぃぃぃ!!



また地震かと思ったらキーーーーン!って聞こえてその後も耳キーーン!してる。


なんなの?ただでさえ地獄絵図なこの状況でなんなの?




「人間がちょくちょく混ざってきた!」


「魔法は使わせちゃダメよ!…その前に…」


「これあれか、襲ってきたし敵だと思ったから殺してきたけど、実は何の罪もない人間が操られてましたみたいな展開で魔王が高笑いする流れのやつか!」


グダグダと喋れるのはヒカリさんが魔法で殆ど処理してくれるから。


勇者パーティーの時はまあ苦労はそこまで無かったけど、ヒカリさんの魔法の強さが改めて分かる。


((ボルケーノ・キャノン))



「太陽キターーーー!!」


「置き土産よ。さっきの学校に戻る?それとも…」


学校には生存者がいた。

100人どころか50…40?言うほど多くはなかったんだけど。

それでも生きてる。

可能なら助けたいけど、助けに行ってみんな既に操られてたら悲しいよな…



「信じて放置…!」


主人公とかが関わりに行くから悲劇が起きるのだから理論。

あえて触れないことでフラグを回避する。


「いいの…?」


「魔物があんだけ湧いてるのに皆生きてたんだ。大丈夫だよ。先に勇者パーティーと合流しよう。」


「それって、ユーシャーズね…」


「じゃあもうユーシャーズでいいや。」



勇者パーティーが正式にユーシャーズになった。

日本よ、これが勇者だ。


ごめんなさい。




「もう少しで何か見えた所に着くよな…」



魔物の数が少ないし、死体もある。



「私達も合図を出しましょう。」


「よし、ヒカリさん頼む。」


俺、何もしてない説あるぞこれ。



((ボルケーノ・ピラー))


ドゴォォォォォォォ!!



「威力上がったよねこれ。」


「触っちゃダメよ?」


「そこまで自殺願望ないって。」


《ヴルルルル…》


《チッチッチッチッ!》


《ゴルゴズファァァァナァ!》


「おい最後のおかしいだろ!」


「魔物が寄って来たわね…」


「ダークスラッシュ!!」


ズバァァァァァァァァン!!



まとめてワンパンて気持ちいい。



「ナギ君もすごいわ。」


「まあレベルカンストしてるしね、80だけど。」



ドォォォン!



「お!近いぞ!行こう!」



…………。



メディアにピックアップされるようなパン屋さんとか、激安惣菜屋さんとか、芸能人が身バレしてでも通うグレートマッチョハンバーグとか…


東エリアには意外とグルメ系の名店が多い。


あ、全部お店がぶっ潰れてるんだけどね。




「ナギーー!」


「ジミー…皆も無事か!」


「っは。やっぱり生きてたな。」


「シラユキ様。」


「ヒカリさん…良かったわ。あなたも無事で。」


「フン。再会を喜ぶのは後だ。神社がどこも破壊されている。」


「なんだそれ!敵の妨害か!」


「違うわ。ナナミ様とルナちゃん達が侵入者を防ぐために神社を破壊しているの。ナギ君を迎えに行く時だったし、東エリアは後回しにするって言ってたわ。」


「でも東も手出されてるってことは…最悪もう本部には戻れないとかある?」


「え…休めないの…?僕、トイレは安心出来る個室がいいんだけど。」


「お前はこの際だからワイルドなやり方も覚えとけよ。…今なら外で立ちションしても犯罪とはならないだろ…」


「無理。」


女子か!と言いたいけど気持ち分かる。

トイレとベッドは聖域だよな。

ここにこだわるだけで精神安定する。




「なら、ナナミさんも近くにいるはず。俺達に気づけば合流してくれるんじゃないか?」


「っは。お頭が俺を見捨てるわけがねえ。」


「お、おう。」




…ビュワァァァァァァァ!!ドゴォォォン!…ガラガラガッシャァァン!!



「……よし、皆。合流するぞ。」


なーんでこんなに分かりやすいのだろう。




…………………。




「…おいおい。」



ルナ、フワ、ミミがいた。

3人共結構ピンチな見た目。


目から光を失いかけてる。




「ルナ!お前ら大丈夫か!」


「…にゃあぁ〜…」


「おいおい…」


倒れそうになったルナを抱き寄せた。


「フワちゃん!」


「ウサギちゃん!」


ヒカリさんとジミーも同じように…なんでジミー?


「…疲れたにゃ。」


「ナナミさんは?」


「東南エリアで敵に襲われてにゃー達を先に行かせたにゃ。」


「東エリアの残りの神社は?」


「あるにゃ…ギルドの近く…」


ここから数km。


「多分最後の1ヶ所だよな。」


「急いで戻りましょう。」


「ナナミさんのこともあるし、ラストのは破壊しないで戻ろう。ユーシャーズ全員で戦えば本部守れるだろ。」


「ナギ、ユーシャーズはもうあるよ?」


「うるせえお前が最初に言ったんだよ。」



俺とシラユキさんとバカでルナ達を支えながら移動開始。


ヒカリさんが広範囲を魔法で攻撃して、タロウとジミーが援護。



「これ、全員レベル上がりっぱなしだろうな…」


「にゃ。60になったにゃ。」


「マジかよ。」


「私達もです。」


「魔物も、人間も…なるべく戦いたくないですぅ…」



「大丈夫俺達が戦うから。本部に戻ったらガッツリ休んでいいからな。」



「あそこよ!」


「っは!お前ら…ちょっと…っしゃ!」


バカがルナ達を1人で抱えた。


「にゃ〜…ちょっとくしゃいにゃ…」


「っは!漢の匂いだ!」


「うぅっ…」


「おいバカ!この子達は嗅覚が普通の人間よりも…あ、先に行っちゃった。」


「ナギ…ナギナギナギナギナギ!」


「ジミージミージミージミージミー!どうだおら!うっせ…あ。」


西の方向からなんかヤバそうなの来てる。


空飛ぶ系の魔物の大群。

それから大きな手と…


「足も?マジで?」


「早く戻ろ!やだこれ!」


「ああ!」



カシャッ!



ちゃっかり撮影したジミー。



……………………………………………。





「…ふぅ…本部に戻ってこれ…」



なんじゃこりゃあ。



ロビーで戦闘が起きてる。


デュークさんが槍ぶん回して。


モモが誰かを守ったり高速で攻撃したり。




「………食堂のおばちゃん戦えたのかよ。」


これが衝撃映像過ぎた。


平和な人間が誰より勇ましく戦っている。


右手にフライ返し、左手にフライパン。


フライ返しはしなり、バチンと快音を出しながらの弱めの打撃で相手を牽制。

フライパンでガードをし、そのまま殴る…時にはフライパンを投げつけて敵を倒している。



「すげぇな…加勢しよ。」



ユーシャーズの加勢で侵入者達は全員撃破。


そんなに時間はかからなかった。




「皆様お戻りで。」


「デュークさん…回復は?」


「はい。大丈夫です。」


「セイラさんに回復してもらおうよ。」


「いいえ。お分かりのはず。」


「でも…」


デュークさんは1番戦ったはず。

1人で戦うならまだしも、攻撃から庇ったりしたんだろうな。

背中がズタズタ。



「私が回復させるわ。皆避難した部屋に移動しましょう。」


「っは。俺はここにいる。」


「私も残ろう。」


「見張りは必要だな。じゃあバカタロウのお2人に任せようか。うん。」


「では、私も残ります。」


「ねぇ、シラユキさん。」


「はい。」


「バカのどこがいいの?」


「……バカな所です。」

ニコッ。



理解出来ない。




避難部屋として扱われてる元試練部屋。


ここには被害が無かった。

すげぇな。


ヒカリさんや治療師が戦闘で怪我した人達の回復をしてる。

あと、遠目で初めて蘇生魔法を見た。

魔力で作られた緑色の心臓が体の中に入れられると数秒で生き返る。

どういう原理なんだろう。





「おかえりなさい。」


「セイラさん…そうだ、大事なこと聞いてもいい?」


「はい。」




「ここ、東京じゃないよね?」



「は?」



ジミーが軽い感じで聞いたことに驚いた。

本部の場所って、魔法陣によるワープのせいで特定は難しいはず。


あ、GPSとかもダメだったんだよ?

もちろん最初に来た時に試したさ。



「ナギは気づかなかった?」


「いや、でも…」



爆音とか揺れは?

この部屋で聞こえたならそれなりに近いかやっぱり都内のはず。



「…私はお答え出来ません。」


「そっかー。マスターなら教えてくれると思ったんだけどなー。」


「…回復、しますか?」


「ううん。大丈夫。命大切にね。ナギ、行こ。」




「お前、本部どこにあると思ってんの?」


「うーん。西エリアのすぐ上かな?」


「都内説は否定?」


「うん。人間が来ても魔物が来れないってことはそういうことでしょ?」


「……あ。」


「なに?」


「ジミー、本部で窓って見たことある?」


「…無いよ。僕、観察力あるし。」


「少ないんじゃなくて無いのか?どっかで見た気がするんだけど。」


「壁にディスプレイ埋め込んで外の景色を映した擬似的な窓ならあるよ。」


「………わざわざそんな事するってことは。」


「うん?」


「なぁ、本部ってさ………」



グゴゴゴゴゴゴゴ…ドゴオオオオオオオン!




「中央エリアの地下だろ。」




………………………………。





「…っは!…あはははははは!!」



「お前らあ!俺様を誰だと思ってやがる!最強の世代!海賊!雅 七海だあ!!」


((デス・キャノン))


((デス・ショット))


((デス・ナックル))


((デス・スラッシュ))


((デス・ブレイク))



「我が名に応えよ!滅びゆく国となれ!」


((アトランティス))



…ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!



ブシャァァァァァァァァ!!



ナナミを追い詰めていた人間達が突然の濁流に流された。


地面が割れ、水が吹き出している。

街には水が溢れ、勢いを強めながら魔物を人間を様々な建造物を流していく。



「…はぁ…はぁ…こいつは使いたくなかったんだがなぁ…!!」


…ザッパァァァァァァァン!!



「止められねぇんだよ…!!」



水面が上がっていく。


ナナミは疲れた体に無理をさせ、より高い建物へと移る。



「で、どうする…"ペット"のやつら、ちゃんと神社を壊したはずだ…本部には戻れねえよな…」



「日本、沈めるか?っは!っは!っは!」


斜めに傾きどうにか崩れずにいる高層ビルの屋上に立ち、ナナミは自らが起こした水害を見届けていた。




「……いや、あれは沈まねえよな。」



そのナナミのすぐ横を大きな手足が通過する。


ここから東エリアまでそう遠くない。



「なぜ移動する。…まさか!」


ナナミは何かに気づくと、すぐに集中を始めた。


…ドスン!


使い慣れた錨が現れ、ナナミの後ろに突き刺さる。



グゴゴゴゴゴ…!




「っは。やっと会えるかもな、ハル。」





《お前は、あの時の人間か。》



「…どうした?"向こう"じゃ寂しいから殺されに来たのか?」



《お前1人で何が出来る?》



「お前も1人だろうが。それに、俺様はてめえの手の内は知ってんだぞ?エンドラぁぁあ!!」



通過していった巨大な手足。


しかし、それを操る魔物はナナミの前で浮遊していた。

見逃さなかった。



復讐の相手を見つけ、笑いがこみ上げてくるのを必死に抑えている。



「なんも変わっちゃいねえ。ぶっ殺してやる。今度こそ、間違いなく!」



《お前に出来るのか?人間。》




「へそくりはまだまだ残ってる。海賊舐めんなよ。」



((パイレーツ・ソウル))




《お前が苦しめるように、手加減してやる。フハハハ!始めるぞ!》



(())イレイズ(())







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