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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その8、突然慌ただしくなったら後半
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我が名を知れ




東エリア、ギルドから離れたこの場所には廃墟や森が共存する地域があった。


そこで戦闘していたジミーとタロウは、魔王ラミラミの攻撃に為す術もなく、タクミが乱入しなければ命を奪われていたはずだ。



《名前を知る人間…そうですか、ちゃんと広まってるんですね。》


「………………………。」



…ゴロゴロ…ゴロ…サァ………ザァァァァァ…



「……雨…」


「ジミー…下がるぞ…私達では…」


「うん…」


《逃がすと思いますか?》


バチイイイイイン!


《…俺様に雷魔法が効くと思いますか?》


「ならば戦え。そして敗北を知り屈辱を抱いて永遠に眠るがいい。」


《人間って生意気なこと言うんですね…みんな。》


バチチチチ…バチチチチチ…



ラミラミに反応してタクミも雷魔法を一気に発動する。

2人は試合開始のゴングを待つように睨み合った。


ゴロゴロ……


タクミが無言で発動したサンダー・テンペストによる雷鳴を合図に、魔王と人間は姿を消した。




「…何これ…いなくなったよ…」


「とにかく離れるぞ…!」


タロウがジミーを引きずる形で離脱した。




空には黄色と黒の雷が激しく交わっていた。




………………………………………。




「さて…どうする?ヒカリさん。」


「ラミラミは私達で勝てる相手じゃないかもしれないわ。」


「そう?俺結構イケる気がしてるけど。」


俺はダークナイトの効果でラミラミを上回れる。

動きを封じてヒカリさんが真炎魔法でファイヤーしちゃえば…


ガチャ。


「ナギ様、ヒカリ様。」


「デュークさん!最近神出鬼没だよね。」


「今すぐ本部へ。」


「え?でもタクミさんが魔王と戦闘してるんでしょ?」


「私達も……」


「いいえ。ジミー様とタロウ様を回収して私も本部へ向かいます。2人もすぐに!」


「な、なんで!」


「いいから聞け!時間が惜しい!!」


「分かったわ…」


デュークさんの焦り方が半端ない。

迫力に押されて従うことにした。

その前にヒカリさんがモモを迎えに行ったけどな。



Prrrrrrrrrrr!

「新しい着信音探さないとな…」


基本の着信音に戻した…というかナナミさんからメールだ。



………………ナギ。

デュークの指示に従って皆を連れて避難しろ。

これは誰かのわがままで覆していい事じゃない。

緊急事態だ。本当の緊急事態だ。

いいか、冗談じゃすまねえからな。

主力と"ペット"だけは絶対に連れてこい。他の役割持ちもなるべく多くな。

本部の行き方、覚えてるよな。

また後で。


………………………………………。



なんだろう。

なんかもっと大事な事をハッキリ書いた方が伝わるんじゃないかなと思いました、はい。


でも、相当ヤバいってことだよな。

今までの戦闘なら、総力戦だ!よっしゃいくぜ!みたいなノリだったのに。


まるで世界が終わると知って保身に急ぐお偉いさんキャラ………



「え?もしかしてそのまんま?」



ダダダダ……


「にゃにゃ!」


「ナギ様。」


「デュークお爺様に言われて来ましたぁ。」


「お爺様はちょっと…でも、そういうことなんだな。ルナ、悪いけど今レトルトに居る皆をギルド前に集めてくれ。」


「何があったのですか?」


「フワも…いや、俺も初めてだと思う。」



「夜逃げだ!!!」



時計見てないけど多分夜、うん。



………………………………。



バシャァァァァァァァン!!



《人間がこれだけの魔法を扱うなんて…》


「語らう余裕があるのか。」


バチッ……バチチッ!!



タクミはナギにも見せた虹色の雷を全身に纏っている。


一方、魔王ラミラミは余裕があるように見えるがどこか雷魔法が弱々しくなっていた。


《あぁ…分かりました。あなた、オリジナルですね?エンドラ様に1度聞いたことがあります。》


「あれを敬うお前は新型の魔王ということか。」


《お互いに思った通りということでしょうか。》


「残念だ。お前を殺してはエンドラに挨拶も出来ない。」


《フ……フフフフ…ハハハハハハハ…!!》


「………………………………。」


《すみません。あまりにおかしくて。》


バチチチチチチチ…


魔王ラミラミの雷魔法に力強さが戻った。


《エンドラ様は…もう降臨します…!》


「………くっ!」


((サンダー・ボルト))


《間に合いませんよ。人間。》



ズザァァァァァァァァン!!!



激しい閃光と共に森が無くなっていった。



……………………………………。





「よし、皆で本部に逃げ込むぞ。」


「ナギ君…」


「正直、俺達がすることは最悪なことかもしれない。でも、誰も知らないとこで人間を救った人達が言ってるんだ、従うしかないよ。」



本部への行き方を集まった皆に教えて、数グループに分かれて行動を開始した。


俺はヒカリさん、モモ、ルナ、フワ、ミミの6人で移動中。

出来ることなら食堂のおばさんも連れていきたかった…!



「あれ、タクミさんだよな。」


歩きながら遠い空を見ると虹色の雷が見えた。

あれを使うほどラミラミは強いってことだよな。


……なんとなく反対の西の空を見た。


…見なきゃよかったかも。



「…皆…走れえええええええっ!!」


全員が驚いたけど、原因は知らないまま走ってくれた。


西の空がどうなってるか?

あはは……あのー…うん。


俺の今の気持ちで察してくれ。



死にたくない。





……………………………………。




本部に着くとすぐに案内された。

ワープ先の部屋はタクミさんとの試練に使った部屋。

元通りなとこ見ると耐久性で選ばれたんだろうな。

見覚えのある皆がいる。



「ナギ!来たか!」


「ナナミさん。」


「ジミーとタロウも無事だ。そっちは?」


「とりあえず、数グループに分かれて逃げてきた。言い方は良くないけど主力は無事。」


「よし、よくやった。」


部屋の奥、壁に寄りかかって座り込むジミー達が居た。

あまり元気がない。



「にゃにゃ!まだいっぱい来るにゃ!!」


「ルナ、お前はほら。これを配れ。フワとミミも。」


ナナミさんが毛布とか食料品とか水が入ったダンボールを3人に渡した。



「ヒカリさん、ジミー達のとこで待ってて。」


「分かったわ。モモちゃん、行きましょう。」



「話を聞かせろって顔だな。」


「分かってるじゃん。西の空。」


「あぁ。西のワープ装置がな。」


「壊れた?」


「壊された、だな。異世界の封印が解けた。」


「……じゃなきゃあんなの出てこないよね。」


「お前の言いたい綺麗事は分かる、だが」


「いいや。こっちだって分かってる。見捨てるわけじゃない。ここで全滅することの方が罪深いよ。」


「そうだ……すまねぇ。」


「あれがラスボスだと思っていいの?タクミさんが言うには魔王がいっぱい居るらしいからさ。」


「お前が見た奴が最強の魔王…エンドラだ。最強の世代がやっとの思いでぶっ倒した…」


「でも復活?」


「いいや、殺せてもいない。異世界に退却させて蓋をしたってことだ。」


「正直、タクミさんが既に最強の世代より強い説があるんだけど…」


「アイツらの強さは生で見なきゃ分かんねえよ…」


急すぎるからこそ冷静な自分にビックリ。


とりあえず、修行パートの途中でラスボスが降臨はヤバいんじゃないか?


え?何?もう終盤なの?



「とりあえず、次の動きまでここで全員引きこもるからな。」


「分かった。」




俺が見た西の空。


絵の具を全色混ぜてる途中みたいな汚い感じのカラフルで"大きな手"が上から下に叩きつけられていた。

水面を叩くように…その下にあった全てが跳ねていた。




大災害にあった人間の気持ちが分かる気がする。


誰の力でもどうしようもない。


究極の運ゲー。


生きるも死ぬも、その時の流れでしかない。



いや、これはもっと残酷だな。




勝てる人間がいなけりゃ人類消滅。



ゲームなら燃えてくるんだけどな…



今は詰んだ時の気持ちだ。







ついに…来たか…!!

なんて寿命の短いお話なんでしょう…!!

と思わせて過去編やってみたりしてグダグダしたりして笑


現在が物語全体のどの辺かはまぁ秘密ということで!


作者はセミの強襲に怯えています!

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