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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その7、結局は中盤が一番楽しい
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緊急事態 part6




「……さて。」


数分ハグして十分にエネルギー補給をした。

起きてすぐ全回復してるのは分かってたんだけど…ちょっと美味しい思いしてみた。



「ヒカリさん、スパーンは本当に殺したの?」


「え?ジミーさんと私が…魂が入った魔物は確かに殺したわ。」


「あいつ相当厄介なタイプだと思う。絶対まだ生き延びてるよ。」


「そんな…どうすればいいの?」


「待って……」


こうなると魂が相手だもんな。

魔王側は体をいくらでも用意出来ちゃうから…体に入れないようにバリアとか?

いや、全部に対処しないといけないし…そもそもそんな事出来るのって話だし?


ダメージ無効とか不死身系無敵系のキャラは必ず弱点となるコアとかそういうのが用意されてるもんなんだけどな……


「………………ヒカリさん?」


「どうしたの?」


「魔法って…幽霊にも当たる…かな?」


「幽霊?でも…」


「だよな。見たことないし。…いやさ、ゲームならゴーストとか霊体の敵にも当たり前に物理攻撃とか魔法攻撃が当たるから、もしかして…スパーンの魂にも」


「魂に直接攻撃するってこと?」


「うん。最強の世代もスパーンと戦う時はいつも体に宿ってからだったんじゃないか?だからずーっと本体にはダメージが入ってないのかも。」


「体から魂を出すには…魂交換の儀式!」


「おっけぇ。情報は揃ったな。魔王スパーン攻略、始めようぜ!」



…………………………………。




「ジミーさん。まだ歩くんですかー…」


「どこかに用があるわけでもない。ずっと歩き回ってる…何か探してる。」


「ナギ様ですか?」


「場所は知ってるけど…今度は警戒した僕達がいると予想出来るしね。ここ右。」


「ジミーさん。これ本当に尾行ですか?一定の距離どころかフードの人視界に入ってないんですけど…」


「僕が見えてるから大丈夫。」


「ジミーさんミーのことその目で見ないでくださいね。」


「うひ。…待って、止まった。」


「ど、どうなってますか?」


「…やば。トモたん、走って。」


「はい!」


ダダダダ…


「まさかあの距離でバレるなんて…!」


「はぁ…はぁ…」


「トモたん?」


「ミー…は…運動苦手ですよー…はぁ…!」


「運動しなかったからそんなプルンプルンなんだね…」


「魔王よりも怖いです…」


「うひ。僕の後ろに。」

スチャ。


「はい!」



「それで、君は魔王スパーンなの?それとも別の怪しい人?」


(())ブラッド(())


((ワイド・キャノン))


ドパァァァン!!


「スパーンなんだね。コンボガン。」

バシュッ!


ヒュワッッ!!


「速いですっ!」

「トモ!伏せて!」

「にゃうっ!」


(())ドレイン(())

「コンボガン。」


バシュン!


「1回目。」


(())インフェクション(())

ズゥゥゥゥ…


「コンボガン。」

バシュッ!


ヒュワッッ!


「見えてるってば。」


((ミクス・キャノン))


ドパァァン!!


「…止まりましたよ?」


「コンボガン。」


バシュ!バシュ!


「これで3回。…へぇ。魔眼ってこんなのも見えたんだ?」


「ジミーさん?」


ジュウウウウウウ…バリィィン!


「チャージ。」


「ちょ、食堂近いのにそんな大技…!」


「もう皆避けてる。撃つよ。」


((ビッグ・バン))


バァン!


「ど、どこ狙ってるんですか!?相手は目の前ですよ!?」


「空中にスパーンの魂が浮いてるってことはその体は空っぽ…よいしょ!」


ギュンギュンギュンギュン!


「その囲まれたとこにいるんですか?」




「…フリーーーーズ!!!!」



ギュギュギュ……ドサッ。


「え、なんですかこれ。あのビーム固まるんですか?」


「僕はあまり動きながら戦えないからね。速い相手とか太刀打ち出来ないから、いろんな攻撃を拘束攻撃に派生出来るようにしたんだ。トモたんが乗っ取られてる間にね。」


「魔王はあの黄色いボールの中に?」


「凝固した結果ボールに見えるけど…いつでも爆破出来るから近寄らないでね。」


「ジミー。」


「オールマスター、そこにスパーンがいるよ。」


「この体か?殺したと報告を受けたが。」


「さっきはそう言ったんだけど…あと体じゃなくてあっち。」


「この球体はなんだ。」


「僕の拘束攻撃で中に魔王スパーンの魂が入ってる。」


ゴゴゴ…グンッ!


「動いたぞ。」


「入ってるからね。」


「…どうするつもりだ。」


「殺すよ?殺すんだけどさ。…ちょっと魔力切れなんだよ…いたた。」


「目が痙攣している…解除しろ。」


「…ふぅ…魂交換の儀式では魂が見えるように形作られてたけど、通常時は人間の目じゃ見えないよ。魔眼じゃなきゃ。」


「ふむ。ならばお前の魔力がすぐに回復しないと不利だな。」


「そんなに魔力回復は早められないよ?飴はあるけど効果は微々たるものだし。」


「左手を出せ。」


「え?…はい。」


グサッ。


「うっ…!!」

「ジミーさん!!」


「ジミー。お前ならこれが何か分かるな?」


「うん…激レア魔道具、魔力注射器…その透明な液体が魔力なの?」


「……………サンプルの水だ。すまない。」

ズッ。


「いたっ…ドヤ顔したくて先に刺したなんてオールマスター的にスキャンダルだよね。」


「私の魔力は…他とは違うぞ。」

グサッ…チュルルル…


「そもそも他人の魔力を貰うこと自体稀なケースだよね。」


「今はな。左手を。」


グサッ。


「ねぇっ…これなんでこんなに痛いの…というか拒否反応とか起きない?」


「問題ない。…やる事は分かっているな。気分が良くなってもするべき事をしろ。」


ズゥゥゥゥゥゥン…………



「うひ。うひひひひひひひひひひひひひひひ…」


「ジミーさんっ!?き、キモい…!」


「これでいい。」



「…すごっ。オールマスターの魔力って精力剤で出来てる?」


「やれ。」


「分かってるって。フォーカス・アイ…うわっ…いつもより楽だ。」


「それで、そのスパーンの魂をどうする。」


「魂を攻撃する。これしかないよ。」


「魂を攻撃?」


「体は替えが用意出来るんだもん。多分魂の時に攻撃しないと痛くも痒くもないんじゃない?戦闘してて思ったけど、相当な演技力だよ。」


「演技……」


「オールマスターも手伝ってくれる?僕が弱めに爆破魔法弾を撃つから、爆発した所を思いっきり攻撃してよ。僕より攻撃力あるでしょ?」


「いいだろう。」


「うひ。じゃあ少し真ん中にズラして…いくよ…」



「エクスプローーージョーーン!!!」



ドカアアアアアアアアアン!!!



((ボム・キャノン))


バシュ……パァン!


「雷鳴轟き、剣は使命を果たす。」


((サンダーボルト))


ッ…バチイイイイイイイン!!

…ズバァァァァァァァァン!!!



「うわ…敵なら土下座するかも。…でもまだ生きてる。次ここ!」


((ボム・キャノン))



「害虫のように逃げ回るつもりか。」


((サンダー・ホーク))


バチチチ…ビューーーーーッ!



「雷の鳥?やば。」



「狩りの時間だ。」




……………………………。





「スパーン探すっても、誰に成りすましてるか分かんないよな…魂の状態で移動してるかもしんない。」


「ナギ君、あれよ。」


「え?」


食堂近くの広場の辺り、そんなに高くない天井のスレスレを何かが飛んでる。

その何かが雷を落としてる…?


「雷ってもう答え出てるじゃん!行こう!」


近寄るほど分かってくる。


鳥の形した雷魔法だ。


タクミさんあんなこと出来んのかよ…




「ジミー!」


「ナギ。みんなこっち来て。」


「何してんだ?」


「ジミーが魔王の魂の位置を魔法弾で示し、私が攻撃している。」


「なっ…ジミーもそこまで気づいたのか。」


「ナギも?結構賢いね。」


「でも…何も見えないわ。」


「…魔眼じゃないと見えないんだよ。だろ?」


「魔眼?…ジミーさん…それって…」


「後でね!集中しないと!次!」


「タクミさん、手応えは?」


「当たってはいる。」


「ダメージは分からないってことか。」



空中の荒れ方を見ると相当スパーンの魂はボコられてる。

でも、これも効いてなかったら?



「オールマスター…ごめん、僕そろそろ…」


「これでは終わりが見えないな。」


「その人は?」


「この人の体で歩き回ってたんだよ。」


「一旦その体に入れよう。拘束は出来るんだしさ。」


「だが…」


「効いてんのか分からないんだしこのまま魔力浪費するより良いでしょ?ほら!ジミー!」


「じゃあ体に誘導するよ…!」


………………………………。



フード被った謎の人物に魂を誘導すること7分ちょい。

ジミーが上手くいかなくてイライラしてきた所でようやく入った…らしい。



「ヒカリさん、例のやつ。」


「分かったわ。」


口に土を詰めて、さらに凍らせる。

両手足も凍らせてバッチリ。



「それで。回復してまた再開するのか?」


「……………………。」


「ナギ?」


「…………………………はい降りてきたー。ッシャァァァァッ!!」


「…僕に向かってドヤ顔するの?なんで?」


「勝ったなぁって思って。そんなことより、ジミー。魂交換の儀式の魔法陣書けるか?」


「え?」


「魂交換の儀式…」


「覚えてるけど…なんで?」


「魂を攻撃するのは間違ってないんだよきっと。でもアプローチが違う。」


「そうかなぁ?」


「魂交換の儀式の時、スパーンはこう…黒タイツみたいなさ。」


「うん。魂が実体化して…あ。」


「なら、儀式をして魔王の魂が実体化した所を狙って…」


「そこを斬る。」


「でも魂の移動先が無いと儀式は出来ないよ?」


「前回、明らかに移動先は拒否したい体だったよな?死にかけの魔物だぜ?」


「うん。」


「なら移動先を拒否出来ないんだろ?ほら…トモミさんが閉じ込められてたガラス玉。あれにすればいいじゃん。上手くいかなくても封印出来るし。」


「…そっか。じゃあ早速用意しよう。」


「ごめんなさい…私…詠唱が…」


「僕が覚えてる。魔法陣書いたら紙に書くね。」


「ジミーの記憶力やべえな。」


魔法陣なんて記憶出来ない。

綺麗な円をいくつも書いて、アラビア文字みたいなのをブワーッて書いて…無理ゲー。



「トモミさん…大丈夫?」


「は、はい…ジミーさんが戦闘中に立てとかしゃがめとか何回も指示するから…ちょっと…」


足がぷるぷるしてる。

立て…しゃがめ…まさか、いつの間にかスクワットみたいになってたのか…?



「よし、出来たよ。」


「こっちも、始められるわ。」



「タクミさんと俺は攻撃準備。モモはトモミさん守っててくれ。」


「私に指示するのか。」


「いいでしょ?」


タクミさんがニヤッとした。

瞬間、背中から汗がどぱーーー。




「では、これより第2回!魂交換の儀式を始めますっ!!」





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