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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その6、エンジョイ勢の真骨頂は趣味パ
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かくれんぼ part11




「とにかくオーブを死守だ!勇者様がいらっしゃるまで持ちこたえるぞ!」


「「おおおおおお!!」」



《ロロロロロロ…》



「万扇。」


ビュワッ。



ザクザクザクザクザクザクザクザク!



「ひっ…!!」


「お待たせしました。大丈夫ですか?」


「あ、あなたは…」


「西のエリアの勇者、ギルドマスターを務めております。シラユキと。」


「オーブというのはその黄色い珠ですね?」


「はい!ですが、容易に触れた戦士が1人…」


「……そこで苦しんでいる方がそうですか。治療師は?」


「回復魔法が効かなくて!呪いの一種ではないかと…」


「…敵の情報を得る貴重な機会ではありますが…オーブはこのまま破壊しましょう。下がってください。」



「…万扇、突風。」


ヒュワッ…


キリキリキリキリキリキリキリキリッ!!



「傷一つ付きませんか…そこのお兄さん、剣を借していただけますか?」


「はい!」


スチャッ…


「無造作に設置されている所を見るに、特別な台座などで守られているわけではなさそうです。そうであれば一点を…」


シュッ!


ガンッ!


「もう一度。」


ビュッ!


キイイン!


「…思ったより硬いですね。」


ー魔物が来るぞー!



「シラユキ様!」


「任せてください。皆さんは座って休んでいただいて構いません。」


「ありがとうございます!」



「万扇。」


《《クロロロロロロ…》》


…………。





「おらああああっ!」


((ギガ・インパクト))


ドッカアアアアアアン!



「っは!1匹を殴り飛ばして巻き込む方が効率良いな!」


「っ!バガさん!」


「おう、シラユキ!」


「先ほどの大きな魔物は討伐したようですね。」


「まあな。見た目だけで大したことなかったぜ?お前の方はどうだ。」


「オーブに触れると何かしらの魔法か呪いにかけられるようです。破壊を試みましたが傷一つ付きません。」


「なんだそれ、めんどくせえな。」


「…また群れが来ましたね。オーブを守るためでしょう。」


「なら、これを片付けたらオーブの所に連れてけ。」


「神扇。」


((メタル・ボディ))



……………………………………。




「シラユキ様!…バガ様も!」


「待たせたな。しばらく魔物は来ねえ。さっさとやっちまおう。」



「でも、どうしますか?先程も説明しましたが、触れることも破壊することも…」



「ギルドにいた勇者、女のすぐ傍で立ち尽くしてたやつだ。」


「はい?」


「アイツなら、このオーブだけに注目しないはずだ。」


「まだ何かあると?」


「置いてあった場所はここだな?」


「はい!発見してから動かしていません!」


「わざわざ並べてた服を床に落としてテーブルの真ん中に置いたんだ。何かあんだろ。」


「他のお店には何も無かったのですか?」


「はい!他には巣がいくつかあるだけでした!」


「…テーブルの裏だ。調べろ。」


「はいっ!!」


ガサゴソ…



「…どうだ。」


「……何か書いてあります!」


「読めねえか?」


「……………………読めません!」


「私が見ます。」



「っは!お前、少しは下に気をつけろ。見えちまう。」


「…今そういうのは控えてください。」


「リボン。」


「っ!万扇。」


「わあったよ!」


「…………ふふ。興味深いですね。」


「なにか分かったか?」


「過去の記録にこれと同じ文字を"魔王"が使っていたとあります。魔物の文字ということですね。」


「魔物の文字…っは。」


「調べていて良かった。"永続召喚・イートマウス"そのままですね。」


「イートマウスがこいつらの名前か。」


「アルファベットによる名称は人が定めた物。全ての魔物に本来の呼び名があるのでしょう。」


「他には?」


「あとは魔法印が刻まれているだけのようです。」


「でも、必要な事は分かった。このオーブを壊せばイートマウスは出てこなくなるってな。」



「丁寧に破壊方法も書いてくれていたら良かったのですが。」



「お前ら、破壊は試したんだよな?」


「会心攻撃、魔法攻撃、いずれも効きませんでした!」


「私の攻撃もです。どうするつもりですか?」


「………っは!っは!っは!」


「バガさん?」


「なぁに。ちょっと思い出してな。中央エリアの勇者は、天才だったって。」


「お前ら、離れろ。」


「バガさん、何をするのですか?」


「シラユキ、お前も離れろ。すぐにギルドに連絡出来るようにしろ。」


「……?」


「アイツは得意げにゲームの話をしやがる。その自慢話の一つにな。"罠にハマらないと押せないスイッチ"ってのがある。」


「ある時は毒沼の真ん中。またある時は棘の山の中。」


((メタル・ボディ))


「このオーブは触れた人間に…ってことはそういうことだろ?」


「待ってください!」


ガシッ。



「ぐぅあああああああああ!」


((ギガ・インパクト))


グググ…ピキピキッ…



「バガさん!もういいです!1度離れて!」



「うるせえええええええ!くっそお!壊れろおおおおおおお!」


グググググ…ビキビキ…



ッバリイイイン!




「砕けた…!」


「っは…」


ドサッ。


「すぐにギルドに連絡を。」


「分かりました!」



「バガさん…」


「…こいつぁなかなかだな…」


「"開花"と比べてもですか?」


「っは…何が言いたい?耐えろってか。」


「はい。耐えてください。この程度の呪いなど。」


「…ぐぅっ……!」


「私の夫になるならこれぐらいの苦しみなど…」


「…お前…話が色々ぶっ飛んで…ちっ…体が痺れる。」


「ビーストは使えますか?」


「使ってどうなる…」


「ふふ。あの"獣"には特別な力があります。」


「…あ?」


「獣の姿をしている間、あなたには全ての魔法の軽減、状態異常の軽減及び無効の能力があります。」


「なんだそれ…」


「"開花"で嫌という程見せつけられましたから。」



「…っ…………。」


「バガさん…麻痺ですね。…応援が来たらすぐにギルドへ連れて行きます。それまで…」


「おやすみなさい。」




「シラユキ様!今、救援がこちらに向かっています!」


「分かりました。それまでは私が守りましょう。」


「シラユキ様!今、救援がこちらに向かっています!」


「……あなた、役割持ちですよね。先行部隊ならレベルも低くないはず。」


「シラユキ様!今、救援がこちらに向かっています!」



「こんな時にあなたが動けないなんて。少し寂しいです。」



ガッシャァァァァァァァァアン!!



「天井のガラスから…飛行能力と見るべきでしょうか。」



…バサッ…バサッ!


ドスン!



《マリオはここには居ないようだな。》


「あなたは人間?どうしてそんな魔物に跨っているのですか?」


《うるさい"人間"だ。》


「…あなたも魔物ですか。人間に擬態…それもひと目でわかるようなレベルではない。」


「……神扇。」



《フン。小娘が私と戦おうというのか。無知は罪だな。》


「無知は罪…同意見です。私が勇者とも知らずにその身を晒したあなたの無知さは…」


「罪ですね。」


「神風!」


(())ブラッド(())



ヴヴヴ…バチイイイン!!



「魔物が魔法を詠唱!?」


《お前こそ…私が魔王だと知らずに…無知だな。》


「魔王…!!」


(())ドレイン(())


スッ…


「神風!」

《読みは悪くないが。》


「っ!」


《背後だけでなく、横にも気をつけるべきだったな。》

ガブッ!



「うぁあああああっ!」


ジュゥゥゥゥゥゥ………



ー向こうから何か聞こえる!



《フン。命拾いしたな。今の私は人間共の相手をする暇は無い。》


「…はぁ…はぁ…」


《私を覚えておけ。いつまでも…その傷を疼かせ恐怖し、殺せと私に願う日まで。》



《行くぞ。飛べ。》


…バサッ…バサッ!




「ううう…うううう…いやあああああああああ!!」





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