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俺達が魔法を使う理由  作者: イイコワルイコ
その6、エンジョイ勢の真骨頂は趣味パ
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かくれんぼ part8





「ジミー…まだやれるか…?」


「正直、協力断れば良かったと思ってる…キツいね。」


「…勇者、頑張る。」



今は午前9時。


通勤通学なんて平和な日常は…今日は無しだ。


"一般人"は今も家の中や俺達の見えないとこで精神異常で同じセリフを繰り返したり固まったりしてるはず。


そしてこの魔物はそれを狙って数を増やしてる。



「これ永遠に終わんないんじゃないか?」



正直に言うけど、魔王よりキツい。

ダメージはほぼ無いけど、悪魔よりキツい。



この魔物を全滅させるよりも、多分カッパとかツチノコが見つかる可能性のが高い。

宝くじ1等を3年連続で当てるのがまだ簡単に思える。


本当に疲れた!!




「ははは…俺ずっと寝てないや。もう24時間は超えてる。」


「ナギ…そういうの止めなよ、もう高校生なんだから。」


テレビ見てない、寝てない、勉強してないアピールは学生の3大だからなんだよアピール。

でも、皆それを分かっててやるんだよ。

くだらないことでも全力で楽しむ気持ちが大事。



いや、もうね、マインドボイスの裏でずーっと走って斬って走って斬ってだからね!



ピカッ。



「ん?」


「どうかしたの?」


「今向こうで何か光ったような…」


《ロロロロロロ!》


((パワー・キャノン))


ドカアアアン!


「今はそれどころじゃないでしょ!早く!その剣振って!何のための武器なの!」


よそ見する余裕も無い。



………………………………。




《さあて…ようやく静かになってくれたねえ。」



「大丈夫だよヒカリさん、君は"まだ"死んでいない。偉大なる魔王様の器として永遠に生きれるだろうねえ。」


「…………………………………。」



「ふむ…息が弱いねぇ。急ぐとしよう。」


ガシッ。


「弱った君をコレクションしたら異次元で死んでしまいそうだから…このまま連れていくとしよう。」


((ムーヴ・ウルトラ))


ビュン!




…………………………………。




「………………………。」


ソワソワ…ソワソワ…


「シラユキ様?どうなさいました?」


「バガさんから連絡が来ません…中央エリアに行ってしまったのでしょうか…」


「寝てしまわれたのでは?」


「…………いえ。戦う姿が見えます。」


「シラユキ様、落ち着いてください。」


「…私達も中央エリアに向かいましょう。挨拶と情報の共有、それから友好関係についても。」


「分かりました。ではお車を用意します。」


「ええ。お願いしますね。」



…………………。



ピロリーン。


「んぁ……シラユキか…なになに…中央エリアに…くぁ〜…もう少し寝るか…んぐごごごごご…」



……………………………………。




今更気づいたことがある。


「これって浄化機能ついてんのかな。」


秘剣、ダークナイト。


信じられないほどの命(※魔物の)を奪ってきたのに、黒いまま。


血が一滴も付いてない。



「さては…バニラカードと思わせてとんでもないぶっ壊れ能力持ちとかいうオチか。」



もう何か考えてないとやってられない。

人と喋る余裕も無くなってきた。


きっと転んだらそのまま寝ると思う。



「ナギ、本当にやばいよ。いたちごっこだ。終わんない。」


「もっと助けが要るよな…」


「相当強くないとね。僕がこんなに弱音吐いちゃうんだから。」


「マジで全体攻撃がほしい。」



「…あ、もしもし。トモたん。AとBチームを中央エリアに呼んで。うん。補給物資も。すぐにね。」



「ジミー…俺のためにベッドと安全な場所も頼むよ。」


「勇者が何言ってんの。」


「ジミー、後ろ!ほら撃って!」


ドパァァァン!


「死んだ?」


「お、おう。」


ノールック射撃だ。




「そういえばヒカリさんから連絡無いな…空に炎も見えない。」


「休憩してるんじゃない?」


「勇者って強いのか弱いのか…なんで魔法効かないんだろうな!」


「今のナギ、頭の中で愚痴をシャッフルリピートしてるでしょ。魔物殺してスッキリしちゃいなよ。」


「ジミーは煽り方下手くそだな。今度バカ様との本物の茶番を見せてやるよ。」


「ナギ…茶番って…」



……………………。




Prrrrrrrrrr!prrrrrrrrrrr!


「…あぁ…あ!?今お前どこにいる!すぐに行くからな!」


「ったく!急がねえと…!!」



…………………………。




ビュン!



「スパーン様。」


《その娘が…そうか。》


「はい。今儀式の用意をします。」




《フン。ようやくこの体の痛みから解放されるか…綺麗な娘だな…》


「……………………………ん…」


《グチチチチ…》


《手を出すな。》



「…………クス………」

ズゥゥゥゥン…


《なんだ…》


「スパーン様、魂交換の儀式を始めます。」


《…待て。》


「どうされました?早くしないとこの人間は"鮮度"が落ちてしまいますよ?」


《この娘を調べろ。様子がおかしい。》


「気を失ったままのはずでは…」


ガサゴソ…


「何か隠し持ってることもない…」


《右手を調べろ。》


「はい。………この痕…」


《この娘…どこかで"契約"しているな。》


…ボオオオオオオオオオウッ!


「うっ!!…体が!ヒカリさん!あなた何を!!」


《契約した相手の計らいだろう。このまま行かせろ。》


ボオオオオオ………チリチリ…


「炎に包まれ消えた…」


《マリオよ…お前はまたしても…》


「申し訳ございません!ですがあの人間があんな…」


《お前の見苦しい言い訳をなぜ聞かねばならない。》


(())ブラッド(())


「ぐぅぅぅぅっ…」


《お前が失敗した時のために、この体に血を集めておいた。》


「がはっ…」


《今の私は…人間共が恐怖するヴァンパイアとでも言うべきだろう。》


「スパーン様…」


《お前はもう不要だ。》


「そんなっ!」


《我が名において命ずる。血を。高潔なる血を。》


(())レッド・デッド(())


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「う、うわあああ!熱い!熱いいい!!体がああああ!!」


((ムーヴ・ウルトラ))


ビュン!



《ハハハハハハ!逃げても無駄だ。》



《グチチチ…》


《私を乗せて飛ぶがいい。マリオの死を楽しもうじゃないか。》


《グチチ…ギヤァァァァヴ!!》


………バサッ…バサッ…バサッ!!




……………………………………………。





「ジミー…俺達巣を何個壊したっけ。」


「さあ…もう数えてないよ…」



ジミーも俺もギブアップ。


近くにあったカプセルホテルで横になってる。


モモにはお菓子を大量に用意して見張りを頼んだ。


限界を超えてまた限界が来たらさすがに休めなきゃダメだ。


「5分だけマジで寝ていい?」


「だめだよ。それ、あと5分繰り返して結局爆睡しちゃうんだから。」


「ぶー。」



……………………………………。




「シラユキ!!」


「バガさん…本当に寝ていたのですか?」


「まぁその…程よく疲れてりゃあ気持ちよく寝れるってもんだろ。」


「そうでしたか。」


「ホッとしてる場合じゃないな。なんだこれ…中央エリアは負けたのか?」



ーきゃああ!!


「行くぞ!」



………。



《クギャアアアアア!》



「助かりました…ありがとうございます。」


「おい、これはどういうことだ?ヒカリは?勇者は?他の役割持ちはどこだ!」


「中央エリア全域であの魔物が大量に現れて…各地で戦闘が続いています。」


「私達はあの魔物の恐怖の片鱗しか知らなかったということですね。」


「ここだけ空がまだ暗いしな。もう一戦、やるか。」





《クロロロロロ…》






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