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第三話 回復魔法で肉ゲット!

 あのコボルト戦から三日経った。でも俺は実はまだ森のなかにいたりする。

 はは、参ったね。でもさ、この森結構広いんだもの。歩いても歩いても出口が見えない。太陽の位置からなんとなく方向を決めて歩いたりはしてたんだけどね。


 でもいいとこもあるのよ。何せ夜は星が綺麗。流石異世界だね、ロマンチックだ。後、月が蒼い。それが印象的だったね。


 でもそんな長いこと森を彷徨ってて、俺も気分が落ちている、かと思えばそうでもない。やっぱ異世界は色々と新鮮だしね。それに結構あのコボルトみたいななんていうの? 魔物? みたいのにも出くわしたけどさ、そいつらを倒しながら自分の能力を検証したりしてね。


 幸いなことに意外と早く川を見つける事が出来たし、それに木には果実なんかも実ってたりしてね。

 最初は毒なんかも心配したんだけど、それもノーブランド! なんと診断は食べ物にも使用できたんだ。広く考えれば果物も生物だしね。当然だね。


 しかも食べた果実、例えばこの世界にもリンゴがあったわけだけど、これの芯に回復魔法をかけたらなんと! 元の状態に戻ったわけ。


 つまり俺はリンゴ一個あれば永遠にリンゴを食べ続けることが可能ってわけだ。リーズナブルだね。どっかの死神も喜びそうな力だよ。


 とは言え、リンゴばっか食ってても飽きるからね。だから目下魔物と対決中。




ステータス

名前:デリシャスボア

性別:♂

レベル:4

HP:21/21

MP:0/0

腕力:18

体力:20

敏捷:19

魔導:0


物理スキル

□猛突進


称号

□肉質の良いボア


 うんステータスを見ての通り見た目にはまんま猪。ただスキルの猛突進が気になるところか。なんか喰らったらヤバそうだしね。でも称号は肉質が良いになってる、これはナイスタイミング! 肉! 肉!


「ボアーーーーーーーー!」


 そんなことを考えて涎を拭ってたら、後ろ脚で地面を掻きだして、そして多分その猛突進で突っ込んできた。でも俺は落ち着いてその場でナイフをぶんぶんと振り回しながら後ろに下がっていく。


「ブボアァアアアアァア!?」


 すると突進してきた猪の身体が傷だらけになっていき、最後には力尽きてズザザーーーーっ! と地面を滑って来た。

 

 診断したらHPは0。うん見事に事切れたね。よっしゃ! 肉ゲット!


 いや~でも回復魔法は便利過ぎる。今のも俺が暫く森を彷徨い歩いて魔物(?)を相手しているうちに思いついたんだけどね。


 名づけて斬撃回復! ま、そのまんまなんだけど、ようは攻撃した軌跡を回復することで例えばナイフであれば斬撃をその場に留めることが出来るわけね。


 これはトラップみたいなものだけど、斬撃なんて目に見えないもの、相手も気がつくわけないからね。ワイヤートラップなんかよりも下手したらヤバいよね。


 残る攻撃が俺の攻撃力に準拠してるから一撃一撃の威力が弱いのが欠点だけど、でもあれだけ数を重ねれば当然それなりの効果が期待できる。


 う~ん、でもやっぱナイフを選んどいて正解だったな。コボルトを倒した後、今後のために武器を拝借したんだけど、斧はピンっとこなかったし弓なんて扱ったことないから自信もない。それに矢の本数もあんまなかったしね。

 

 一応俺も魔法使いに分類されるから杖って手もあったけど直接的な攻撃にはあんま使えそうにない。


 その結果、アーチャーの持ってたナイフが一番使いやすそうって判断になったわけ。

 でもこれがまた正解でね。俺は一応あのままいけば間違いなく名医になれた男だからね。当然メス捌きもそのへん歩いている一般人よりも遥かに優れているわけ。で、ナイフも結局はメスの仲間みたいなもんだから全く違和感なく扱えて当然だったわけだよね~。


 それにボロボロだったナイフも回復魔法で新品同様になるし、しかもいつでも状態を回復できるしでこれ一本あれば暫くやっていけそうだ。


 さて、解体解体と。ここでも当然回復魔法の出番なんだよ! まずは皮だけど、これはもう回復魔法があれば問題ない。


 皮ってのは生まれた時から生えてるものじゃないからね。つまり俺の回復魔法で皮を回復して生える前にまで戻してあげる。


 これで皮はオッケー。そして血抜きも血が出来る前の状態に回復することで別に傷をつけなくても体内から血を抜くことが出来る。


 そして内臓も必要ないから回復魔法で消滅っと。本当回復魔法が便利過ぎる。でもこの回復による消滅、使いようによっては無敵じゃん? と思ったりもしたけど、そこは中々難しいところでね。

 

 実は一度キラーマウスとかいうネズミタイプの魔物に向けて回復魔法で消滅を試してみたんだけど、その途端凄い脱力感があって目眩もしてきた。

 

 何かと思ってステータスを見たら俺のMPが九割以上減ってたんだよね。どうやら生き物を消滅する回復魔法は負担もかなり大きいようだ。消費魔力を激減させる称号を持っててもこれだからね。


 ネズミタイプの雑魚でもこれなんだから、相手が強力な魔物だったらどうなるか……そもそも使えないのかもだけど。


 でもね、このやり方も生きてる相手と死んでる相手で消費MPは変わるようで、死んでる相手だとそこまでは減らない。


 だからこの猪には問題なく使えてるわけ。

 まあそんなわけで無事解体も終わり。ちなみに肉をバラすのは俺がナイフでやったよ。何せ元医者(予定)だからね。人間をばらすのに比べたら猪の解体なんて楽勝楽勝。


 さて、そんな俺だけど今回の戦闘でステータスはどうなったかなっと。




ステータス

名前:ヒール イシイ

性別:♂

年齢:18

ジョブ:スーパーヒーラー

レベル:4

HP:48/48

MP:3020/3020

腕力:21

体力:20

敏捷:18

魔導:2770


魔導スキル

□究極の回復魔法


物理スキル

□言語理解□診断□ナイフ投げ□ミートスライサー□隠蔽□短剣術□診断


称号

□完璧な回復師□中級短剣使い


 おっとこれでレベル4まで上がったか。しかし相変わらずMPと魔導っていうのが無茶苦茶だね。


 新しく覚えたのは短剣術。これはナイフの扱いに慣れることが出来るスキルだね。俺のメス捌きの賜だね。

 そしてナイフ投げ、ナイフを投げた時の命中率と威力が上がる。おっとこれは中々使えるんじゃないかな? ナイフを投げても俺の回復魔法があれば手元に戻すことができるからね。


 そして短剣術を覚えたからなのか称号も増えてるね。中級短剣使いってまんまだけど短剣の扱いに慣れると会得できる称号で、これがあると短剣で戦闘した時に威力とかで恩恵があるようだ。


 後はミートスライサー。これは肉を捌くのが上手くなるスキル。

 なんかコックみたいなスキルだけど、生きてる相手でも肉を切った時の威力が向上するから結構使えそうだ。

 

 ちなみにナイフ投げは自分で意識して使用するタイプ。ミートスライサーは会得すれば後は常に効果が現れるスキルだ。ちゃんと覚えておかないとね。


 さて何はともあれ久しぶりの肉だ。何せこれまではネズミとか昆虫ぽいのとかコボルトとか正直食いたいと思える獲物がいなかったからね~リンゴとかなんか桃みたいのとかそんなのばっか食っていたから楽しみだ。


 うん、楽しみ……て、火! そうだ火だ! 火がないよ~あー流石の回復魔法でも何もないところで火は起こせないしな……どうしよ――


「クー! クー!」


 ん? なんだ? 肉を前に悩んでたらなんか鳴き声みたいのが聞こえるぞ?

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