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第十三話 回復魔導士、ハンターギルドへ行く!

「よ~し、それじゃあ説明の続きいっちゃうんだぞ~」


 本当切り替え早いなこの受付嬢。


「魔導ギルドは今もいったみたいに~魔導の研究をしたり人の役に立てる魔導士を集い魔導の発展の為に尽力するギルドで~っす。魔導士として登録完了するとギルド特製のギルドカードをお渡ししま~す。このカードは~魔導士の知識と技術を詰め込んだ至高の魔導具でもあって~このギルドカードを持っていると~倒した魔物や~達成した依頼に~他にも色々と役立つ機能が盛り沢山! ステータスもこのカードを通して伝えたり教えてもらったりも可能なんだぞ」


 Vにした指を右目に当てて、きゅるりんっという効果音でも聞こえてきそうなポーズで説明された。


「ただ、このカードは最初だけは無料で進呈するけど、貴重なものだから絶対に無くさないようにね! 何せこのカードには所有者のあらゆる情報が網羅されることになるからね~一応防犯の為に持ち主から一定の距離離れるとロックが掛かる仕組みだけど、中にはそのロックを外しちゃうような相手もいるしね。だからなくした場合はすぐにギルドに報告すること。その場合こちらから魔導による遠隔操作で情報の消去とカードの消滅を行うからね。但しその場合は手間賃とカードの再発行料で五万オペ徴収するから管理は徹底してね」


 五万か……結構な金額だけど、それだけ重要なものってことなんだろうな。


「あと、勿論カードを紛失した影響でギルドに何らかの損害が出た場合はそれも保証してもらうからね~」

「はい、判りました気をつけます」

「うん! いい心がけだね! じゃあこれがギルドカードになっりま~す!」

「はや! もう出来てたの!?」

「馬鹿ね、きっとギルド長に呼ばれている間に作成してたのよ」

「あ、そうか」

「流石エクスちゃん! 賢いね~それでねそのカードに触れたらとりあえず一旦戻してね」


 触れたら戻す? 良くわからないけど言われたとおりにした。


「はい、これで魔導同期(シンクロマジック)完了。ヒールくんの情報はギルドでも厳重に管理するからね」


 ふむ、どうやらカードに記憶された情報がこれでギルドと共有出来るようになったようだ。


「さて、これでヒールくんは正式に魔導ギルドの

F級魔導士として登録されたよ~このランク()は最初は皆Fから始まるからね~ランクの上げ方は何はなくても実績を摘むことだね。実績には魔導の研究や魔導具の開発に寄る間接的実績と、ギルドに寄せられる依頼をこなすことで得られる直接的実績がありま~す。別にどちらか選んでやらないといけないってことではなくて、やり方は各個人に任せているからね。でも間接的実績になる研究や開発は認められるまでに時間が掛かるのが欠点かな。依頼をこなすのは直接的とされるだけあってわりとすぐ実績としてカウントされるんだけどね」

「その依頼は何か請ける条件はあるのかな?」

「依頼に関してはランク指定が無いのはフリーで誰でも可、ランク指定がある場合は例えばD級依頼なら請けることが出来るのはD級より上の魔導士だけだね。後はパーティー推奨やパーティー必須なんかの条件が課されている場合もあるからその場合はそれに従ってね!」


 なるほど、と俺は頷く。間接的実績という研究に興味が無いわけじゃないけどな。回復魔法は色々と研究の価値があるかもしれないし。

 でも正直規格外過ぎてどう研究しようかって話でもあるな。大体俺しか使えないであろう魔法を研究しても誰かの役に立てるか疑問だし。

 

 だからとりあえずは依頼をこなしてランクを上げていくことになるかな。その過程で回復魔法の役立て方も模索してみようかっと。


「後は注意事項だよ~まず基本、登録魔導士同士の殺し合いはご法度。腕を競い合うのはいいけど他に迷惑がかからない程度でね。後は魔導士の情報を理由なく他者に漏らすのも駄目だし当然だけど依頼を請けた場合は依頼者に迷惑が掛かる行為は禁止。これらは場合によってはギルドからの除名、ひどい時は重罰や賞金首として登録されたりする場合もあるから注意するんだぞ」

「ま、その辺りは常識的な行動をしている分には大丈夫だけどね」


 エクスがフォローしてくれた。まあ確かに聞いている分には勝手に情報を漏らすなとか、依頼人の不利益になることはするなとか、当たり前といえば当たり前のことばかりだしね。


「その他細かい規約はこの冊子に記載されているから時間あるときにでも読んでおいてね」


 そう言われてチャーミーから魔導士の心得という冊子を頂いた。

 ま、どこか落ち着ける場所を見つけたら読んでみようかなっと。


「ギルドから伝えることは以上だよ。何か質問はあるかな~ないよね~?」


 ぶりっ子バージョンではあるけど、言外に質問なんてしてくんじゃねぇぞって裏の顔が見えてますよお姉さん。


「とりあえずは大丈夫かな。後は依頼を請けるかどうかってところかな」

「それなら明日からにしておいたら? ほら、あの密猟しようとしてた連中のギルド証もっていかないといけないし、それに貴方その格好で依頼を請けるつもり? 装備品も少し考えたほうがいいわよ。それに宿のこともあるでしょう?」


 確かにそう言われてみると色々とやっておかないといけないことが多いな。

 密猟の連中に関しては、ハンターギルドとかいう場所に顔を出しておく必要があるわけだしね。


「判った、それじゃあエクス案内してもらってもいい?」

「仕方ないわね。ま、そういう約束だしね」

「ふ~ん、仲いいんだね~ふたりとも~」


 興味津々といった目で俺たちを見てくるチャーミー。でも今日あったばかりの仲だからそんな色っぽいのじゃないんだけどね。


「そういうのじゃないわよ。大体私達まだ知り合ってそんな経ってないんだから」


 どうやらエクスも同じ気持だったようだ。まぁ当然だけどね。


「それじゃあ、明日からの活躍期待してるからねっ」


 スカートをヒラヒラさせながら手を振る受付嬢に見送られて俺たちはギルドを後にした。


 そしてその脚で今度はハンターギルドに向かう。位置で行くと魔導ギルドは町の東側に対しハンターギルドは西側と見事に反対側に建てられていた。


 魔導ギルドと違って箱型のわりと普通な造り。看板には剣と弓のデザインが施されている。


 そして木製の引き戸に手をかけエクスと一緒に中に入るわけだけど。


「い、嫌だぁああ! やめてくだい! お願い、やめてぇぇええ!」

「うるせぃ! テメェだってその気があるからわざわざ依頼に来たんだろが!」

「ち、違います! 私はここに依頼するといいって聞いてたから、でもこんなの、こんなの嫌です、放して! 放して! 放してください!」

「あぁ~たくうるせぇ雌豚だな! おいしっかり押さえとけ」

「おう! だけど俺達にもしっかり味見させてくれよ」

「い、いやだって言って、うぐぅうぅう、むぐうぅううう」


 ……いやいや、なにこれ?

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