表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/37

第一話 回復魔法だけが頼り?

新連載です。ストックが切れるまでは毎日更新できればと思います。

2016年9月29日少しだけ内容変更しました。大きな変更はありませんが。

 俺は医者になりたかった。だから俺は必死に勉強した。高校にはいかなかった。今日本は深刻な少子化問題が進んでいて十五歳を超えると家から放り出されて学業も職業も自分で決める自由職学選択制度が採用されている。


 つまり高校なんてものは化石みたいな制度だ。その名残は残ってるけど今時高校なんていくやつはいない。だから俺は中学を卒業後直接医学部の試験を受けそして合格した。

 その後も順調に進み十八歳になり有名な総合病院に研修医として出向くことも決まっていた。


 だが――病院へ向かう途中、道端で倒れた女性を見つけた。心臓が止まっていた。心肺停止状態で。そこで俺は急いでAEDをセットし蘇生を試みた。今の世の中スマホにAEDの機能がついてるぐらい当たり前だ。一人に一台AEDのCMが話題になったのが懐かしい。


 でも――俺は運が悪かった。AEDをセットした瞬間俺の頭上から雷が落ちた。正確に言えば自家発電式粒子化放電現象だ。スマホのAED機能を使うと時折雷を誘発し落雷が起きることがある。これには雨も晴れも関係ない。そしてその結果俺は死んだ。運が悪かったんだ。


 唯一の救いだったのは(自家発電式)(粒子化放電現象)のショックで倒れていた女性が無事蘇生したことだ。そう、これが俺にとって医者として最初で最後の治療――だけど、もっとたくさんの人を治してあげたかったな……





◇◆◇


(ここは、一体どこなんだ?)


 目覚めた時、知らない空があった。一瞬天国か? とも思ったが肌を撫でる風がそれは違うと教えてくれた。


 俺は一旦起き上がり、周囲を確認する。大森林然とした森のなかだった。灌木や喬木が入り乱れている。


 それらの樹木は見たことがあるような物もあれば、初めて見るような物もあった。葉が左右対になっていない木なんかもあったりしてちょっと不気味な感じもする。


 しかし、確かに俺はあの時雷に打たれて死んだはずだ。いや、死んだのは気のせい? な筈無いな。そもそも気のせいだとしても森の中にいるのはおかしすぎる。


 少なくとも俺は死ぬ直前まで普通に路上にいたし、助かったにしても病院のベッドの上でないとおかしいよな。


 う~ん今の格好は……来ていたままか。でもズボンのポケットにも白衣のポケットにも財布や携帯は入っていない。


 持っていたはずの鞄も見当たらなかった。着ているもの以外は紛失したってことか。

 いやはや参ったね。これってまるで俺がよく読んでいたWEB小説みたいじゃないか。ちなみに俺は並列思考の天才だったから勉強しながらWEB小説を読むぐらい余裕だ。


 それはそれとして……え? マジで? いやいや冗談でしょ。だとしたらまさかここは異世界ですとでもいうつもり? 冗談でしょ?


 でもな~こればかりは確認しようがないよな~小説なら例えばステータス! と頭で念じれば――




ステータス

名前:ヒール イシイ

性別:♂

年齢:18

ジョブ:超回復魔導士(スーパーヒーラー)

レベル:1

HP:28/28

MP:2550/2550

腕力:12

体力:10

敏捷:9

魔導:2222


魔導スキル

□究極の回復魔法


物理スキル

□言語理解□診断□隠蔽


称号

□完璧な回復師



 ……見れちゃったよ。いやマジで? 本当にステータスがあるとは流石に思わなかったな。

 う~んそれにしても、これがどの程度の能力なのかちょっとわからないな。

 

 でも見たところ回復魔法に特化したステータスな気がするな……う~ん医者を目指してたのと何か関係有るのか?


 でもなんかスキルとか少ない気がするけど――そもそも究極の回復魔法って何だ?


・究極の回復魔法

この世の理を曲解し、あらゆるものを望んだ形で回復できる究極の癒やし。その現象が結果的に回復として認識できる形であれば使用者の創造次第でどのような事(再生・復元・蘇生……etc)も可能となる。


 

 なんか凄いのキターーーーーー!

 なんだよこれ、そもそもこの世の理を曲解ってなんだよ! なにこれ未知数のスキルって事? いやいや色々おかしいでしょ。そもそもこれ回復なのか? 再生とか復元とかついでに蘇生ってもう色々超えちゃいけないライン超えてるでしょ! 等価交換の原理超えちゃってるよ!


 ふぅ、取り敢えず落ち着こう。ちょっと興奮しちゃったけどね、凄いというのは判ったし、それに結局どんな効果があるのかは検証しないといけないしね。


 で、その前に他のスキルも見ておこう。なんかステータスは説明が頭の中に表示されるからね。


 で、他の三つのスキルはこんな感じだった。


・言語理解

今いる世界の言語を理解できる。会話は勿論、読み書きにも不便はしない。

・隠蔽

ステータスを隠蔽できる。鑑定など相手のステータスを見破るスキルや魔法を受けても隠蔽したステータスを表示させる。

・診断

相手を診断する。鑑定と似ており相手のステータスや状態を確認できる。生物以外には発動できないので汎用性は鑑定に落ちるが、状態に関してはより深いところまで知ることが可能。


 ふむふむ。流石に究極の回復魔法程じゃないにしても結構役立ちそうなのが多いな。言語理解は必須だし、隠蔽もあまり自分の力を見せたくない時には役立つだろう。

 いや、そもそも究極の回復魔法は常に隠蔽しておいたほうがいいかもな……あと隠蔽も隠蔽しとこ。


 診断は、説明をみると鑑定みたいなものか? でも生物限定ってのが違いなようだね。


 う~ん、そもそも魔導スキルと物理スキルってなんだろうな? 文字でなんとなく判る気もしないでもないけど……これはのちのち調べた方がいいのかもな。


 さて、後は称号だけど……。


称号

・完璧な回復師

回復魔法に掛けて右に出るもの無し、人類を超越した回復師のみに与えられる称号。この称号があれば回復魔法を行使する際は自分の臨んだ結果が即座に反映される。また回復魔法使用時のMPの消費も激減する。


 うん……凄いねこれも。いや、最初ほど感動があるわけじゃないっけどね、それでも凄いって判るよ。


 う~ん、さて取り敢えずこれで自分のステータスは確認できたわけだけど、この後どうするかだよな~。


 なんか森のなかだし、どのぐらいの規模かはわからないけど、結構深そうな気もするんだよね。

 とりあえずその辺探ってみようか? でもやっぱちょっと怖いよね。


 大体さ~俺まだこの世界の事……。


――ガサガサッ。


 うん、そうこの世界の事まだ良くわかってないのにね。


――ガサガサガサガサガサガサッ!


 出てきちゃったわけだよこれが。

 そう、なんか犬みたいな顔した二本足であるくバケモノがね――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ