表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/232

闘病履歴9

黒い存在が離脱して行くのをMは感じ取った。

同時刻、テラスからMが月を見上げている。




空に浮かぶ半月。





その遮光がMを狂わす。





もう一人の自分が身体から離れて行く感触。




取り残された肉体は思わず待ってと呟くのだが、その制止は届かない。





離れた人格は勝手きままに動き出す。




全くの別人格であるもう一人の自分を、Mは全くコントロール出来ない。





ただ、それが黒い存在であり、憎悪の塊である事をMは知っている。





この現象が単なる幽体離脱でない事もMは承知している。





自己同一性障害に依る真正の別人格離脱なのだ。





その人格は明らかに肉体を持ち、離脱して行くのをMは体感しているのだ。




その肉体離脱は、他者の目には映らない。





でもそれはれっきとした、己の中にある別人格の肉体の離脱である事をMは認識して、疑わない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ