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闘病履歴82
幽体離脱しなければならない局面で戸惑う真華。
拓郎君が言う。
「その形ならば、こちらが幽体離脱して行き、生き霊をガードするしかないか」
真華が頷いた。
「それしか無いよね」
拓郎君が言う。
「幽体離脱しても、こちらは初心者の生き霊だしな。ガードする力なんて無いし」
真華が言う。
「とにかく生き霊が彼女と話しをしないように悪霊からガードするのは絶対条件だからね。こういうのは慣れの問題もあるだろうし、三人で交互に幽体離脱して行き、場数をこなすしかないよね」
拓郎君が言う。
「いずれにしろ、霊魂には死の概念が無いけれども、こちらは生き霊の分、肉体を持っているから、死霊にとっては憑依対象になるからね。そこが不利なんだよね」
真華が言う。
「肉体側に出来る事はお祓いやまじないだけれども、生き霊とて心霊的存在だから、下手にお祓いなんかしたら全て台なしになる可能性もあるしね」
拓郎君が言う。
「とにかくここは生き霊のガードあるのみだから、生き霊にその旨告げて、幽体離脱するしかないよね」




