81/232
闘病履歴81
私が彼女と話さなければ、彼女は自殺を考えず、やがて鈴の音にたどり着くだろうと、生き霊は言った。
黒が尋ねる。
「鈴の音に辿り着く方法を教えて下さい」
生き霊が答える。
「彼女は…私と話したがっているのだが…私は話さない…そうすれば…彼女は…死にたい…とは考えず…やがて…夢に鈴の音が…聞こえるのだ」
白が尋ねる。
「あなたが彼女と話をしてしまえば、鈴の音は聞こえず、彼女は自殺してしまうと言う事ですか?」
もどかしい口調で生き霊が答える。
「そう…なる」
第三の目が尋ねる。
「例えば、悪霊とかに邪魔をされて、あなたが彼女に話しをしてしまう事は有り得ますか?」
生き霊が答える。
「私は霊的には…未熟な…存在でしかない…完成体である霊魂が襲って来たら…防ぎようが無いと思う」
黒が言う。
「誰かのガードが必要だと言う事ですね?」
黒の言葉を吟味する間を置き、生き霊が答えた。
「そう…だ」




