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闘病履歴76
鈴の音が救いだと、生き霊は言った。
生き霊が続ける。
「彼女…の心の動き…は分からない…のだ…が…私が話しをして…死ぬのを断念すれば…彼女は私と合体して…二度と死ぬ事は考えないと推測出来るが…絶対は無い…のだ」
黒が尋ねる。
「一つに合体しても又心が分離してしまうと言う事ですか?」
生き霊が答える。
「そうだ…人間の心の動きに…絶対と言うのは…無い…のだ」
白が尋ねる。
「でもそれじゃ救いがありませんよね。死ななくなるなるポイントと言うか印しは無いのですか?」
生き霊が答える。
「彼女…の夢の中で…鈴の音が頻繁に聞こえるように…なれば…救いはある」
第三の目が尋ねる。
「自殺を考えなくなるのですか?」
「そうだ…そして」
黒が尋ねる。
「そして?」
生き霊が静かな口調で答えた。
「そして…もし…全てが失敗し…自殺した場合…彼女は悪霊になって…あなた方を呪う…に違いない」
白が言う。
「そんなの逆恨みですよね。違いますか?」
生き霊が答える。
「仕方ないのだ…そうなって…いるのだから」




