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闘病履歴68
幽霊離脱は可能な筈ですと、霊媒師は言った。
落下はせず、不意に生き霊は途中で離脱して行った。
目を覚まし、真華が拓郎君に顛末を報告する。
拓郎君が応じた。
「霊媒師の先生に状況を説明しよう」
拓郎君が霊媒師に電話を掛け、経緯を説明し、指示を仰いだ。
霊媒師が言う。
「離脱して行った生き霊の後を追うのが先決ですね。それが幽体離脱の先駆けにもなりますし」
拓郎君が尋ねる。
「逃げた生き霊は本物と言えますでしょうか?」
霊媒師が答える。
「それも追跡してみれば分かると思います」
「でもどうやって追跡すればよいのでしょうか?」
考慮する間を置き霊媒師が答えた。
「その緑色の色調に同化すれば幽体離脱は可能な筈です」




