闘病履歴60
相手の生き霊と仲良くなる?
拓郎君が言う。
「相手の心へのダイブは、マカロンに取って攻撃は最大の防御、言わば自己保存本能から派生する防御方法と呼べるものであり、自分自身の世界を荒らされたくないという魂の欲求でもあると思うんだ」
真華が肯定する。
「そりゃそうよね。私だって自分自身の命を護りたいと言う自己保存本能はあるからね。それを脅かされるのは、いくら人助けでも嫌なわけだし」
拓郎君が頷き言った。
「それは相手の無意識の領域とて同じだと思うんだよ。と言うか今マカロンに憑依して来ている生き霊は相手の彼女の言わば自己保存本能の代弁者であり、本当は自殺なんかしたくない、助かりたいと願っている顕れだと思うんだよ。そして仮にマカロンが相手の無意識にダイブする時は、相手の生き霊の本当は自殺なんかしたくない、助かりたいという衝動を伝達して行くしかないと思うんだよ」
真華が頷き言った。
「成る程。つまり相手の生き霊と言うか無意識の本能的な自己保存本能の衝動を、彼女の夢の中へダイブして伝えれば、彼女は自殺せずに助かるという事か?」
拓郎君が言った。
「そうだね。彼女はその生き霊と言うか無意識の自己保存本能の衝動に気がついていないと思うんだよね。だからマカロンに対する彼女の生き霊の救命を請う憑依が始まったと思うんだ」
真華が頷いた。
「成る程ね」
拓郎君が続ける。
「だから相手の無意識にダイブする行いと言うのは、相手の生き霊と折り合いをつけるというか、仲良くなってから、相手の無意識の領域である夢を調整して行けば良いと思うんだよ」
真華が言った。
「つまり相手の生き霊と仲良くなって、無意識の領域にある自己保存本能を、相手の生き霊と協力し合って夢に顕し、知らせるという形か?」
拓郎君が頷いた。
「そうだね」




