闘病履歴58
霊魂同士の憑依は出来ない?
真華が尋ねる。
「相手の生き霊をフィルターにするという事の意味は何なの?」
拓郎君が答える。
「一番いいのは相手の生き霊に憑依出来れば一番なんだけれどもね、霊魂同士の憑依は多分無理だろうから、相手の生き霊がマカロンの夢から離脱したところを、追跡して、相手の肉体にダイブするやり方を取るしかないと思うんだ」
真華が尋ねる。
「幽体離脱して行き、それをコントロールするのに一番大切なのは何なの?」
拓郎君が即答する。
「念じる力というか、自愛し相手を思いやる情けだろうね」
真華が改まってもう一度尋ねる。
「それは情けを貫徹する意思の力という事かしら?」
拓郎君が頷いた。
「そうだね」
真華が言う。
「その意思の強さというか、志しの強さが、空っぽにになった私の肉体を死なせず、消耗させないという事かしら?」
拓郎君が頷いた。
「そうだね。気功で霊力を上げて、生き霊をコントロールする念じる力、意思の力を強めれば、相対的に空っぽになった肉体の消耗度は下がると思うんだ。まあ全体的に言えば慣れの問題だと思うんだ」
「慣れと言うと?」
拓郎君が神妙な面持ちで答えた。
「失敗を繰り返している内に、肉体の方にも耐性がつくと思うんだよね」




