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闘病履歴51
心の学習で死んでしまうのは金輪際嫌だけどねと、真華は言った。
真華に手当をしながら拓郎君が言う。
「気功は予防医学でもあるんだ。とにかく急性の感染症を避けて行こう」
椅子に座っての気功施術を受けながら、真華がしみじみと言う。
「本当に自分自身を助ける事が人助けに繋がる顛末だよね」
拓郎君が答える。
「情け深さだけではなく、生命力の強さも問われる案配だね」
真華が言う。
「今までの生き様が全部試されている、そんな感じだよね」
拓郎君が言う。
「しかし世の中には病んで自殺を考え、こんな風に無意識に生き霊飛ばして助けを求めている人も沢山いるのかもしれないね」
真華が答える。
「でも私みたいに、攻撃された相手を助ける立場に立たされた人は絶対にいないよね。皆怖がって、せいぜい浄霊する位が関の山だと思うよ」
拓郎君が言う。
「そうだよね。だからマカロンにとっては、この一連の事が本当に心の学習になるよね」
真華が拓郎君を睨みつけ言う。
「心の学習で死んでしまうのは金輪際嫌だけどね」
拓郎君が微笑み答えた。
「そりゃそうだ」




