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闘病履歴50

憎しみと妬みに病むM。

休みがちな大学を早退して、Mはコンビニに入り、ケーキを買ってフードコーナーの椅子に腰掛けた。





今日キャンパスでは真華を見掛けなかった。




人が自分の悪い噂をしているという妄想が有るので、Mは外に出たがらない。






だが燃えたぎる妬みと憎しみにほだされて、真華の事が気になって仕方がない。





Mは目立たないようにコンビニの隅に腰掛け、スプーンでケーキを食べながら、窓越しに行き交う通行人を見ている。





被害妄想は新たなる妄想を呼び起こし、ややもすると、自分の内部で抑えられない殺人衝動を形成する場合もある。




臆病で人見知りなMは真華を憎悪する事で、その殺人衝動を中和している。




病は深く心を蝕み、自分を滅ぼす事で消すしかないと、Mは考えている。





だがここに来て、やたらと両親の事が夢に現れ始めた。





幼い頃迷子になって泣きじゃくり、抱き上げてくれた父親の姿や、優しく頭を撫でてくれた母親の姿などが頻繁に夢に現れる。






それはどうしても信じられない両親の愛情の顕在化であり。





自殺する決意が揺らいでいるのをMは感じている。





しかし。





自殺ではなく、こうして食べ続ければ、肥満で心臓をやられ、心筋梗塞などを引き起こし、死ねるのではないかと考え、Mはケーキを手づかみで口に入れ、咀嚼して飲み込んだ。

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