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闘病履歴42
そうだねと、真華は頷いた。
真華が言う。
「私も虐められて、死のうと考えた時、助けてくれた母さんに初めて愛を感じたものね。愛という言葉は今死語扱いされるけれど、誰からも自分が愛されていないと感じたら、それは存在証明の喪失に繋がるんだよね。孤独と不安に絶望的となり、死ぬ事しか考えなくなるからね。だから愛というものは人間存在にとってはやはり最重要なものには変わり無いんだよね」
拓郎君が言う。
「特に自立していない子供にとっては親の愛は絶対のものだからね。世間に迫害され、心病み、自分の親にも愛されていなければ、子供は行き場を失い、自殺の道を選択するしかないものな」
真華が言う。
「そうそう。私もそれで死のうと考えたんだよ」
拓郎君が頷く。
「だから今回は、君は親に絶対愛されているんだよというのを確実に伝達して行くしか助ける術は無いんだよね。そこさえ伝われば何とかなるんだよね」
真華が頷いた。
「そうだね」




