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闘病履歴34

母親の愛情を目の当たりにして、Mはひたすら戸惑う。

両親の眼差し。





自分を異様な目付きで見る両親の眼差しに、愛情を感じた事は無い。





そうMは考えている。





動物社会と言うのは種の存続繁栄を図る意味で、あからさまに病気を嫌う。





群れの中で病気になった者は寄ってたかって攻撃され殺されてしまう定めが常なのだ。





だが文明を持っている人間社会は違う。





まず法の罰則規定があるので、寄ってたかっての淘汰は出来ない。




本能剥き出しに暴行を加えれば厳罰に処せられてしまう。





いくら邪魔だと思っていてもその相手が病気になれば、病院に行かせるなり、看病するなりするしか無いのだ。




世間体を考え、その看病を金にやらせて、冷ややかに傍観しているのが、自分の両親だとMは思っていた。




世間体と自己保身しか無いとMは思っていた。




だが夢の中で、母親は悲しみに泣きじゃくっていた。





意外とも言える母親の愛を目の当たりにしてMはひたすら戸惑う。




社会のゴミたる自分には惨めな死が相応しいとMは思っている。





そんな自分の死を悼む者など絶対にいないと、Mはそう考えていたのだ。


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