闘病履歴3
自己同一性障害の霊媒とは?
気功を用いて、拓郎君は真華の身体を癒す。
所謂ヒーリングだ。
それをしながら二人は各自の自己同一性障害について語り合う。
役割を持たせて、それを第三者の目で監視し、コントロールしないと、それぞれの人格が勝手気ままに動き出し、パニックを引き起こす。
そのコントロール方法を論じ合うのだ。
各人格は正に人格を持っているので、手なずけ、言う事を聞かせるのは労苦を要する作業となる。
人格には慣れ親しんだ人格と、突然侵入して来て、人格をなす憑依霊がいる。
拓郎君がその事に言及する。
「憑依して来るのはパワフルだと厄介だよな。なかなか追い出せなくなるしね」
肩に手当てを受けながら真華が答える。
「ストレス性の奴は徐々に侵入して来て、殺しに掛かって来るしね」
拓郎君が言う。
「でもストレス性の奴はカラオケとか行って大声出せば、大体消えるじゃないか?」
真華が頷く。
「そうだよね。病気運んで来る奴が一番厄介かもね」
拓郎君がしきりに頷き答える。
「あれは本格的に身体壊して来る死に神だからな。外すのは大変だよね」
真華が言う。
「意識がある内に、息を吐き出しながら口笛吹き、少しずつ追い出して行くしかないよね?」
拓郎君が否定する。
「いや、気功も使って後は呼吸法だと思うよ。片手落ちではなかなか出て行かないしね」
真華が尋ねる。
「有効なまじないはある?」
拓郎君が答える。
「あかさたなの長音気功を有効に使えば結構口から追い出せるし、やっぱり手を当てる形がベストかな」
真華が言う。
「でも複数のパワフル憑依は心完全に乗っ取られ、車で突っ込ませるからね。そうなったらアウトじゃない」
拓郎君が同意する。
「そうなる前に追い出すしかないよね」
真華が言う。
「命懸けだよね。負けたら死ぬじゃん」
拓郎君が笑い言った。
「良くお互い今まで死ななかったよな」
真華が笑った。
「本当にそうだよね。これじゃ私達守護神を持たない霊媒と同じかもね」
拓郎君が笑った。
「お互いがお互いの守護神だったりして?」
真華が頷き笑い、答えた。
「そうかもね」