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闘病履歴27
醜い自分には真華を妬み逆恨みする、おぞましい姿が似合っていると、Mは思った。
人の間でしか生きて行けない人間。
部分的な存在でしかない人間は相互依存しなければ生きては行けない生き物でもある。
自分もそれは同じだとMは思っている。
しかし自分を生かしているのは両親が与えてくれる衣食住であり、そこに人間の温もりは全く無い。
無味乾燥とした孤独なる心の砂漠は荒涼としているだけで、寂しさしかない。
同じ心の病なのに、真華は大勢の仲間達に囲まれて、いつも楽しそうにしている。
同病なのに真華は自分に無い青春を大いに楽しでいる。
Mはそれが妬ましくて仕方ない。
温もりに囲まれて人生を謳歌している真華をMは心の底から憎悪している。
人を怨み、呪う事は生きるバネにも成り得る。
醜いのは分かっている。
だが所詮醜い自分にはこの程度の逆恨みしか生きる糧にはならないのだ。
悶々とした己の醜い劣等感を押し込むようにMは炭酸飲料をがぶ飲みし、激しく咳き込んでから、ため息をついた。




