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闘病履歴26
経験値に基づいた、優しさと思いやり溢れる助言をして行けと言う事ねと、真華は言った。
真華が言う。
「でも殆どの子供達がメディアが垂れ流しにしている実社会の醜さを幼い頃から知っていて、したたかさを身につけていると言うか、耐性も自然に身につけているじゃない?」
拓郎君が答える。
「それが所謂実社会を生き抜いて行ける意気地と言うか、したたかさ、アクの強さなんだよ。でもそんな耐性を身につけられるかどうかには個人差があり、その耐性を持てずに実社会に出て、傷付き、ドロップアウトした事は恥じるべき事ではないと思うんだ」
真華が言う。
「それはそうよね。生まれた土地柄や家庭環境、その結果生じる情操面の心模様に個人差は絶対的にあるからね」
その意見を受けて拓郎君が言う。
「だからそんな考えをベースにして、後は生き霊を飛ばしている女性の心の機敏を、経験値に基づいた優しさで思いやって行き、説得に当たればいいと思うんだ」
真華が頷き言った。
「上から目線ではなく傷付きさ迷った者としての思いやり溢れる助言をして行けという事ね?」
拓郎君が頷いた。
「そうだね」




