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闘病履歴228
生き霊が死んだのを覚り、Mは投身自殺する事を決意した。
深夜、己の分身が死んだのをMは直感的に感じ取った。
それと同時にMは泣き出し、心一杯に絶望感が拡がって行くのを自覚した。
もう分身は死んだのだから、語ろうにも、語る相手がいない。
死のう、そう考え、自殺する方法についてMは考えを巡らす。
投身自殺が脳裏に浮かび、それに従う事をMは決断した。
だが自宅の二階部分から投身自殺しても、低過ぎるので死に切れない事に思い至り、Mは自殺に適した高層ビルを思い描くが、どのビルも投身自殺防止の構造を施工しており、当たりが付かない。
Mは深くため息をつき、だるく重い身体を引きずるように立ち上がり、外出の為の身支度を整えた。
そしてひとしきり大粒の涙を流しながら嗚咽して、その涙を何度も擦るように手の甲で拭ってから、自分の部屋のドアを押し開け、よろめくような足取りで歩き出した。




