227/232
闘病履歴227
涙ぐみながら、第三の目は真華の領域を離脱した。
真華が第三の目に呼び掛ける。
「い、行かないで、私を独りにしないで、お願い」
第三の目が首を振り言う。
「マカロン、心配しないで。二人を連れ戻すだけなんだから。直ぐに帰って来るから」
真華が哀願する。
「お願い、い、行かないで、行ったら二度と戻っては来れないわ。お願い、私を一人ぼっちにしないで、仲間じゃない?」
涙ぐみつつ第三の目が答える。
「心配無いよ。遅すぎる二人を捜しに行くだけなんだから、直ぐに戻って来るから、心配しないで欲しいだ、マカロン」
真華が泣き出し、縋り付く。
「お願いだから行かないで、ここにいて…」
その声を振り切り、第三の目は涙ぐみながら、振り返る事なく、真華の領域を離脱した。




