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闘病履歴203

死は死の為にある、その表も裏も無い、無限ループの無の増殖的一元論としてある大河に、集団歓喜なる永劫性を欲しがり、人類レミング大量集団自殺行は、核弾頭を撃ち込まれる事を無上の喜びとして、ひた走るのか?

黒が言う。





「それじゃ、万物の霊長たる人間がレミングのように集団自殺する引き金が、子供を惨殺する事であり、その引き金を人類という種は愚かしくも自ら引いたと、お前は言うのか?」





子供の霊魂が無邪気に笑い、答える。





「ピンポン。推察通りだと思うよ。と言うか常識で考えれば分かるじゃないか。子供というのは種の未来を担った存在なんだよ。その子供を大量に殺す事は種の未来を殺す事なのだよ。そんなの明らかに自殺行為に等しいじゃないか」




白が反論する。





「でもそんな子供達を救出しようと懸命に働く人々だっているじゃない。違うの?」




子供の霊魂が答える。




「そんなのはおためごかしの所業でしかないわけさ。集団で自殺しようとしているレミングに、例えば核弾頭を撃ち込んでも、その自殺行は止まらないわけさ。彼等は死を欲しがっているのだから、核弾頭は逆に御褒美になるじゃないか。そこで与えられる死は、彼等レミングにしてみればプラス要因の死でしかないわけだよ。生は死であるという二元論から逸脱して、死は死の為の裏も表も無い無限ループを彼等レミングは欲しているのさ」





第三の目が言う。





「ならばこの遠吠えは、人類という種の集団自殺行を手助けする善行だと、お前は言いたいのか?」






子供の霊魂が答えた。




「ピンポン。それは良い言い方だね。集団自殺する人類という種に、死という核弾頭を撃ち込み、無としてのゼロ基点としてある死としての死の表も裏も無い無限ループ世界が今君達がいる冥界なのさ。だからこの死の無限ループは生は死が支え、死は生が支えているという概念に対するアンチテーゼとなるわけだよ。それが冥界の永遠性に繋がっているのさ」




第三の目が言う。





「種の自爆ポイントを経て、生を放棄し、死としての死が無限大に増殖する永劫性に身を投じるレミング人類の自殺行を手助けする事は言わば安楽死を与える事だとお前は言うのか?」





子供の霊魂が拍手した。





「ピンポン。その通り。後二億年もすると、人類がこの惑星に住んでいたという痕跡さえ全くなくなってしまうからね。その時人類はこの死は死の為にあるという、無限ループの中でのみ、己の存在証明を見出だすのさ。勿論その思弁を、この苛烈なる冥界の力しかない法則の中で勝ち得ていればの話しだけれどもね」

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