闘病履歴188
効果が裏目に出る可能性?
苦悩や悲しみが必要であるという語りから、真華を心配する事に依って離れて行く分身達の動向。
冷たく思える拓郎君の態度は、真華に対する苦悩を取り除いてやりたいという分身達の思いやりをひたすら強めて行く。
苦悩、悲しみが必要だという言葉から遠ざかり、真華の悲しみを取り除く事を模索する分身達が、打開策を講じるべく話し合う。
第三の目が提案する。
「遠吠えを止めるのではなく、吠え方を変えてみてはどうだろう?」
黒が尋ねる。
「どうやって吠え方を変えるんだ?」
第三の目が答える。
「子供の死に神がそれを真似してくれたらの話なのだけれども、吠え方を途切れ途切れにしてみたり、強弱をつけてみたりしても良いと思うんだ」
白が言う。
「何もやらないよりは増しかもしれないけれども、子供の死に神がその吠え方を真似してくれるかしら。それに他の死に神に対する効果があるかも疑問だし…」
第三の目が答える。
「今までの経緯を見ると、子供の死に神はこちらの遠吠えをそっくりそのまま真似していたよね。この策略はその遠吠えの在り方というか質が、死者の数や死に神達の殺し方に微妙な影響を与えていると推察しての策なのだけれどもね」
生き霊が言う。
「効果…はある…のだろうか?」
第三の目が答える。
「駄目元で、やる価値はあると思うんだ」
白が頷き言った。
「そうね。失敗したら失敗したで、他の方法を考えればいいしね」
黒が首を傾げ言った。
「でも取り返しのつかない事になる可能性もあるじゃないか?」
白が言う。
「効果が裏目に出て、マカロンがおかしくなるという事?」
「黒が恭しく頷き言った。
「その可能性だって、当然あるよね」




