闘病履歴186
拓郎さんが苦しむ事も、状況好転には必須項目なのですと、霊媒師は言った。
拓郎君が驚きの声を上げる。
「マカロンに呼ばれても行くなと言うのですか、先生?!」
電話口を通して霊媒師が答える。
「そうです」
拓郎君が声を張り上げる。
「マカロンには自殺願望が芽生えているのですよ。そのまま放置しておいたら死んでしまうじゃありませんか。それでも行くなと言うのですか、先生?!」
冷静な口調で霊媒師が答える。
「今、拓郎さんがマカロンさんに会えば、タブーを冒してしまう可能性が非常に高いのです。タブーを冒せば、マカロンさんは死んでしまいますから」
拓郎君がうろたえる。
「そんなの常識では考えられませんよね。困っている仲間がいたら、助けてやるのが常識ではありませんか?!」
霊媒師は穏やかな口調を崩さない。
「これは冥界の掟と言うか、法則性に則った事柄なのです。ですからこの世の常識は通用しません」
拓郎君がやみくもに食い下がる。
「でも放置していて、マカロンが死んでしまったら、元も子も無いですよね?!」
霊媒師が答える。
「マカロンさんと、その分身達を信じて待つしかないのです。そして拓郎さんがこうして苦しみ、悲嘆に暮れるのも状況を逆転させるには必須項目なのです。そこを理解して下さい。拓郎さん。お願いします」




