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闘病履歴184
タブーだから教えられないねと、子供の死に神は言った。
白が言う。
「でもマカロンの心そのものとは言え、マカロンに巣くって死に神が憑依している事にはちがいないでしょう。その憑依の解き方だって必ずある筈じゃない。違うかしら」
姿を見せない子供の霊魂が拍手してから言った。
「ピンポン。それはあるね。でもその方法は教えられないんだよ」
白が目くじらを立てて尋ねる。
「何故教えられないの?」
子供の霊魂がもう一度愉快そうに笑い答えた。
「それを言ったら僕の寂しさが募るからさ」
白がヒステリックに怒鳴る。
「ふざけた事言わないでよ。こっちは命がかかっているのたから!」
子供の霊魂が答える。
「僕はふざけた事なんか言ってはいないさ。人の命を玩具にして寂しさを癒すのが僕の仕事だからね。だからふざけた事を言うのも、僕の仕事の内なのさ。漫才師みたいなものだと思うけれども、違うかね?」
白が焦れる。
「君の立場は分かったから、知っているなら教えてよ?!」
子供の霊魂が答えた。
「それはこちらの世界では言っちゃいけない掟、言わばタブーなんだよ。だから君達が自分達で探り当ててよ」




