闘病履歴166
子供などが惨殺されたら、リアルタイムに報道される?
拓郎君が頷く。
「そうだね。あの死に神の話が本当で、遠吠えの直後に子供などが誘拐されて惨殺されたりしたら、即座にリアルタイムで報道され、証明されるだろうしね。それまでは半信半疑の気持ちを出さずに、言い付けに従い、波風を立てない戦法もありだよね。しかしあの話が何かを企てる嘘ならば、一体あの死に神は何を企てているのだろうか?」
真華が深刻な眼差しをして拓郎君を見据え答えた。
「それはいずれにしろ、あの死に神のリーダー格である大いなる意思と絡めて類推するしかないよね。狙いとしては、全体的な見取り図を見越しての呪術完成の為の手続きである事だけは間違いないと思うよ」
拓郎君が一度相槌を打ってから言った。
「何かしらの呪術を完成させる為の手続きと言うのならば、何の呪術なのだろうか?」
真華が首を傾げ言った。
「さあ、それは正に神秘のベールに包まれているから、私には分からないわよね。それにあの死に神が言う大いなる意思、神と言うのも、善なる者なのか、悪なる者なのか皆目見当付かず、分からないしね。いずれにしろ私達は自分達の目標達成の為にとりあえず指示に従う振りをして、全力を挙げるしか無いと思うんだ」




