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闘病履歴159
拓郎君が霊媒師に打開策を仰ぐ。
拓郎君が霊媒師の指示を仰ぐ。
電話口の向こうで霊媒師が言う。
「困った事になりましたね。それではどうでしょう、ニ点移動と言うか、行き来を止めるというのは?」
拓郎君が注釈を入れる。
「マカロンのところから彼女のところに移動せず、生き霊が一人で夢見術を施す形ですか?」
霊媒師が答える。
「そうですね」
拓郎君が反論する。
「しかし、それでは他の死に神や悪霊の侵入を、生き霊一人が防ぐと言う形ですよね。それでは弱いと言うか、弱過ぎると思います」
霊媒師が肯定する。
「そうですね。四人で力を合わせ、鈴の音に辿り着くのが最良の形ですからね。どうしましょう…」
拓郎君が苦悩を顕に訴える。
「マカロンも生き霊も、自分の善意の為に罪の無い子供達が死ぬのを心底嫌がっています。その理不尽な矛盾点を解決出来ないと、事はいい方向に進みませんが、先生、何か良い打開策はありませんか?」




